2008年のベストオンラインソフトには「Direct Picture Viewer "Linar"」を選ばせてもらった。バージョンは「1.6」。「(C)1997-2001」とあるのでだいぶ古いソフトなのだが、恥ずかしながら筆者は今年になってからこのソフトの存在を知り、それ以来、愛用させてもらっている。「"Linar"」は、動作の軽快な画像ビューアで、強力なサムネイル表示機能を備えており、大量の画像をコピー/移動などして分類・整理するのに威力を発揮する。筆者は、ハードディスクにたまった大量のダウンロード画像やデジカメ写真を整理するために、いままで数多くのソフトを試してきたが、その中では「"Linar"」がダントツで使いやすいと感じた。特に、
- ひとつのフォルダの中に(でたらめに)保存された大量の画像をテーマごとに分類して、それぞれ異なるフォルダに移動する
といった作業には最適で、非常に効率よく作業を行うことができる。Susie Plug-inを利用することで、さまざまな画像形式に対応できるのも魅力のひとつ。アーカイブファイルを展開(解凍)することなく、内部の画像を閲覧することもできる。エクスプローラライクな3ペインのインタフェースを採用し、操作もわかりやすく、簡単だ。左側のフォルダツリービューでフォルダを選択すると、右側の二つのペインに指定フォルダ内の画像の一覧が表示される。右上のペインにはファイル名、ファイルサイズ、画素などの画像情報、左下のペインには全画像がサムネイル表示される。サムネイルのサイズは【+】/【−】キーで任意のサイズに拡大・縮小することが可能。サムネイルが再作成されるのも速く、ストレスを感じさせない。
処理する画像の選択はマウスで行う。エクスプローラ同様、【Shift】キーや【Ctrl】キーを併用することで、複数のファイルを選択することが可能。目的のファイルをすべて選択したら、コンテキスト(右クリック)メニューから「複写」「移動」「削除」「名前の変更」など、目的の作業を選択する。「複写」「移動」では、ダイアログボックスを使ったターゲットフォルダの選択のほか、以前選択したフォルダをドロップダウンリストから選択することも可能で、効率よくファイルをフォルダに振り分けることができる。クイックアクセスリストにあらかじめフォルダを登録しておき、そこからフォルダを選ぶことも可能だ。
ほとんどの画像の分類作業は、上記のサムネイルビューだけでも可能だが、さらに画像を大きく表示させてチェックしたいときには、サムネイルをダブルクリックして「画像表示ウィンドウ」を開き、単一の画像をじっくりと眺めることができる。【←】/【→】キーで画像表示ウィンドウに表示される画像を前後に送ることも可能。このウィンドウ上でファイルを選択しておき、あとでサムネイルビューでまとめて処理することもできる。もちろん、ここで個々のファイルをコピー/移動させることも可能だ(唯一、「名前の変更」がここでできないのが残念。筆者個人としては、この「画像表示ウィンドウ」で名前の変更もでき、しかも拡張子を入力しなくても、そのまま保持されるようになれば、何もいうことはない)。
そのほか、ここではとても紹介しきれないほど豊富で多彩な機能を備えているソフトなので、ぜひ一度試してもらいたい。筆者のホームページでは、現在もソフトの更新が行われており、Ver.1.7のα版とβ版も公開されている。興味がある方は、そちらも試してみていただきたい。