「ブロードバンド応援団」ではこれまで、ブロードバンド接続の代表格であるADSLについて、NTT東日本/NTT西日本がサービスを提供する「フレッツ・ADSL」と、ソフトバンクYahoo!がサービスを提供する「Yahoo! BB」について紹介してきた。この二つはいずれ劣らぬ有名サービスであるが、対照的な部分が多いのは、これまで説明してきた通り。
回線だけをサービスして、プロバイダについてはユーザが自由に決めるフレッツ・ADSLに対して、回線からプロバイダまで全部一括でサービスするYahoo! BB。プロバイダが自由に選べるフレッツ・ADSLに対して、プロバイダはYahoo! BBの提供するISPサービスのみというYahoo! BB。NTTとプロバイダの双方に料金を払う必要があるフレッツ・ADSLに対して、支払いは1ヵ所だけのYahoo! BBと、いろいろなところで正反対だ。
でも、こうして比べてみると、この二つはあまりにも両極端という感じはしないだろうか。開始されたばかりのYahoo! BBだが、最近ではサービスエリアも急速に広がりつつあるようで、地域によっては「フレッツ・ADSLにするか、Yahoo! BBにするか」という、贅沢な悩みを持っている人が多いだろう。実際、これだけ極端な差があるのだから、悩みも大きくなって当然だ。
だが、こうして悩んでいると、「両者の方式の長所・短所を上手にカバーするような、もう少しうまい契約方法はないのだろうか」と思えてくる。いわばフレッツ・ADSLとYahoo! BBの双方の「いいとこどり」ができないものだろうか? 実は、このイメージに近いサービス形態がないわけではない。プロバイダに対してADSL回線が一括提供されている形式で、「ホールセール型」と呼ばれるサービスだ。そして、ホールセールでADSL回線を提供している代表的な会社がイー・アクセスなのだ。