インターネットを使ってメッセージを届ける、といえば最もポピュラーな手段が「電子メール」だ。この電子メールの使い方も、常時接続になると大きく変化してくる。
ダイヤルアップの場合、電子メールが届いているかどうかのチェックは、どんなに短くても10分おきくらい。普通はこれよりももっと長くて30分〜1時間おき、という場合がほとんどだろう。というのは、従量制のダイヤルアップの場合、1回のチェックをするのに毎回ダイヤルアップすることが必要で、そのたびに料金がかかるからだ。仮に10分おきで1回のチェックに10円かかると単純計算すると、1時間に60円かかる。これではたいしたことはないと思うかもしれないが、これを丸一日続けると1,440円、1ヵ月でなんと43,200円もかかる計算だ。もちろん、テレホーダイを代表としたさまざまな割引サービスを使えば料金はこれよりもずっと安くなるが、とはいえ、かなり高コストであることにはかわりはない。
しかし、仮に10分に1回のチェックだったとしても、メールによって相手に言葉をかけると、その返事が返ってくるには20分かかることになる。このペースでは親しい「会話」はかなり困難だろう。iモードメールに代表される携帯メールのチャットでは1分程度で相手からの返事が得られるのに比べると、天と地ほどの差がある。
だが、これも常時接続なら、使い勝手は大きく変わる。メールサーバの混み具合にも左右されるが、3〜5分おきくらいのメールチェックならばたいていは問題なく利用できるものだし、自分のマシン上にメールサーバを置けば、相手から届いたメールはほぼリアルタイムで読むことができる。また「メーリングリスト」を構築すれば、複数人で一度に会話することだって可能だ。さらに、メールという枠を外せば、リアルタイムに文字による会話ができる「チャット機能」といった使い方もある。
メールというのは基本的にはテキストデータがほとんどで、データサイズは決して大きくはない。とはいえ、いつ届くかわからない相手からのメッセージを待ち続けるには、接続時間によって課金されるダイヤルアップ接続は向かない。常に「繋がっている」常時接続だからこそ、相手との会話もスムーズに行えるのである。ブロードバンド接続における常時接続は、相手との会話も常に「繋ぎ続けて」くれるのである。
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