パーティションの新規作成やサイズ変更からマルチOS環境の作成・管理まで、パーティション関連の操作を安全・簡単に行える統合ディスクユーティリティ。パーティションの復元、セクタの直接編集などの機能も備えている。「Acronis Disk Director Suite」は、ハードディスクをより安全・便利に使うためのツールを集めたスイートソフト。基本になるパーティション管理機能に加え、削除してしまったパーティションを復元する「Acronis Recovery Expert」、ハードディスクのセクタ内容を直接編集できる「Acronis Disk Editor」、マルチOS環境の構築・管理を行える「Acronis OS Selector」の各ツールで構成される。
中心となる「パーティションマネージャ」は、ハードディスク内のデータを保持したまま、パーティションの新規作成、サイズ変更、コピー、移動といった操作を行えるツール。操作は、ウィザード形式で実行する「自動モード」か、より高度な操作を行える「手動モード」から選択できる。手動モードでは、ドライブレターの変更、ファイルシステムの変換(FAT16⇔FAT32/Ext2⇔Ext3)、パーティションの表示/非表示、クラスタサイズの変更などの操作も可能だ。
メイン画面は、Acronisシリーズに共通した、なじみやすいWindows XP風のデザイン。ファイルシステムや使用領域/空き領域といったパーティションの詳細情報を確認できるのはもちろん、実際に変更を行う前にパーティションレイアウトのプレビューを行うことも可能で、使い勝手に対する配慮が随所になされている。ファイル形式は、FAT16/FAT32/NTFS/Linux Ext2/Ext3/ReiserFS/Linux SWAPに対応。IDE/SCSI/USB/IEEEなどの外付けハードディスクのパーティション操作も行える。
消してしまったパーティションの復元には「Acronis Recovery Expert」が利用できる。誤操作によって削除してしまったパーティションはもちろん、外部からの攻撃やシステムエラーでブート不能になった場合でも、パーティションを復元することが可能。「Acronis Recovery Expert」は、パーティションマネージャの「パーティションの復元」から起動できるため、使い勝手は「ひとつのソフトを操作している」のと変わらない。
「Acronis Disk Editor」は、ハードディスクのセクタ内容を直接編集・保存できるツール。16進ダンプをはじめ、パーティションテーブル、FAT16/FAT32/NTFSのブートセクタ、FAT32 FS情報セクタ、FATフォルダの各表示モードを持ち、効率的に作業できる。セクタ内容をファイルに保存したり、ファイルから読み込んだりすることも可能だ。
マルチOS環境のためのツールが「Acronis OS Selector」。「Acronis OS Selector」をインストールすると、OSの起動前に「ブートメニュー」が表示されるようになり、起動OSを選択できるようになる。このとき、完全に手動で選択する方法のほかに、「デフォルトのOSをすぐに起動」「○秒後にデフォルトのOSを起動」という方法も選択できる(デフォルト以外のOSを起動する場合は、それぞれ「【Esc】で回避」「指定時間が経過する前にOSを選択」する)。
新規OSインストール時には、正しい手順をガイドしてくれる「新しいオペレーティング システム ウィザード」が用意されている。ウィザードを利用して、「OSの名前を変える」「OSの起動にパスワードをかける」「ブートメニューに表示されない“隠しOS”にする」「OSを削除する」といった操作を行うことが可能。さらに、OSをコピーしたり、OSのショートカットを作成し、同じOSに対して複数の異なる構成を作ったりといったことも可能だ。
「Acronis OS Selector」は、完全32ビットネイティブで動作し、操作をWindows上で行えるのが特徴。DOS、Windows 3.1/95/98/Me/NT/2000/XP/2003 Server、Linux、FreeBSD、Solarisのほか、さまざまなOSに対応する。