「A!動画アルバム ザッパー」はソフト名の通り、動画のザッピング（多くのチャンネルを切り替えながら、あちこち見ること）に最適のソフトだ。簡単な操作で大量の動画から静止画をキャプチャし、サムネイル表示させて管理できる。メイン画面のリストでは、動画1ファイルにつき8枚までの静止画をサムネイル表示することが可能で、サムネイルのクリックにより、そのシーンから直ちに動画を再生できる。対応する形式はAVI/MPEG/WMVなど、Windows Media Palyerで再生できるもの。

内蔵の動画再生機能では、マウスホイールやカーソルキーなどで、早送り/巻き戻しを行える。トラックバーのクリックで再生個所をジャンプすることができるほか、再生画面の下に表示されるサムネイルのクリックでも、その場所にジャンプできる。現在、再生中の動画が終了したら、即座にリスト中の次の動画の再生を開始する機能もある。

アルバムを作成するための動画ファイルの登録は簡単。（サブフォルダを含む）フォルダか個別の動画ファイルをメイン画面の指定エリア内にドラッグ＆ドロップするだけでよい。フォルダで一括登録した場合は、サムネイル表示用の静止画8枚が自動的に設定される。個別登録の場合は、20枚の静止画がキャプチャされ、その中からサムネイル表示用画像をユーザが選択できるようになっている。登録した動画ファイルに対して、「評価レベル」や「コメント」をつけることもできる。

そのほか、複数の動画ファイルのキャプチャ画像を切り替えながら閲覧して内容をチェックし、評価レベルやコメントを入力できる「切替ビューワ」という機能もある。

サムネイルをクリックするだけで、直ちにそのシーンを再生できる。再生中にリストをクリックして即座に動画を切り替えたり、シーンの早送り/巻き戻しも自在にできる。プレイヤーソフトとしても優秀だ。マウスホイールをジョグシャトル代わりにして、ビデオデッキを使っているのとほぼ同じ感覚で操作できるのは快適だ。

どうせなら、マウスホイールを使って巻き戻しをしているとき、動画の先頭に来たらそのままリストの前にあるファイルを引き続き巻き戻しできると、さらに便利だと思うのだが無理だろうか？　「切替ビューワ」でキャプチャ画像をチェック中、そこから再生できるようにもなってほしい（「切替ビューワ」の目的とする機能から外れると思うが）。

なにはともあれ、動画ファイルを大量にため込んでいる人にとってはお勧めのソフト。ぜひ一度、（騙されたと思って）試してみてほしい。

ユーザにお勧めする使い方、開発中に苦労した点
マニュアルを読んでも意図がわかりにくい点、開発中に苦労した点を紹介します。

《全般機能》

全般的にユーザビリティを重視した設計です。特にツールチップは詳細にするように心がけていますので、マウスをいろいろなコントロール上に置いて、機能確認してみてください。

《ザッピング（大量動画さくさく再生）》

「百聞は一見にしかず」の通り、1動画に複数サムネイルを生成し保存できます。サムネイルで動画が思い出せるので、管理フォルダや動画ファイル名などに、長い説明を入れる必要がなくなります。サムネイルをクリックすれば、直ちにその位置から再生ができるようにし、また、動画を再生している最中でも、異なる動画のサムネイルをクリックすれば、直ちにその動画再生ができます。ザッピングパネル（再生ウィンドウ）上のサムネイルのクリック、トラックバー下部のクリックでも、再生位置を簡単に変更できます。

マウスホイールで簡単に前後に先送り/後戻しができるようになっていますので、さくさく動画が観賞できます。先送り/後戻しのスピードもボタン一つで3段階に調整でき、重要なシーンを細かく、そうでないシーンはどんどんスキップできます。スキップされる秒数は一定秒数でなく、動画の再生長さ（秒）を一定ホイール回数で割ったものなので、長さの極端に異なる動画が混在してもストレスなく飛ばし見できるよう考えました。メインウィンドウと、ザッピングパネルのトラックバーにマウスを重ねると、フォーカスが直ちに移動するため、余計なクリック操作がなく、マウスホイールの有効性が更に高まるよう設計しました。

動画ファイルにランクレベル付けをし、そのレベルに対してソートできることで、お気に入り動画ファイルを見つけて、直ちに再生できます。また、動画連続再生（オプション設定）できますので、逆ソートして動画再生を行えば、お気に入り度の低い動画から高い動画に向けて、連続再生することがが可能です。放っておけば連続再生ですが、ボタン一つで次/前ファイルと移動できます。同時にサムネイルリストが再生している動画にあわせてスクロールされますので、動画再生中に、次に再生する予定の動画内容の把握が可能になっています。このあたりも考えた機能です。

動画ファイルに対するランクレベル、コメントは動画再生中にも付与可能ですが、あまりに動画ファイルが多すぎるユーザのために、「切替ビューワ」というものも実装してみました。これは、まずサムネイル化して、それを静止画の「切替ビューワ」で見ながらランキングし、興味のある動画ファイルをあらかじめ選定するために作ったものです。利用してみてください。「切替ビューワ」は、マウスホイールで静止画を切り替え、背景色が濃いグレーとなったときがそのファイルの最終静止画であり、レベル付け、コメント付与するタイミングです。また、ファイルリンククリックで直ちに動画の観賞もできます。

