多人数対多人数で戦うオンラインリアルタイム戦略シミュレーションゲーム。韓国でサービスされている「Tactical Commanders」の日本語版であり、国内では昨年10月より正式にサービスが提供されている。長期間のベータテストを経たゲームだけに、動作の安定性とゲームデザインの完成度は高い。また、米国で発売された英語版タクティカルコマンダー「Shattered Galaxy」は、Independent Games Festivalにおいて最優秀賞など合計四つの賞を受けている。
ゲームの舞台は、エイリアンモンスターが生息する荒れ果てた未来の惑星。この惑星の覇権を争う形で、複数の国家が隣接している。プレイヤーは、ひとりの指揮官(ヒーロー)として自らの部隊を率い、エイリアンを掃討しつつ、他国との戦争に勝利していかなければならない。
「タクティカルコマンダー」のゲームシステムは、資源採取・ユニット生産・戦闘などいくつかの操作を同時に行うリアルタイムストラテジー方式ではなく、部隊の編成を変えたりじっくり経験値を得ていくRPG方式だといえる。そのため入門者でもプレイしやすいのが特徴だ。
プレイヤー指揮官の作成と部隊の編成
プレイヤーの分身となるヒーローは、容姿の選択と特性の設定によって作成する。特性の設定は、4種類の特性値に一定のポイントを分配して行う。戦闘に勝つことにより経験値や資金を得てレベルアップしていく点などは、RPGのシステムによく似ている。ヒーロー作成後は、初期資金を使って部隊を編成していく。使用できるユニット(将棋やチェスのコマのようなもの)は、歩行タイプロボット、車両タイプロボット、修理や輸送の専用ユニットなど、幅広い用途やタイプが揃っている。
ユニットの数は、ヒーローの特性値によって決まる。例えば、所有できるユニット数は特性値:CLOUT(政治)によって決定し、戦場に投入できるユニット数は特性値:TACTICS(戦略)によって決定する。このように特性値によって、5体以下の小さな部隊から10体を超える大きな部隊まで編成することが可能だ。ただし、レベルの低い序盤では、多数のユニットを所有することも編成することも難しい。
ユニットの種類は、戦局や敵の種類に応じて「対地対空」「移動速度」「攻撃/防御力」「地雷設置」などの能力を考慮した上で決める。どのユニットがどんな能力を持っているかなどの初歩的な知識や操作は、親切なチュートリアルと練習用の戦場が用意されているので、ごく短時間で習得できる。
ゲームを開始するまでの手順は、以下のような流れになる。
- プログラムをダウンロードする
- プログラムをインストール後にゲームを起動する
- サーバを選択する
(TRIALサーバは無料、ほかは月額1,000円の利用料が必要)
- 「NEW HERO」ボタンを押し、ヒーローを作成する
(ログインID及びパスワードも設定)
(容姿→特性値→プレイする惑星→所属する国家の順に選択していく)
- 「CONTINUE」ボタンを押し、ログインする
ゲームプレイに慣れてきたら所属国家の勝利を考える
ログイン後、まずはユニット練習場に行きユニット操作(移動や戦闘指示)などを学ぶ。その後、ユニットショップでユニットを購入する。購入したユニットは、自部隊として編成しなければならない。部隊が編成できたら、練習用の戦場(初心者戦闘場)でしばらく戦闘経験を積もう。ゲーム開始時点でヒーローが滞在する首都には、エイリアンモンスターがいる地下洞窟もあり、ここでも戦闘経験を積むことができる。さらに勝利を重ねて得た資金を使って、自部隊の強化をしていくことになる。
ゲームプレイに慣れて、ヒーローのレベルが上がってきたら、惑星全体の支配地域の確認をしてみよう。プレイヤーが属する国家と敵対する国家の支配地域の様子が表示され、現在の状況が有利かどうかがわかる。前線となる戦場に移動し、他の国家との勢力争いに参加することで、領土を増やしたり、逆に減らしたりできる。国家の支配地域が広がっても、所属するプレイヤー密度が相対的に薄くなり、防衛が難しくなるなどの問題も出てくるため、戦略面も考慮しなければならない。
無料でプレイできるTRIALサーバでゲームの感触をつかみ、「タクティカルコマンダー」のおもしろさに目覚めたら、月額使用料を支払って一般サーバでのプレイに踏み出すのもよい。そこでは日夜、戦闘経験を積んだベテランのプレイヤーたちが、熱いゲームプレイを繰り広げている。