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Q フレッツ・ADSLについて簡単に教えてください。 A フレッツ・ADSLとは、NTT地域会社(NTT東日本/NTT西日本)が提供するADSL(非対称デジタル加入者通信線)サービスの名称です。現在使われているアナログ加入者線(通常のアナログ電話のことです)を使用し、下り1.5Mbps/上り512kbpsまたは下り8Mbps/上り1Mbpsの速度を持つデジタル通信線を利用することができます。月額の利用料は月々2,900円(2001/12/1より、タイプ1、1.5Mbpsの場合)で固定となっており、24時間つなぎっぱなしの常時接続サービスとなっています。 フレッツ・ADSLの場合、利用者宅からNTT内部にある地域IP網への接続のみをサポートします。実際にインターネットのアクセスを行うためには、フレッツ・ADSLに対応したインターネットプロバイダとの契約が別途必要になります。フレッツ・ADSLを利用する場合、フレッツ・ADSLの料金のほかに、こうしたプロバイダの料金が別途必要になります。また、ADSLモデムやスプリッタと呼ばれる機材をレンタルする場合、その代金も必要となります。 Q フレッツ・ADSLのメリット、デメリットを簡単に教えてください。 A フレッツ・ADSLは、日本全国をカバーするNTT地域会社が提供するサービスのため、CATVやFTTHといった他のブロードバンドサービスと比較すると、圧倒的に広いサービスエリアを持っています。さらに、現在広く使われているアナログ電話回線さえあれば、新たに配線工事を行う必要がありませんから、アパートやマンション、借家などのように勝手に配線工事ができない場合でも利用することができるなど、非常に申し込みやすい接続サービスといえるでしょう。 1.5Mbps(下り)という通信速度は、これまでのISDNやアナログモデムを使用した接続に比べると圧倒的に高速ですし、また24時間いつでも使える常時接続かつ月額固定料金制ということで、時間を気にせずいつでもインターネットを楽しむことができます。 デメリットはそれほど多くはありませんが、現在使用している電話がすでにISDN化されている場合、アナログ電話であっても電話局からの途中経路が光ファイバ化(光化)されている場合にはその回線では利用できません。また電話局からの距離が遠い場合には、通信速度が低下したり、最悪の場合にはサービスを利用できなかったりすることがある点などには注意する必要があるでしょう。 Q 地域IP網とは何ですか? フレッツ・ISDNや光・IP通信網のものとは違うのですか? A NTT地域会社では、法律上の規制から、利用者に対してインターネットに直接接続するようなサービスを提供することはできません。そのためフレッツ・ADSLでは、利用者宅と電話局との間のデジタル通信までをサポートし、そこから先のインターネット接続にはNTT地域会社以外の他のプロバイダを利用することになります。 地域IP網とは、利用者宅からNTTの局内に集められた回線とインターネットプロバイダとの間を接続するためのネットワークのことで、このネットワークにはフレッツ・ADSLを契約した各利用者と、フレッツ・ADSLに対応した各プロバイダとが接続されています。利用者は、この中から自分が接続したいプロバイダを選び、そのプロバイダと接続することではじめてインターネットのアクセスが行えるようになります。 この考え方はフレッツ・ISDNやBフレッツといった、NTT地域会社が提供する他の通信サービスとまったく同じものです。ただし、地域IP網自体はそれぞれのサービスごとに完全に独立しており、フレッツ・ADSLを契約してフレッツ・ISDN対応のプロバイダに接続するといった、相互利用は行えません。 Q フレッツ・ADSLを利用するのに必要なものは何ですか? A フレッツ・ADSLを利用するためには、フレッツ・ADSLのサービスエリア内においてNTTが契約するアナログ加入者線(通常の電話線のことです)が必要となります。これにはすでにNTTのアナログ電話が引かれている場合には、その電話線をそのまま利用できますし、電話機能は従来通り利用できます。 このほかに必要となる機材はADSLモデムとスプリッタと呼ばれる二つの機材です。スプリッタは、電話線を通常の電話とADSL接続とで共用する場合にのみ必要で、フレッツ・ADSL専用に新たに電話線を引く場合には必要ありません。いずれの機材も、NTTからレンタルを受けることができますので、この場合には新規に購入する必要はありません。 ADSLモデムには、10Base-TのEthernetインタフェースがついています。パソコンとADSLモデムを接続するには、パソコン側にも10Base-Tが利用できるEthernetカードが必要になります。