セレクション
・最新号の表紙に戻る
・この号の表紙に戻る
----------
今週の注目ソフト
・押忍! 極聖拳2
・Able CV
・左くりっ君
・Clickless
・タイルメーカー

・VERSION UP
・BACK NUMBER

・ご意見・ご感想
・無料メールサービス
ベクターソフト情報メールサービス「ベックル」 --------

タイル画像を簡単に作成できるツール
タイルメーカー Version 1.0.0J
for Macintosh 画像&サウンド NEW シェアウェア 2,000円

タイルメーカー メイン画面。左側が元となる画像、右側にプレビューされたタイル画像がリアルタイムで表示される 画像の一部切り出し、回転や反転といった画像処理を行い、規則的に並べることでタイル画像を作成するグラフィックツール。

同じ模様が繰り返し出てくるタイル画像は、ホームページのバックグラウンドパターンや3D CGにマッピングを行うときに重宝するが、これを一般のグラフィックツールで作成するには、上端と下端、左右をそれぞれ合わせるなどの苦労が絶えない。「タイルメーカー」を使えばタイル画像を手軽に作成することができる。

基本パターン21種類。それぞれのバリエーションを加えると何と536種類のパターンが作成できる 作成可能なタイル画像は基本21種類、そのバリエーションが各2〜12種類あり、合わせて134種類。さらにそれぞれにミラー効果とチェック効果の有無(合計4種類)を施すことで、536種類のタイル画像を作成することができる。

もちろんタイルとして切り出す部分のサイズはユーザが任意に指定することができるため、事実上無限のパターンが作成できるといってよい。

QuickTime 3.0に対応しており、QuickTimeがサポートする画像形式(PICT、JPEG、GIF、TIFF、BMP、TARGAなど)のデータであれば、元画像として読み込める。

作成したデータは、印刷もしくはファイルとしての保存が可能(いずれもシェアウェア登録が必要)で、PICT、JPEG、PhotoshopデータおよびBMPで出力できる。

動作環境はPowerPCを搭載したMac(G3搭載機推奨)、対応OSはMac OS 7.6.1以上(QuickTime 3.0以上必須)となっている。

reviewer's EYE 特定用途向けのツールというと何やら近寄りがたい感じもするが、「タイルメーカー」の操作は非常に簡単だ。起動すると、フルスクリーンでメインウィンドウが表示される。ウィンドウ上部にはボタンが並んでおり、これと左側のツールを組み合わせればメニューを使用せずとも操作を行えるようになっている。

分割された左右のエリアの左側に元画像をが表示され、タイル化された画像が右側にプレビュー表示される(標準時)。とりあえず元画像の上にある赤いエリアをぐりぐりとドラッグすれば、雰囲気はすぐにつかめるだろう。

手軽にきれいなタイル画像を作成したい人向けに、おすすめのパターンが用意されている とりあえず手軽に画像を作成したいという人は、上部にある「おすすめ」メニューがある。ここには、手軽にできる12パターン36通りが用意されている。逆に自分でいろいろといじりたいという人は、左側の21通りの基本パターンを選び、次にそのバリエーションを選択、A〜Cの3通りのパラメータを選び、効果をチェックすることで細かい調整ができる。

ほとんどの操作はマウスのみで行えるため、さほど難しいツールという印象はない。また、ウィンドウ内のボタンを中心としたインタフェースも、クロスプラットフォーム上での共通の操作性を持たせるという面で評価できるだろう(もっともWindows版は現在開発中ということなので、Windowsユーザの方はしばらく待ってもらいたい)。欲をいえば、パラメータや印刷/ファイル出力時の数値入力の対象エリアを[tab]キーで順に飛ばすことができれば、さらに操作性が上がることだろう。

ホームページ制作やCG作成といった用途以外にも、電子万華鏡として「観て楽しむ」ためのソフトとしても使えることだろう。

何しろ同じ元画像、同じパターンを用いても、切り取る場所を少し変えるだけで、作成されるパターンは大きく変わるのだ。これは、皆さんが実際に「タイルメーカー」でいろいろと試してほしい。画像だけでなく、文字を使って幾何学的なパターンを作成するのが筆者のお気に入りパターンだ。
(宮原 公文)

ホームページ 作者のホームページはこちら

ソフト作者からひとこと
ソフトを開発しようと思った動機、背景 : 作者の市川衛はインタラクティブアートをやっていて、ユーザのアクションやMIDIにリアルタイムに 反応する視角装置を開発・製作してきました。数年前に実写の万華鏡を見たときに、すぐさまこれをコンピュータでリアルタイムに生成できないかと考えましたが、リアルタイムの画像処理が難しく断念していました。しかし、最近のQuickTimeの技術をうまく利用すればこれが実現できそうだということがわかり、インタラクティブアートの表現技術として開発を始めました。「タイルメーカー」はこれを商品化したものですが、商業行為のための商品という意味だけでなく、インタラクティブアートの表現の一形態という位置付けがあります。

開発中に苦労した点 : コンピュータの万華鏡のパターンはいろいろ考えられるので、どのようなパターンがあり得るのかということを研究して、それを実際の仕様にまとめるのに苦労しました。最終的に21種の基本パターンに落ち着きましたが、これにバリエーションを加えると536種類にもなってしまい、実際にコーディングするのにも時間がかかってしまいました。

ユーザにお勧めする使い方 : まずは、いろいろな画像を読み込んでみて、インタラクティブな電子万華鏡として楽しむことをお勧めします。いろいろな発見や体験ができると思います。このような楽しみ方では、体験型のエデュテイメントソフトとして楽しめます。うまく使えばVJ(Visual/Video Jockey)などにも利用できるでしょう。

実用的な用途では、ホームページのバックグラウンド画像や、CGのテクスチャ画像の作成を、身近な画像素材から容易に、しかもさまざまなバリエーションで製作できます。イメージを印刷すれば、手作りのペーパー素材として、折り紙やランチョンマットを作ったりすることもできるでしょう。また、テキスタイルのデザインツールや、グラフィックスのイメージを練るためのアイデアツールとしても利用できます。

今後のバージョンアップ予定 : これから付け加える機能としては、
  • マウスを動かさなくても自動的にサンプルする位置を変化させて常に動画を出せるようにする
  • そのような動画をQuickTimeムービーとして記録・保存できるようにして、FireWireからDVなどにも出力できるようにする
など、動画作成ツールとしての機能を向上させていきたいと思っています。
((有)インターアート)

※ この記事は、'99年2月11日に公開されました。


Download
「タイルメーカー」のダウンロードページにジャンプします。ダウンロードページからソフトをダウンロードできます。ダウンロードページには、作者データページへのリンクもあります。

製品プロレジ・シェアレジ(2,160円(税込))
タイルメーカーJ 1.0.0J QuickTimeを利用したタイル画像作成ツールで、電子万華鏡としても楽しめます (383K)



週刊ソフトニュース、スポットライト、PickUpに関するご意見・ご感想は…… editor@vector.co.jp まで

Copyright (c) 株式会社ベクター 記事の無断転用を禁じます。
Copyright (c) Vector HOLDINGS Inc. All rights Reserved.
[↑このページの先頭へ戻る]