自然災害や敵の襲撃と戦いながら、自分の支配する都市を発展させてゆくシミュレーションゲーム。建物や農場を自由に配置することが可能で、現実の都市に近い街作りを行える。3Dマップ上の自分の領土に、豊かで大きく美しい、理想の都市を実現させよう
「メディーバル ローズ 〜中世都市建国〜」は、ヨーロッパ中世を舞台にしたRTS(Real Time Strategy)。起伏に富んだ3Dマップ上に、地形や環境に応じた、有機的でリアルな街並みを構築できる。外敵と戦って領地を守ったり、拡張したりしながら、自らの王国を可能な限り大きく、美しく、豊かに成長させることがゲームの目的。
最大の特徴は、建築の自由度の高さ。他の多くのゲームのように格子状の区画の上に建物を並べるのではなく、完全に自由な配置で道や建物を建設できる。建築を規制するのは周囲の環境や地形、すでに構築されている建造物のみ。3Dマップ上に、プレイヤーのイメージ通りの街並みを構築できる。農場なども、地形や環境などに合わせた自由な形状で構築することが可能だ。
領土を切り開く際に最も重要なのが場所の選定だ。まだ誰の領土にもなっていない土地の中から盗賊や海賊、他の国などの敵との距離、土地の肥沃度、水回りなどの要因を考慮して、開拓する場所を決める。一番最初に建てるのは「キープ」。わかりやすくいえば城のことで、都市の中心となる。キープが敵によって占領されるか破壊されるとプレイヤーの敗北となり、ゲームオーバーとなってしまう。
次に、キープの周囲に「家」を建てる。整然と家を並べ、土地を有効利用するためには、将来の都市計画を念頭に置いた道路網の構築も重要。水源から離れている場合は、集落の中心部に井戸を掘る必要もある。井戸からの水の供給範囲は、設置時に円形に表示される。集落全体をカバーする位置に井戸を作ろう。
住民のニーズを満たして家々を発展させ、人口を増やして税収を安定させよう
「金」と「食料」の確保も重要。「金」は、建物や設備の建造と保守・運営、軍隊の維持などに必要。特に軍隊は、金がなくなるとたちまち兵士がいなくなってしまう。金を獲得する手段は基本的に税収。住民のニーズ(水、食料、安全、安らぎ、健康、余暇の6種類)を満たして、家の発展レベル(9段階)を上げることで、収入を増やすことができる。
「食料」は、はじめのうちは水辺であれば「釣り小屋」、獲物の動物がいれば「狩猟小屋」を建て、家々の側に毎月収穫できる「野菜畑」を作って賄うのがよい。住民が増え、労働力を確保できるようになったら、「コーン畑」「ぶどう園」「果樹園」などの大規模な農場を建設する。ただし、これらの農場は収穫が年に1回だけで、災害などで収穫が失われる可能性がある。1種類の作物だけに集約することなく、満遍なく作付けしてリスクを分散した方がよい。収穫した作物で、納屋や穀物倉などの貯蔵施設に入りきらない分は無駄になってしまう上、貯蔵施設の維持コストは高い。この点からも1種類の作物だけを大量に生産することは避けるべきだ。
生産できる食料は穀物だけではない。「鶏小屋」「羊小屋」「豚小屋」「牛の牧草地」などを作って、肉を生産することもできる。肉の生産は毎月行えることが大きな利点だが、これらの施設を建設すると、周囲の信仰が低下するという住環境への悪影響があるので、注意も必要。この悪影響は十字架像や木製の像、礼拝堂などを建てることで打ち消すことができる。
敵の襲撃に備えて街の周囲に防壁を築き、兵士を育成して守りを固めることも重要
敵の攻撃に備えて、街の周囲に「防護柵」や「防壁」を築くことも重要だ。ただし、防護柵などを建造するには「大工」などを育成して、テクノロジーを高める必要がある。また、防壁だけでは敵に突破されてしまうので、「訓練野営地」を建設して、「兵士」を育成する必要もある。兵士の種類は「歩兵」「騎兵」の2種類。それぞれ異なる訓練野営地を必要とする。
兵士は、50人を1部隊として住民から徴兵することで集められる。集めることのできる部隊の数は、街の人口で制限される。軍隊を維持するためには毎月、金と食料を支払う必要がある。
部隊を育成できたら、キープや防壁の間にある塔の上に配置すればよい。敵が攻めてきて一定の距離(射程距離)まで近づくと、自動的に攻撃して街を守ってくれる。逆にいえば、敵が攻撃範囲内に入ってこないと何もしないため、防壁の塔と塔の間隔はあまり離しすぎない方がよい。
盗賊の居留地や近くの村などの敵の領土をこちらから攻めることもできる。敵領土への侵攻は、自分の部隊を敵の領土内に配置するだけでよい。「メディーバル ローズ」では、戦闘に関してプレイヤーができるのは部隊や兵器などの配置のみ。「どのように攻撃するか」とか「どの敵を攻める」といった指示はできない。その代わりに、最初の部隊が敵の領土内に到達した直後から「神の休戦」が開始され、カウントダウンが終了するまでの間に、新たな部隊や兵器を派遣したり、防護柵や塔を建設したりできるようになっている。カウントダウンが終了すると直ちに戦闘になるので、それまでの間にいかに自軍が有利になるよう準備できるかが勝負の分かれ目となる。戦闘に勝利して盗賊の野営地を破壊するか、村のキープを占拠することに成功すると、敵の領土を自らのものにすることができる。