「インターネット」という言葉が新語・流行語大賞のトップテンに入賞した1995年当時、常時接続環境はめずらしく、Webページの情報も乏しいものだった。いまではインターネットは有用な情報にあふれ、私たちの生活になくてはならないものとなった。しかしインターネットは、テレビやラジオのように「別の作業をしながら情報を得る」ことは難しい。プッシュ(Push)型サービスを提供するテレビやラジオでは、ユーザが特別なアクションを起こすことなく、放送局や番組を選択すれば自動的に情報を得ることができる。インターネットは、ユーザ自身がWebサイトにアクセスし、必要な情報を引き出すプル(Pull)型サービスなので、サーチエンジンを駆使するなどして、膨大な情報の中から必要な情報を探し出す必要がある。
もちろん、情報を探し出す作業を否定するつもりはないし、探すこと自体が楽しみでもある。しかし、特に忙しいときなどは「あちら(インターネット)から自動的に情報を送ってくれればいいのに」と思うこともある。そう、私はテレビをつけながらメールをチェックしたり、統計作業をしたりする、いわゆる「ながら族」でもあるのだ。「○○しながら」のときも、自動的に有用な情報はチェックしたい。
前置きが長くなったが、そんなわがままをかなえてくれるオンラインソフトに今年、出合うことができた。「よっしーニュースバー」である。実は、「よっしーニュースバー」に出合う前には、プッシュ型ニュースサービス「PointCast」や、コンテンツ配信型スクリーンセーバ「エキサイトデスクトップ」を愛用していた。しかし、「PointCast」は2000年、「エキサイトデスクトップ」も2004年にサービスが終了してしまった。「よっしーニュースバー」は、「PointCast」や「エキサイトデスクトップ」に代わる機能を提供してくれるもので、私にはなくてはならない“必須のソフト”となった。そんなわけで、2008年のベストオンラインソフトには「よっしーニュースバー」を選ぶ。
「よっしーニュースバー」は、登録されたニュースサイトなどを自動巡回し、電光掲示板風の細長い「ニュースバー」に、ヘッドラインニュースを表示してくれる。ヘッドラインニュースは左右に流れる文字で表示され、ニュースをダブルクリックすると同梱の「さくらブラウザ」が起動し、詳細な記事が表示される仕組み。初期状態で自動巡回するように設定されているのは「Yahoo!ニュース」などの11サイト。登録済みサイトは300以上で、ユーザが好みに応じて選択できるようになっている。
「ニュースバー」は最大6個まで同時に表示でき、また、Microsoft Agentがインストールされていれば、「キャラクタにヘッドラインニュースを喋らせる」こともできる。ニュースは、流れる文字以外に、ヘッドラインをまとめて表示したり、「前(次)のニュース」に切り替えたりすることも可能。このように、特に労力もいらず、最新情報を手に入れることができ、とても便利だ。
集中して作業を行っているときなど、文字情報が表示されるのがいやなときは、一時的にスクリーンセーバに「よっしーニュースバー」を指定するとよい。ちょっと休憩しているときなど、パソコンのアイドル時にニュースを表示させることができる。キーワードを登録しておき、キーワードに関するニュースがあったとき、ポップアップで教えてくれる機能もある。気になる芸能人の話題や趣味、仕事に関する最新情報などを、瞬時に把握できる。
「ニュースバー」は、デスクトップ上の好きな場所に、好きな大きさで配置できる。タスクバーのように、デスクトップの上下左右に貼り付けたりすることも可能だ。カスタマイズに合わせ、文字サイズや文字の流れる方向なども自動的に最適化される。
「ニュースバー」の外観を変更することもできる。「シンプル表示」「グラデーション表示」「電光掲示板表示」「スキン表示」など、あらかじめ用意されたスキンや表示色を利用して、簡単に変更することが可能だ。ニュースの表示色や電光掲示板の背景色、文字のエフェクト(凸浮き彫り、凹文字彫り)なども細かく指定することが可能で、オリジナルデザインの「ニュースバー」を利用できる。
そのほか、時刻合わせ機能やメール着信確認機能もあり、パソコンの時刻を正確にあわせたり、新着メールを確認したりすることもできる。
以上のように、「よっしーニュースバー」は多機能で、かつ、すぐに使いはじめることができる。自信を持って2008年のベストオンラインソフトとして紹介する。