Windows上で動作するテキストエディタ「EmEditor」は、1997年に開発がはじまってから、すでに10年以上の年月が経っており、常に弊社のメインの製品として開発に専念してまいりました。そのため、より完成度の高い製品に仕上がっていると思います。2008年7月には、米国シェアウェア業界で権威のあるShareware Industry Awards 2008(シェアウェア業界賞)のBest Application(最優秀アプリケーション賞)を受賞することができ、「EmEditor」の優秀性が認められ、うれしく思っております。これは、日本国内だけでなく、世界中の多くのユーザが、標準的なテキストエディタとして「EmEditor」を選んでいるという事実を示しています。「EmEditor」の大きな特徴は、次の点にあります。
- 高機能でありながら、軽量で高速
- Unicodeやさまざまな言語に対応
- マクロやプラグインを使って、軽量性を損なわずに必要な機能だけを拡張することが可能
- 巨大ファイルを開くことが可能なスケーラビリティ
そしてVer.8では、さまざまなご要望にお応えしたため、非常に多くの改良点があるのですが、なかでも本バージョンの主な改良点である次の点について紹介したいと思います。巨大ファイルコントローラー
Ver.7では、248GB(または21億行)という非常に大きなファイルを開くことができるのが「EmEditor」の特徴でした。しかし、「EmEditor」であっても、巨大ファイルを完全に開くには、ハードディスクやネットワークに依存する時間を待つ必要がありました。多くのユーザは、巨大ファイルの一部だけを表示すれば十分なことがあります。例えばサーバ管理者ならば、巨大なログファイルの最下部だけを表示してみたいということはよくあることです。そこでVer.8では、巨大ファイルの一部だけを短時間で表示することができるように、テキストエディタとしてはユニークな「巨大ファイルコントローラー」を追加しました。
まず、「EmEditor」で巨大ファイルを開こうとすると、「巨大ファイルコントローラー」がサイドバーとして表示され、ファイルを開いている進捗状況が表示されます。ファイルを開いている途中に「停止」ボタンを押すことにより、ファイルのオープンを途中で停止することができます。ここで、開きたいファイルの位置とサイズを指定することにより、ファイルの好きな場所だけを開くことができるようになります。例えば、ファイルの最下部だけを開きたい場合は、「最後を開く」を選択し、開きたい部分のサイズを指定します。そして「適用」ボタンをクリックすると、ファイルの最下部だけがすぐに表示されるようになります。
箱型編集
テキスト編集を行っていると、複数行の行頭や行末に同じテキストを挿入する必要が出てくることがあります。このようなときに、箱型編集は力を発揮します。本バージョンでは、箱型選択してから挿入したいテキストをタイプするだけで、選択した部分すべてに同じテキストが挿入されるようになりました。これは、言葉で説明するよりも、実際に行っているところを動画で見ていただく方がずっとわかりやすいでしょう。ぜひ「EmEditor」のホームページにあるビデオチュートリアル(http://jp.emeditor.com/modules/tutorials4/index.php?id=3)をご覧ください。
バイナリ編集
本バージョンから「EmEditor」を使ってバイナリ編集を行うことができるようになりました。「EmEditor」では、数百GBという巨大なバイナリファイルを開くことも可能で、さらに「巨大ファイルコントローラー」を使用して、ファイルの好きな位置だけを短時間で開くことができるようになりました。
さらに高速になった検索と置換
読者のみなさまの中には、機能が多くなれば、それだけ「EmEditor」の軽い動作が損なわれるのではないかと心配される方も多いでしょう。しかし、「EmEditor」では、どれだけ機能が増えても動作が遅くならないようにすることが、私は重要と考えています。実際、本バージョンでは、さまざまな点でより速く動作するような改良が加えられています。例えば、通常の検索と置換では、従来のバージョンよりも数倍に速くなっています。特に、改行を含む場合の「すべて置換」にいたっては、従来は1分以上かかっていた置換が1秒程度で完了するまで高速化されています。
ほかにも、本バージョンでは、多くの機能を追加、改善しています。詳しくは、ぜひ「EmEditor」のホームページにある特長ページ(http://jp.emeditor.com/modules/feature1/)をご覧ください。
「EmEditor」は、10年以上にわたり多くのお客さまの作業効率を向上させることに成功し、喜ばれてきました。ぜひ、読者のみなさまもこの最新版をダウンロードしてお試しいただき、ご意見やご質問がございましたらお知らせください。今後も「EmEditor」をよろしくお願い申し上げます。
(株式会社エムソフト)