2015年、筆者の最も印象に残ったオンラインソフトには「JRiver Media Center 21」を選んだ。Windows(Mac版やLinux版もある)上で、音楽や動画の管理・再生・変換などを行えるマルチメディアプレイヤーだ。OS標準のWindows Media Playerを代表に、この種のマルチメディアプレイヤーにはさまざまなものがあるが、それらと比較した場合の「JRiver Media Center 21」の特徴といえば、なんといっても「ハイレゾ音源」を再生できること。
多くのパソコン環境で、音楽再生用としては最高音質として位置付けられていた「CD音質」、すなわち44.1kHz/16ビット/ステレオを超える音質、例えば96kHzや192kHz/16bit、192kHz/24bitといった、CD音質よりもサンプリング周波数の高い、量子化ビット数の高い音楽を再生できる、ということだ。最近ではスマートフォンやウォークマンなどの音楽プレイヤーなどもハイレゾ音源に対応してきており、耳にしたことがある方も多いだろう。
「JRiver Media Center 21」の最大の特徴は、この「ハイレゾ音源」に対応しつつ、かつ「普通の音楽プレイヤー」としての顔を持っている点ではないだろうか。「外観」「使い方」「機能」など、何の変哲もない、ほかのプレイヤーと同等の顔を持ちながら、その実、凄い再生能力を秘めている。しかもハイレゾ再生能力も、単なるハイレート/ハイビットのフォーマットだけでなく、「DSD」と呼ばれる別種のフォーマットにも対応する。ここでは多くを語らないが、とにかく「凄い」再生音質のプレイヤーだ。
「音楽プレイヤーなんて、OS付属のWindows Media Playerをはじめ、無料で手に入るものがいくらでもある」と考える方もいらっしゃるだろう。たしかにその通り。でも、ひとたびハイレゾ音源を再生しようと思うと、とたんに選択肢は限られてくるし、さらにそれらの中で「使いやすいもの」というと、本当に選択肢は少ない。そうした中で、これだけの機能を持ち、かつ使いやすいプレイヤーはなかなか見あたらない。
「とにかく使いやすく、かつ高音質で」と考えるなら、ぜひとも試してみていただきたい音楽プレイヤーだ。