本年のベストはゲームの中から選ぶことにしたが、ひと口にゲームといってもさまざまなジャンルがあり、それぞれ内容もおもしろさもまったく異なるため、どれかひとつを選ぶとなると非常に難しく、随分と悩まされた。悩みまくった結果、2010年のベストオンラインソフトには「サバゲやろうぜ!」を選ばせてもらった。決め手は「細部まで、非常に丁寧に作られていること」「演出などが遊び心に満ちていて、プレイしていて楽しいこと」、あとは、ゲームの題材と筆者の好みである。
「サバゲやろうぜ!」はその名の通り、サバイバルゲームをモチーフにした3Dシューティングゲーム。CPUを相手にした4対4のチーム対戦でリアルで本格的なサバイバルゲームを楽しむことができる。
用意されているマップは、
- 丘陵を使って屋外戦を行う「HILL」
- コンテナやドラム缶などが多数設置された見通しの悪い室内で戦う「BATTLE BOX」
- 停車中の電車の中やプラットフォームで戦う、最もマップが複雑な「station」
の3種類。それに加えて「朝」「昼」「夕」「夜」の4種類の時間帯の違いがあり、同じマップでも、時間帯によって雰囲気がガラッと変化する。
基本ルールは、一発即死、2セット先取の最大3セット勝負。勝利条件は、
- 相手チームを全滅させれば勝利となる「チームデスマッチ」
- 相手チームのフラッグを奪うか全滅させると勝利となる「チームフラッグマッチ」
- フラッグの位置がランダムに変わる以外はチームフラッグマッチと同様の「チームSフラッグマッチ」
の3種類となっている。ルールでユニークなのは、BB弾をわざと壁や床に当てて反射させ、それが敵に当たった場合も有効弾とみなされること。うまく利用すれば、障害物が邪魔で、直接狙えないような位置にいる敵も攻撃できる。
対戦相手は全部で7チーム。チームによって行動傾向や強さがかなり異なり、楽勝のチームもあれば、非常に手強いチームもあって、一筋縄でいかない点がおもしろい。
操作は、キーボードとマウスを併用する、FPSではお馴染みの方式が採用されている。カメラモードは、俯瞰カメラ(TPSモード)と主観カメラ(FPSモード)をワンタッチで切り替えることが可能。周囲の地形を調べたり、索敵したりするときには、広い範囲を見渡すことのできるTPSモードを使用し、敵との戦闘時には視界が狭くなる代わりに、正確に狙いがつけやすいFPSモードを使用するのが基本となる。
エアガンは、メインエアガン(小銃、サブマシンガン、ライフルなど)とサブエアガン(拳銃系)の2種類を携行できる。状況に応じてワンタッチで、使用するエアガンを切り替えることが可能。使用するエアガンは、対戦することで獲得できる賞金を使って、より強力なものに買い換えたり、カスタムパーツを購入して強化したりすることができ、これも「サバゲやろうぜ!」の大きな楽しみのひとつとなっている(ショップから賞品として提供されるエアガンもある)。
対戦中、プレイヤーが操作しているメンバーが撃たれて死亡してしまった場合は、残っている行動可能なメンバーを操作対象に切り替えて、プレイを続行することができる。操作中のメンバー以外のチームメンバーは、自立行動して敵と戦闘を行うが、プレイヤーが指示を与えることで、ある程度のチームプレイを行うことも可能。メニューから「作戦会議室」に入ることで、チームメンバーの初期行動をあらかじめ設定しておくことができる。
用意されているゲームモードは「ショップ主催サバゲキャンペーン」「サバゲキャンペーンアンコール」「フリーサバゲ」の3種類。「ショップ主催サバゲキャンペーン」では、ショップから対戦チームと使用するマップ、時間帯、ルールが指定され、その条件に従って対戦を行う。「フリーサバゲ」は、プレイヤーが上記の条件を自由に選択することができる。「サバゲキャンペーンアンコール」では、過去に勝利したサバゲの中から好きなものを選んでプレイすることが可能だ。
以上、駆け足で紹介したが、「サバゲやろうぜ!」の魅力はとてもこんなものでは説明しきれない。育成的な要素もあり、プレイすればするほど味が出てきておもしろくなる、とても優れたゲームだ。ぜひ一度プレイしてみてもらいたい。