実際にフレッツ・ADSLを利用するにはPPPoEと呼ばれるプロトコルをサポートするソフトが必要になります。これはNTTから提供されますが、WindowsやMacintosh以外のOSから利用する場合にはそのOSに対応するPPPoEのソフトウェアを利用者側で用意する必要があるでしょう。 フレッツ・ADSLに複数台のパソコンを接続する場合、PPPoEをサポートするルータなどの機器が必要となります。またこの場合、契約するインターネットプロバイダが複数のパソコンの接続を許している必要があります。 Q 工事やモデムの設置は簡単にできますか? A 現在、NTTのアナログ電話を利用しており、その電話線の壁側の接続が「モジュラプラグ」と呼ばれる小型のコネクタで取り外し可能になっている場合、単にこの線をつなぎかえるだけで配線は行えます。現在では多くの家庭がこのような配線になっているはずですが、不幸にしてこれ以外、例えば電話線が壁から直接出ている場合や、モジュラプラグが使われていない場合には配線の変更が必要になります。こうした配線変更には資格が必要となりますので、自分で勝手に行うことはできません。ただし最近ではほとんどの場合はモジュラプラグ化されているため、ADSLモデムの設置は容易といってよいでしょう。 パソコン側にはEthernetのボードが必要となりますが、デスクトップ機の場合にはパソコンの蓋をあけてボードを取り付ける必要があります。またノートPCの場合にはPCカードタイプのEthernetカードが必要となるでしょう。いずれの場合にもドライバと呼ばれるソフトウェアとPPPoEソフトウェアのセットアップが必要となります。こちらは多少の知識が必要となるため、不安がある場合にはパソコンに詳しい人に手伝ってもらうようにするとよいでしょう。 Q 現在、ISDNを使っていますが、フレッツ・ADSLを利用できますか? A 残念ですが、そのまま利用することはできません。ADSLはアナログ回線を利用したサービスのため、デジタル回線であるISDN上では利用できないためです。ただし、利用できないというわけではありません。 すでにISDNが引かれている状態でフレッツ・ADSLを利用したい場合には、二つの方法が考えられます。ひとつはISDN回線を通常のアナログ回線に戻した上でフレッツ・ADSLサービスを契約する方法、もうひとつはISDN回線をそのまま残して別途ADSL専用にアナログ回線を追加で引く方法です。 ISDNをアナログに戻した場合、同時に2回線の電話が利用できるといったISDNならではのサービスは利用できなくなりますが、ADSLは通常の電話と同時に利用することができるため、電話とインターネットを同時に使えるという点に限れば、ISDNと同じです。 ISDNに加えて新規にADSL専用の回線を引く場合、心配になるのがISDN回線とADSL回線との干渉の問題です。ADSL回線は、ISDN回線が近くにあるとその影響を受けて通信速度が低下する場合があるためです。とはいえADSLがまったく使えなくなってしまうということは稀ですし、仮に通信速度が低下したとしてもISDNに比べればはるかに高速であることには変わりありません。実際にどれくらいの影響が出るのかは、試してみないとわかりません。 Q ISDNで使っていたTAやルータ、パソコンに内蔵のFAXモデムは使えますか? A TAやISDNルータといったISDN専用の機器に関しては、基本的には利用することはできなくなります。 FAXモデムに関しては、パソコンに内蔵されているか外付けであるかを問わず、そのまま利用することができます。また、これまで使われていた電話機についても、ISDN用のデジタル電話機を除けばそのまま利用することが可能です。 Q 市販のADSLモデムは使えますか? A 利用できます。ただしNTT地域会社では基本的にはNTTが指定する以外のADSLモデムをサポートしないため、万が一接続できなかった場合であっても、NTTからサポートを受けることはできません。また仮に利用できたとしても、NTTの局側の設備更新などによって将来利用できなくなる可能性についても皆無とはいえません。 市販のADSLモデムはNTTからADSLモデムを買い取るよりも安価である場合が多いのですが、多少のリスクがあることは覚悟したほうがよいでしょう。 Q 複数台のパソコンで接続することはできますか? A NTT地域会社が提供するPPPoEソフトウェアは、1台のパソコンをADSLモデムに接続する機能を持っていますが、複数のパソコンを接続することについては考慮されていません。ただしPPPoEをサポートするルータなどの機器を利用すれば、ひとつのADSL回線に複数のパソコンを接続してそれらを同時に利用することも可能になります。 この場合に必要となるPPPoE対応ルータは、利用者側で用意しなければいけません。