「hyCalendar」は、月間カレンダーをベースに、自由に入力できるメモやToDoリストなどの機能が盛り込まれた多機能カレンダーソフト。タブ形式で表示されるカレンダーの表示月を簡単に追加・削除できるほか、表示される日数や週の数をカスタマイズすることも可能。ユーザごとに使いやすい設定にして、利用できるようになっている。書き込んだデータのエクスポートやテキストファイルからのインポートなども可能だ。

カレンダーには一日単位で予定（「日付メモ」と呼ばれる）を入力することが可能。数日間にわたる予定を「期間予定」として登録することもできる。「期間予定」は、開始日から終了日までが矢印付きの線で結んで表示されるが、土日や祝日は線を表示しないように設定することもできる。さらに、定期的に発生する「周期予定」では、隔週や一定日数間隔などの条件を細かく指定することも可能だ。

「日付メモ」では、特定の日付のダブルクリックで入力エリアがポップアップし、その場で直接、入力できる。入力内容にWebページやメールアドレス、文書ファイルのパスなどのURLがあると、自動的にハイパーリンクが設定され（文書ファイルの場合は、カレンダー上にファイルをドラッグ＆ドロップしてもよい）、入力済みの日付メモをクリックするだけで、Webページにアクセスしたり、ファイルを開いたりすることが可能。URLだけでなく、メモ内に入力された日付もリンクとして働く。クリックすると、当該日のカレンダーにジャンプする。

ハイパーリンクは、日付メモだけでなく、ウィンドウ下部にあるフリーメモやToDoリストでも同様に機能する。ToDoリストのアイテム内に日付を入力しておくと、当該アイテムが自動的にカレンダーにも表示される。

日付メモには、日付または背景部分に色をつけることが可能。特定の書式で書かれた文字列が含まれる行を自動的に装飾表示させたり、日付部分内に入りきらない文字がマウスでポイントされたときにポップアップ表示させたりいったこともできる。

カレンダーに入力されたデータは「.cal」形式のファイルで保存される。ユーザが任意に保存することもできるが、「hyCalendar」の終了時に自動保存させることも可能だ。

保存されたカレンダーデータは、複数のものを切り替えて使用することが可能。さらに、他のカレンダーデータを参照することもできる。あるカレンダーに別のカレンダーを重ねて表示させることができ、自分の予定と他のユーザの予定とを見比べたりするときに便利だ（参照中のカレンダーデータは編集ができない）。

そのほかにも、

• カレンダー内の文字列を検索し、一致するものがあれば、その日付へ移動する検索機能
• カレンダーの印刷機能
• 日付メモのエクスポート機能およびテキストデータから日付メモへのインポート機能
• 指定した日付までの日数をステータスバーに表示するカウントダウン表示機能

そのほかにも、期間予定では単に開始日から終了日までラインを引くだけでなく、土日や祝日は線を隠せるようになっていたり、周期予定の条件をきめ細かく設定できたりなど、使い勝手は良好。機能と操作性のバランスがうまくとれているという印象を受けた。

もうひとつ、通常の月間カレンダーと異なる興味深い点が、ウィンドウサイズに対して表示日数と週の数を自由にカスタマイズできる機能だ。こうして文章にすると、ちょっとわかりづらいかもしれないが、表示日数を1〜7日の間で、また表示する週は1〜7週の間で選択することができるので、組み合わせによっては週間カレンダーや1日単位のメモツールのようにも使える。特に月をまたいで予定が入る場合は、表示週を6〜7週に設定しておくと便利だろう。もちろんこの設定は登録しておくことができ、切り替えもワンタッチで行える。仕事の内容や工程などに応じたカレンダーや予定表も自由に作成できる。

というわけで、入力のしやすさや操作性にこだわる人はもちろん、一般的なカレンダーとはひと味違う柔軟性を求める方には、ぜひ一度お試しいただきたいソフトだ。

「日付の欄に直接予定を書き込むタイプのカレンダーを手軽に使えるようにしたい」

「予定に関係したWebサイトのURLをカレンダーから直接参照できるようにしたい」

「hyCalendar」は、2003年に開発をはじめて以来、利用者のみなさまからのご意見を取り込む形で機能拡張を進めています。使っているうちに気づいたことは、些細なことでもかまいませんので、ぜひ作者までお知らせください。