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「ブロードバンド&ADSL」


ブロードバンドとは
  • ブロードバンドとは
  • ブロードバンドのメリット
  • ブロードバンド接続の種類
  • ブロードバンド接続の制限
  • ブロードバンド接続の種類

    ブロードバンド接続にはいくつかの種類があるが、その中でも代表的なものが「ADSL」「CATV」それに「FTTH(家庭向け光ファイバ)」だ。以下でその特徴を説明しよう。

    ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)

    ADSL(非対称デジタル加入者通信線)というのは、いま家庭に引かれているアナログ電話回線(ISDN回線は不可)をそのまま利用して、デジタルのデータを伝送する方式だ。つまり、新たに配線をひきなおすことなくインターネット接続ができるので、導入時の工事費が安上がりになるというメリットがある。接続は、電話局内と利用者宅の両方に「ADSLモデム」と呼ばれる機器を新たに置くだけでよい。

    「非対称」という名前は、電話局側から利用者宅へ(下りと呼ぶ)のデータ転送速度を高速に、逆に利用者宅から電話局側へ(上り)は低速にするという、上りと下りで速度が違うところから来ている。通常のユーザの場合、上り(アップロード)よりも下り(ダウンロード)の機会の方が遥かに多いことから、このような割り当て方をするわけだ。

    では、具体的にはどれくらいの通信速度になるのかといえば、これは場合によって異なる。同じADSLでも、モデムの形式や電話局と利用者宅との間の距離などによって条件が左右されるためだ。大まかにいえば、上りは128kbps〜512kbps、下りは512kbps〜8Mbps程度と考えておけばよい。

    なおADSLは、既存の電話線を使うとはいっても、これまでの電話とはまったく異なる周波数を使ってデータを転送する。つまり、これまでの電話機能にはまったく影響を与えることなく、インターネット接続機能だけを追加できるわけだ。もちろん電話を使いながらインターネットに接続することもできる。

    CATV(CAble TeleVision)インターネット

    ケーブルテレビ(CATV)用に敷設された同軸ケーブルを利用して、デジタル信号を伝送する方式。通常のテレビ信号と並行してデータを伝送できるため、テレビの視聴とインターネット接続とが同時に行われる。すでにCATVを使ってテレビを見ている家庭であれば、ADSLと同様、新たに配線をやりなおす必要はない。接続は、CATV用チューナ(ホームターミナル)とは別に、ケーブルモデムと呼ばれる専用の装置を取り付けることで行う。

    新規にCATVインターネットを利用する場合には、新たにCATVを契約する場合と同じく、同軸ケーブルを宅内に引き込む工事が必要となる。最近のマンションやアパートでは、設計時からCATVの利用を前提としている場合も少なくないので、そうした場合には利用しやすい方式ではないだろうか。

    通信速度は、ADSLの場合と同様、上りと下りの速度が異なる非対称方式が多い。業者によって速度は異なっているが、ほとんどの場合上りは256kbps〜1Mbps、下りは512kbps〜30Mbpsと、ADSLと同等かそれ以上の高速な通信が可能だ。

    使い勝手や月あたりの料金は、ADSLと大差はない。新規にCATVを契約する場合には工事が必要になってしまうため、工事費が必要になってしまうし、プロバイダを自由に選べない点はちょっとマイナスポイントだ。というのはCATVの場合、同一の地域内では、1社しか営業することが認められていないためだ。とはいっても、すでにCATVを視聴している家庭にとってはADSL並みに安価だし、申し込みも手軽だ。特に、ADSLが利用できない場合には、有力な選択肢となるだろう。

    FTTH(Fiver To The Home:光ファイバ接続)

    局から家庭までデータ用光ファイバを敷設し、10〜100Mbpsという高速で接続する方式。ADSLやCATVと違って、上り下りの速度が等しくなる対称型のサービスになる。NTT東日本がサービスを開始したFTTHサービス「Bフレッツ」には3通りのサービスが用意されており、戸建て住宅/アパート向けのファミリー(10Mbps)、同ベーシック(100Mbps)、マンション向けのマンション(100Mbps)という内訳になる。料金はいずれも月額で5,000円/9,000円/3,800円となっており(プロバイダ料金は別途必要)、かなり安価だ。また有線ブロードネットワークスが行う100Mbpsのサービスはプロバイダ料などすべて込みで6,100円となる。いずれもADSLよりは高価とはいえ、通信速度が高速なことを考えれば、むしろコストパフォーマンスはかなり高い。またエリア内であっても、電話局からの距離やノイズの影響などシビアな面があるADSLに比較すると、回線の安定度も高く、コストパフォーマンスはかなり高い。

    最大の欠点は、現状ではサービス地域が狭いことだ。FTTHサービスは現在のところ、利用できるのが大都市圏などのごく限られた地域にすぎない。たしかにエリアは広がりつつあるとはいえ、フレッツ・ADSLなどに比べればまだまだだ。さらにFTTHの場合、契約時には新規に配線工事が必要となるので費用がかかるほか、こうした配線工事が可能な住宅に居住しているといった条件も出てくる。しかし、これらの条件を満足している場合には極めて魅力的な選択肢となるだろう。

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