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ベクターソフトニュース - 1999.07.17
Boogie Boogie Ver.1.7
インターネット上の不特定多数を相手にメッセージを送信・受信する“モジラジオ”ソフト
Macintosh フリーソフト
「Boogie」の動作画面
■Receiverウィンドウ。下部のボタンでチューニングする。二重になっている方で、自動でチューニングできる

手軽にメッセージの放送が始められる個人向け文字ラジオソフト。「Boogie」を使用しているインターネット上の不特定多数ユーザに対して文字メッセージを送信したり、逆に放送されているメッセージを受信することができる。

「Boogie」は、「コロニー」と呼ばれるメッセージ伝達のネットワークを形成し、このコロニー間をパスによって橋渡しすることでメッセージを伝達する構造になっている。インターネットでのメッセージの伝達というと、まず電子メールを思い浮かべるが、「Boogie」が電子メールなどの他のメッセージングソフトと決定的に異なる点は、
  • メッセージの宛先を特定しない
  • メッセージに「チャンネル」「出力」というパラメータがある
ことで、これにより、現実世界のラジオと同じ「距離」の概念が持ち込まれる。すなわち、たくさんのパスを経由してきたメッセージは減衰し、微弱なメッセージとして表示され(色が薄くなっている)、同じコロニー内、もしくはパスが少ないメッセージは、はっきりと表示される。

デフォルトの設定では、作者のグラムデザインにあるBoogieサーバのコロニーへ接続される。このサーバでは1,000チャンネルが開放されており、好きなチャンネルを使って、自分のオリジナル番組を放送することもできるし、誰かが放送している番組を見ることもできる。使い方は「Receiver」「Sender」でメッセージを読み書きするだけと、いたって簡単。

動作には、アップルのサイトで配布、もしくはMac OS 8.6のCD-ROMに付属しているMRJ(Mac OS Runtime for Java) 2.0以降が必要。

reviewer's EYE 何も見ずに「Boogie」を起動したユーザは、まずファイルメニューに「Restart」「Shutdown」という項目しかないのに驚くかもしれない。が、これは「Boogie」自体のリスタート、シャットダウンのことだ。「Boogie」のメッセージングを終了させるときは、他からのメッセージのコネクションを切断し、終了するという手順が必要となるため、このような表示になっているようだ。「Quit」はアップルメニューにあるが、こちらはコロニーの障害などが起きた場合にのみ使用すること。不用意に使うと、コロニー全体を落とす可能性もあるので、終了はShutdownを使うように注意してほしい。特に、ショートカットの【Command】-【Q】は、アップルメニュー側にある「Quit」にアサインされているので、ショートカットを多用するユーザは要注意だ。

このようにちょっとメニューの構成が風変わりなものの、インターネット上のメッセージ伝達に「距離」という現実世界の概念を持ち込んだという点はユニークだといえるだろう。その昔、BCL(Broadcasting Listener)がブームだったときに、フェーディングしながら微かにきこえる短波放送のメッセージを耳を凝らして聞き取っていた時代を思い出す人もいることだろう。

メッセージの受信は、誰がどこでどんな放送をしているか把握する方法はないので、まさにラジオ同様にチューナをグリグリと回す(古いか?)感覚でチューニングボタンをクリックし、検索することになる(自動検索なのだが)。また、チューニングボタン上部にある星窓の表示(遠くからのメッセージでは、星が小さく、近くならば大きく見える)も、なにやら昔の天体観測と思い出させてくれる作りになっている。

ラジオや望遠鏡にかじりついていたあのころを懐かしみながら、新しいメディアで、IRCなどとはまた一味ちがった距離感を持ったコミュニケーションを楽しんでみるのはいかがだろうか。
(宮原 公文)


スクリーンショット》 デフォルトでは、boogie.gram.co.jpのコロニーに接続するようになっている
スクリーンショット》 初期設定は、放送局名を指定するぐらいで特に何もすることはない
スクリーンショット》 遠くのメッセージは薄く表示される
スクリーンショット》 Senderウィンドウ。下部の「メッセージの強さ」を強くすれば、遠くまで届くように出力が上がる


【作 者】 (有)グラム・デザイン
【作者のホームページ】 http://www.gram.co.jp/
【動作に必要なソフト】 MRJ(Mac OS Runtime for Java) 2.0以降。http://www.apple.co.jp/java/ からダウンロードできる
【補 足】 Windows版もある。Windows版は 作者のホームページ からダウンロードできる
ソフト作者からひとこと
「Boogie」では、ユーザがお互いに接続し合い、放送ネットワークを作ることからコミュニケーションが始まります。メッセージを放送する人も受信する人も、このネットワークの一員となります。ユニークなのは、ここで放送されるメッセージはネットワークを遠く進むほど減衰して、ノイズになり、やがて消滅してしまう、ということでしょうか。距離が遠すぎれば、メッセージは望んだ相手に届かないかもしれないし、また届いても相手がそのとき「Boogie」を起動していなければ、それを受信することはできません。

このようにインターネット上にさらに独自のネットワーク網を構築することで、インターネットが置き忘れてきた、しかしコミュニケーションが本来持つ「距離」の感覚と「不確かさ」「遠くもどかしい感じ」や「偶発的な出会い」の魅力というものを取り戻す試みをしています。

「Boogie」に「こうでなければならない」という使い方はありません。みなさんもぜひオリジナルな使い方でBoogie放送ネットワーク網の一員になってみてください。お待ちしております。

また、グラムデザインでも特定の全国チャンネルを使って、楽しい情報をリアルタイムで流すサービスを予定しています。
(有)グラム・デザイン
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フリーソフト
Boogie MAC版 1.7 手軽にメッセージの放送が始められる個人向けモジラジオ局 (409K)


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