2008年に最も印象に残ったソフトとして、「ALToolbar」を取り上げさせていただく。実は、2007年に同じ企画で紹介したのは別のInternet Explorer用拡張ツールバーであり、2年続けて同種ソフトということになってしまった。これは筆者が「気の利いたユーティリティが好きだ」ということでもあるが、Webブラウザを使わない人はまずいないため、「IEの拡張ツールバーはすべてのWindowsユーザにお勧めできる」「役立ててもらうことができる」と考えるからでもある。「ALToolbar」をInternet Explorerに組み込むことで、
- マウスの動きでIEを操作できる「マウスジェスチャ」
- ID/パスワードの管理や入力を支援してくれるWebログインマネージャ「ALPassOn」
- ブックマークをサーバ上に保存できるオンラインブックマーク「ブックマークOn」
- 各種検索サイトからすばやく検索を行える「スピード検索」
- Webページ上の英単語の意味がマウスオーバーで表示される「英和辞典」
- Webページをイメージとして保存できる「キャプチャ」
- 履歴やCookie、一時ファイルを削除できる「インターネットクリーニング」
- Webページ上のFlashムービーを制限できる「フラッシュ制限」
- Webページ内の文字列を検索できる「ページ内検索」
- よく行くページへの移動をすばやく行える「キーワードショートカット」
といった機能を利用できるようになる。個々の機能は、同種の拡張ツールバーや多機能タブブラウザ、その他のツール類でよく見かけるものが多い。「マウスジェスチャ」や各種検索エンジンを利用した「スピード検索」などは、いまや標準的な機能とさえいってもよい。ただ、そうしたおなじみの機能を「IEの拡張ツールバーとしてどうアレンジするか」「どう取捨選択するか」といったところがソフトのセンスなのだろう。そのセンスが「ALToolbar」はとても優れていると思う。
その好例のひとつが「ALPassOn」と「ブックマークOn」。ログインマネージャやブックマークはごく一般的な機能だが、ID/パスワード情報、URLデータなどを、ローカルではなく、オンライン上で管理するというもの。これにより、家庭のパソコンだけでなく、どこからでもログインマネージャやブックマークの機能を使えるようになる。
また「スピード検索」は、GoogleやYahoo!、gooなどの検索エンジンを使ってすばやく検索を行う機能。多くの拡張ツールバーでは独自の検索バーを持つが、これだとIEのアドレスバーや検索バーとあわせて、画面が検索バーだらけということになってしまい、なかなかうるさいものだ。が、「ALToolbar」は違う。検索バーは別窓で開くこともできるし、IEのアドレスバーを「ALToolbar」の検索バーとして使うこともできるのだ。これによって、IEの画面がとてもすっきりすることになった。
マウスオーバーで英単語の意味がポップアップ表示される「英和辞典」は、単語を取り出して翻訳するよりも格段に手間がなくて便利。また、「キャプチャ」機能を持ったIE拡張ツールバーは多くないと思うが、キャプチャ対象をWebページだけに絞った機能は当然、IEツールバーにもあってよいものだろう。ページをそのまま(HTMLで)保存するより、画像化した方がいい場面は結構あるものなのだ。
「マウスジェスチャ」では、マウスの軌跡が表示されるので、ソフトが認識できるようにマウスが動いたのかどうかを確認できる。こうした細かな配慮が随所に見られ、とにかく(繰り返しになるが)「センスのいいソフトだなあ」と思う。