数あるアプリケーションの中で、最も使用頻度の高いもののひとつにWebブラウザがある。オンラインソフトで多機能Webブラウザ(多くはタブ切り替え式なので「タブブラウザ」などと総称されたりするが)が多く公開されているのも、この使用頻度の高さ、ニーズの高さが反映していると考えてよいだろう。もうひとつ、タブブラウザが人気なのは、Windows標準のInternet Explorerに対するもの足りなさもあるかもしれない。IEもタブブラウザ化されたとはいえ、いわゆる多機能タブブラウザの持つ機能の多くを持っていない(Windows標準という立場上、これは仕方のないことだろうが)。
しかし、そんな“食い足りない”IEを一変させるソフトが、この「Marineツールバー」だ。このソフトはIEに多彩な機能を組み込んで、IEを使ったWebブラウジングを快適にしてくれる。これまでもIEのアドインとして動作するツールバーはいくつもあったが、ここまで機能の充実したものはなかったのではないか。
初期状態の「Marineツールバー」は意外とシンプルで、検索関係の機能のみが表示される。とはいえ、その検索機能は充実しており、辞書や地図なども含めた50種類以上の検索エンジンが登録され、目的に応じた検索をすばやく行うことができる。もちろん、登録されていないエンジンの追加も可能だ。また、ページ内の文字列検索、文字列のハイライト表示機能もある。
それ以外にも豊富な機能がプラグインとして提供されるが、その機能は、
- JScript、VBScriptを使ってIEを制御する「Script」
- 「Microsoft Agent」を利用してテキストを読み上げる「Agent」
- IEでマウスジェスチャーを利用できるようにする「マウスジェスチャー」
- 不要なポップアップをブロックする「ポップアップブロック」
- Proxyを簡単に切り替えられる「Proxy」
- 開いているサイトが、Phishingサイトかどうかをチェックする「Phishing」
- 開いているページにあるFlashコンテンツを保存する「Flash」
- POPによるメールチェックを行う「メール」
など、多岐にわたる。この中には「Vector」や「mixi」をはじめとした各種Webサービスを便利に使うことのできる機能もある。特定のページを開いたり、ログイン操作を行ったりというものだが、そのほかにも例えば「路線検索」では出発地と目的地の履歴を残したり、出発地と目的地を入れ替えたりといった機能がある。通常のやり方で(Webページを開いて)操作するよりも、格段に操作性が向上するわけだ。同梱されたもの以外にも、作者のホームページ(http://darksky.biz/index.php)から追加のプラグインをダウンロードすることもでき、こちらにも「RSS」や「YouTube動画ダウンロード」といったものが多数提供されている。さらに、スクリプトも数多く同梱され、それらを使うことで、Yahoo! JAPANサービスへのログインやCookieの表示といった機能も実現できる。
まさに「これでもか」というくらいに機能を詰め込んだツールバーだが、この中からよく使い機能だけをボタン化してツールバーに表示させ、それによってお仕着せでない、自分の利用目的に合致した、自分のためのツールバーを作れるというわけだ。
無味乾燥とも感じられるIEを、この上なく“使えるブラウザ”へと劇的に変えてくれるユーティリティが、この「Marineツールバー」なのだ。