また何台のパソコンを接続できるかは、プロバイダ側で制限が設けられている場合もありますので、プロバイダとの契約も確認しておきましょう。 Q PPPoEとは何ですか? 簡単に入手・利用することはできますか? A PPPoEとは、これまでのアナログモデムやISDNではなく、Ethernet回線を経由してユーザ名やパスワードの確認を行い、プロバイダの利用を行うことができるようにする仕組みのことを指します。フレッツ・ADSLを利用する場合、パソコン側にこのPPPoEを使うためのソフトウェアをインストールする必要があります。 PPPoEのソフトウェアは、WindowsやMacintoshといった一般的なOSを使う場合には、フレッツ・ADSLの契約時にNTT地域会社からCD-ROMとして提供されるため、利用者側でソフトウェアを購入したりする必要はありません。利用方法もそれほど難しいものではなく、ソフトウェアの指示に従ってセットアップするだけですぐに利用できるようになります。 ただしPC UNIXなどのOSの場合、利用者側でPPPoEに対応するソフトウェアを用意する必要があるでしょう。 Q 下り1.5Mbps、上り512kbpsの速度ということですが、実際にはどの程度の速度が出るのでしょうか? A ADSLサービスの場合、利用する回線の状態、電話局から利用者宅までの距離、契約するプロバイダのバックボーン回線の太さ、通信する相手などによって、通信速度は大きく変化します。そのため、どの程度の速度が得られるかをひと口にいうことはできません。 これはあくまで一例ですが、すべての条件が理想的な状態にある場合に上記の数値の80%前後、つまり下りで1.2Mbps程度の速度は期待できるようです。逆に最悪の場合ですが、不運な場合にはまったく接続できない場合もあるようです。また100kbps程度と、ISDN(マルチリンク)よりも低速になってしまうような例もあるようですが、こうした例はかなり稀であると思われます。 Q IPアドレスは固定ですか? IPアドレスはグローバルIPアドレスですか? A フレッツ・ADSLでは、利用者と地域IP網を接続するだけで、実際にIPアドレスを割り当ててくれるのはそこから接続されるインターネットプロバイダになります。そのため、どのようなIPアドレスが割り当てられるのかは、契約するプロバイダによって違います。 ビジネス向けのサービスを展開しているようなプロバイダでは、グローバルIPアドレスを固定で複数個利用できるような例もありますし、個人向けの多くのプロバイダでは、DHCPによって固定ではないIPアドレスを1個だけ割り当ててくれる場合が多いようです。 もちろん、どの程度のサービスが得られるかによって月々の料金も変化するわけですから、プロバイダを選ぶときには、そのプロバイダがどのようなサービスを提供してくれるかをよく調べて比較することが重要です。 Q フレッツ・ADSLを利用して、Webサーバなどを設置することは可能ですか? A 原理からいえば、契約するプロバイダがグローバルIPを割り当ててくれる場合には、Webサーバを自宅に設置することも可能です。ただし、IPアドレスがDHCPによって割り当てられ、短時間のうちに頻繁にIPアドレスが変化してしまう場合には、サーバの設置は不可能とはいえないまでも、あまり現実的ともいえません。サーバを設置する場合には、できれば固定であるか、またはあまり頻繁にIPアドレスが変化しないようなプロバイダを選択するべきでしょう。 ADSLの場合、上りと下りの速度が異なる「非対称」という特性を持ちます。Webサーバなどを設置する場合、上りの速度が重要となるわけですが、通常のADSLサービスでは下りに比べて上りの方が速度が遅くなっています。サーバ設置にはあまり有利な条件とはいえませんから、本当に自宅にサーバを置く必要があるのかどうかは、慎重な検討が必要です。 Q 自分の環境の通信速度を調べる方法はありますか? A インターネット上には、ネットワークの通信速度を計測するためにいくつかのテストサイトがあります。ただし、ネットワークの通信速度はアクセスする時間帯や自分のプロバイダと相手のプロバイダとの経路によって大きく変化することが普通です。そのためこうしたサイトで計測された結果がそのまま自分の改選の通信速度であると判断するのは早計です。また、この種のサイトでは画像をダウンロードすることでその時間を計る場合が多いようですが、画像サイズはそれほど大きくはなく、あまり正確な計測を行うことはできないと考えた方がよいでしょう。 単純に自分の回線の速度を計測するだけであれば、自分が契約するプロバイダと自宅のPCとの間でFTPなどによってファイル転送をする時間を計るのがベストの方法です。この場合、最低でも数MB(5〜10MB)程度のファイルを転送すれば、計測にまつわる誤差もかなり少なくなります。 