なお、動画ファイルですが、基本的に、Windows Media Palyerで再生可能な動画ファイルをサムネイル化して観賞できます。QuickTimeやReal Mediaについては、サムネイル化する方法がわからなかったので、アルバム管理対象にして、「Media Player Classic」などの外部ビューアにて観賞できるようにしました。DVDディスクについてもサムネイル化できませんが、これは内部ビューアで観賞できます（ただし、DVDディスクのvobファイルはサムネイル化可能）。フォルダリストは【Shift】や【Ctrl】を押しながら、リスト左端のグレー部分をクリックすると複数選択可能です。複数選択されたフォルダ内の動画全一覧が表示可能です。より、操作性が少なく、かつ思い通りに動画再生するユーザビリティ性が最も開発に苦労した点です。

《アルバム化機能》

動画ファイルのアルバム化機能には、二通りの方法があります。動画フォルダのドラッグインと、動画ファイルのドラッグインです。動画フォルダのドラッグインでは、フォルダ内の全動画を自動でサムネイル生成することができます（子フォルダまで再帰検索するかはオプション設定）。動画ファイルのドラッグインに関しては、20枚のサムネイル画像からの動画選択ができて、より細かなキャプチャ画像指定が可能となっています。なお、20枚のサムネイルウィンドウで画像クリックすることでも動画再生確認できます。動画確認後、動画をアルバム登録するとき、動画ファイルを異なるフォルダに移動する機能もありますので、じっくり動画整理するときに有効です。動画フォルダ（画像ファイルではない）のドラッグインにおいては、QuitckTimeやReal Mediaなどのファイルも登録管理されます。ただし、サムネイル化はできません（というより方法不明）。しかし、登録管理されるので、「Media Player Classic」などの外部ビューアにて観賞できるようになっています。

DVDディスクについては、二通りの登録方法があります。ドライブアイコンをドラッグインすると、チャプター単位で解析して管理できます（このとき、DVDデコーダは必要となります）。video_tsフォルダをドラッグインすると、内部のvobファイルごとに管理でき、このときはサムネイル化されます。ただし、ファイルにコピーガードがかかっていないこと、「PowerDVD」のようにvobファイルを直接再生できるソフトのインストールが必要となります。

アルバム化機能に関しては、さまざまな動画タイプがあることに苦労しました。また、キャプチャする方法がいまだわからなかったりして、皆さんに不便をおかけしていますが、お許しください。

《動画ファイル管理、アルバム管理》

複数動画は、同じ分類としてフォルダにまとめることが通常かと思われます。本ソフトは、動画ファイルのみならず、フォルダ単位でもコメントを記載できるので、分類記録にうってつけです。動画アルバムソフトは一般に、動画ファイルのパスをデータベースにして管理するので、ファイル名の変更をしたり、フォルダ分類し直したり、またDVD-RやCD-Rに焼き付けることでパスが変更になったりしていると、管理ができなくなってしまいます。しかし、本ソフトは動画ハッシュ値も同時管理し、「再整理」ボタンにて、指定フォルダ以下にある動画ハッシュ値が同一なファイルを探して、データベースを再構築します。このため動画ファイルに一度付けたレベルやコメントが再利用されます。

「再整理」ボタンには、「管理情報を移動せずコピーする」というオプションがあります。例えば、すでに管理済みの大量動画から、お気に入りの動画のみをいくつか取り出し、DVD-Rに焼き込んだとします。この際、お気に入りの動画に対するレベルやコメントを再利用したい場合に用います。また、DVD-RやCD-Rの再観賞の際に複数のドライブを利用したり、フォルダ共有上の動画を利用する際など、利用する場合に、ドライブ名などが違う場合があります。その場合のために、パス文字列変更機能をつけてあります。これも考えた点ですので、ご活用ください。

アルバムは「アルバム追・変」ボタンで、新規追加や名称変更できます。なお、アルバムフォルダの内部の階層は、アルバム化した動画のフォルダ階層となっているだけなので、アルバム内部の構造変更を直接エクスプローラで構造変更することもできます。エクスプローラでの作業は、例えば、一つのアルバムを二つに分けたり、統合したりするなどのアルバム再整理などに有効です。加えて、アルバム内部にあるサムネイルファイルは、動画ファイル名のJPEGがファイル名称で、解像度が元の動画と同等なので、アルバムを静止画ビューア（例えば「ViX」などで直接参照しやすいように配慮しています。

《その他の機能》

二つのフォルダ内部データ比較をつけてあります。簡易的な比較ですが、DVD-Rなどでデータが完全に焼けているか再チェックできます（というのも、私のDVD作成ソフトは焼き込みエラーすることがあるので、つけただけといえますが）。メインウィンドウ上方には「ドラッグイン即再生」エリアがありますが、ファイルをドラッグインするとすぐザッピングできます。ご活用ください。また、起動時にインターネットに繋がっていると、バージョンアップ情報を起動時に表示しますので、ご活用ください。

http://www58.tok2.com/home/mymy/cgi-bin/s3mb/w_s3mbix.cgi
公式ホームページ：http://www58.tok2.com/home/mymy/
https://www.vector.co.jp/authors/VA015035/