ハードディスクを安全かつ効率的に使うためのツールがまとめられた統合ディスクユーティリティ。複数OSを1台のパソコンで使用できる。「Acronis Disk Director Suite」は、ドライブ/パーティション関連のさまざまな操作を行えるディスクユーティリティ。パーティションの新規作成やサイズ変更、マルチOS環境の構築、パーティションの復元などを1本で行える。ソフトは、
- パーティション管理を行う「パーティション・マネージャ」
- 削除してしまったパーティションを復元する「Acronis Recovery Expert」
- ハードディスクのセクタ内容を直接編集する「Acronis Disk Editor」
- マルチOS環境の構築・管理を行う「Acronis OS Selector」
の各ツールで構成される。特徴のひとつが、ハードディスクの内容をそのまま保持しながら、パーティションの新規作成やサイズ変更、コピー、移動といったパーティション操作を行えること。新バージョン「10.0」では、既存のパーティションを分割して新しいパーティションを作成する「パーティションの分割」や、データはそのままに二つのパーティションをひとつにまとめられる「パーティションの結合」といった機能が追加された。
操作モードは「自動モード」「手動モード」の2種類。「自動モード」では、基本的なパーティション操作をウィザードで実行できる。より高度な操作は「手動モード」で行える。手動モードでは「分割」「結合」に加え、ドライブレターの変更、ファイルシステムの変換(FAT16⇔FAT32/Ext2⇔Ext3)、パーティションの表示/非表示、クラスタサイズの変更といった操作を行うことが可能だ。
誤って消去してしまった(または外部からの攻撃で使用不能になった)パーティションを復元する「Acronis Recovery Expert」、セクタ内容を編集できる「Acronis Disk Editor」は独立したツールだが、「パーティション・マネージャ」からソフトの一機能のように扱える。ユーザは、別ツールであることを意識することなく使える。
「Acronis OS Selector」は、マルチOS環境のためのツール。同一パーティション内に複数のOSをインストールできる。対応するOSは、DOS、Windows 3.1/95/98/Me/NT/2000/XP/2003、Linux、FreeBSD、Solaris、SCO UNIX、UNIXWARE、OS/2、BeOS、QNX。OSの起動をパスワードで保護したり、隠しOSや隠しパーティションを作成したりといったことも簡単にできる。OSの選択は起動時に手動で行えるほか、「デフォルトのOSをすぐに起動」「○秒後にデフォルトのOSを起動」など、フレキシブルなブート設定を行える。