とはいえ、通信回線で大切なのはあくまで「使っていて快適に感じるかどうか」であり、通信速度の数字がどれだけであるか、というのはあまり気にしてもしかたありません。数字に一喜一憂せず、インターネットを楽しむことをお勧めします。 Q 追加機器の設置や機器の接続方法などで、下り1.5Mbps、上り512kbpsの速度をもっと速くすることはできますか? A 下り1.5Mbps/上り512kbpsというのはあくまで理論値であり、この数値を変更することは不可能です。ただし、回線ノイズなどの影響によって通信速度の「実効値」が低下している場合には、ノイズフィルタなどの機器を用いることでこの実効値を改善できる場合もあるようです。もっとも、実効速度が低下する原因はさまざまですから、こうしたノイズフィルタも常に効果があるとは限りません。 Q パソコンを常時起動しておく必要がありますか? A ありません。むしろ、パソコンを常時接続していると、インターネットから自分のパソコンに対して不法侵入される危険性もあるため、必要がない場合にはパソコンの電源を落とした状態にしておく方がよいでしょう。 Q フレッツ・ADSLでは電話も定額料金で使い放題なのですか? A フレッツ・ADSLサービスは、通常の電話と共存することはできますが、料金体系に関しては独立しており、通常の回線交換型の電話料金についてはまったく変化しません。つまりこれまでと同様、電話をかける場合には従量制の料金となります。 インターネットを用いた電話サービスが普及すれば、フレッツ・ADSLを経由した音声通話機能が利用できるようになる可能性もあります。とはいえ、いまのところ通常の電話に関してはこれまでとまったく変わらないと考えてください。 Q フレッツ・ADSLでは、ISDNのように電話やFAXを1本の回線で利用することはできますか? A フレッツ・ADSLでは、通常の電話とADSLによるデータ通信とは同時に利用することができます。ただし、ADSLによるデータ通信上では、いまのところISDNのような音声通話はサポートされていませんので、ISDNのように音声通話を2本同時に使用したり、FAXと電話を同時に使用したりすることはできません。 Q 通話回線を共用する場合、現在使っている電話番号のまま利用できますか? A 現在の電話がアナログ回線を用いた電話であり、その回線をそのまま利用する場合には、電話番号が変わってしまうことはありません。ただし現在使用している電話がISDNであり、フレッツ・ADSLの契約にあわせてこれをアナログに戻す場合、地域によっては電話番号が変わってしまう場合もあります。 Q 通話回線を共用しないサービス(タイプ2)を選択した場合、それによって通信速度が速くなったりすることはありますか? A タイプ2と呼ばれる契約では、アナログの通常電話とADSLとを併用しない契約になります。ただしフレッツ・ADSLの場合、回線を共用するタイプ1でも、共用しないタイプ2でも同じ方式を利用しているため通信速度が速くなることはありません。 Q ひとつのフレッツ・ADSLの契約で複数のプロバイダを利用することは可能ですか? A 可能です。フレッツ・ADSLの場合、地域IP網に接続されたプロバイダであれば、どれでも自由に選んで利用することができます。同時に接続できるのはこの中のひとつだけに限られてしまいますが、契約できるプロバイダの数には制限はありませんし、それらを交互に使い分けることも可能です。 Q フレッツ・ADSL回線を複数引くことは可能ですか? A 可能です。 Q フレッツ・ADSLを利用できない条件があったら教えてください。 A フレッツ・ADSLでは、電話局から自宅までの間がすべて通常のアナログ回線で接続されていることが必要です。都市部などでは回線の一部をデジタル化し、光ファイバにしている例(光化)がありますが、このような場合にはADSLを利用することはできません。また、ADSLでは、電話局から自宅までの配線長も重要です。自宅から電話局までの配線長が遠すぎる場合には、ADSLを利用できないか、または利用できても通信速度が低下する場合もあります。 企業内やマンション内などのように、独自に交換機を設置して内線通話などの機能を利用できるようにしている場合にもADSLは利用できません。 Q マイラインをNTT以外の会社で登録していますが、フレッツ・ADSLの利用に関係ありますか? A フレッツ・ISDNの場合とは異なり、フレッツ・ADSLでは、マイラインをどの電話会社と契約するかはまったく影響はありません。ただし、CATVによる電話サービスや、農村電話、地域電話などNTT以外の回線を用いた電話サービスの場合には、フレッツ・ADSLサービスの利用は行えません。 |
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