今年のベストオンラインソフトとして選んだのは、統合型CD/DVD/BDライティングソフト「Roxio Creator 2011」である。データ・音楽・動画ディスクの作成から動画の編集まで、書き込み型光ディスクに関する作業のすべてに対応したマルチメディアアプリケーションスイートだ。「2011」の特徴は、従来の2D動画編集機能に加え、3D動画関連機能機能(再生や編集・加工)が大幅に強化された点にある。
2010年は、映画、テレビ、デジタルカメラ、そして3D表示可能なパソコン用ディスプレイなど、3D機能に対応した数々の製品が登場した年であった。もちろん広く普及したというには遠いが、これだけ多くの分野で製品が登場すれば、やがてはごく普通にこの3D機能が使われるようになってゆくだろう。「Roxio Creator 2011」は、これらの3D機器で作られる/使われるコンテンツを編集・作成できる本格的なソフトだ。「3D元年」といってもよい今年、一般向けソフトウェアとしては唯一無二ともいえる3D機能を搭載したこのソフトウェアをベストとして選択するのが当然に思える。
実際、「Roxio Creator 2011」の持つ3D機能は本格的だ。「ただ単に3D動画を再生する」だけといった単純なものにとどまらず、動画の取り込みから加工・出力まで、3D動画に関する“ありとあらゆる”機能が搭載されている。それら3D機能を挙げると、
- 既存の2D動画を3D再生対応の動画に自動変換
- 既存の3D撮影可能なデジカメデータの取り込み
- 3D動画の直接編集
- 3D対応DVDの作成
- 付属のプレイヤーソフトによる3D動画の再生
- 2D DVDをリアルタイムで3D変換しながら再生
- 3D写真(静止画)の作成
- Blu-ray 3D対応ソフトの再生(別売オプションが必要)
中心となる動画編集ソフト「Roxio VideoWave」では、パソコンで使われるさまざまな動画形式のほとんどを取り込むことが可能。例えば、富士フイルム製「FinePix Real 3D」専用の3D動画形式ファイルをはじめ、他の3Dアプリケーションで作成された動画なども自由に取り込むことができる。
編集機能でも、カット編集はもちろん、動画に加えるエフェクトも3Dに対応。動画編集中のプレビューや編集結果の再生でも偏光シャッター方式やDLP方式などを用いた、さまざまなハードウェアによる3D再生に対応する。入力から出力までフルに3D機能に対応したソフトというわけだ。
3Dに対応したハードウェアを持たない場合でも「Roxio Creator 2011」は利用できる。編集時のプレビュー機能では、赤青メガネで立体表示を行う「アナグリフ」方式や右目のみ、左目のみといったプレビューに対応。データの入力機能では、通常の2D動画を自動的に3Dに変換することもできる。
もちろん「Roxio VideoWave」のほかにも、動画再生ソフト「CinePlayer」やDVDオーサリングソフト「MyDVD」でも3Dへの対応が行われており、現時点で必要と思われる3D機能は「Roxio Creator 2011」だけでまかなうことができる。すでに3D機器を所有している人はもちろん、これから3D機能を体験したいと思っている人にとってもお勧めのソフトだ。