Windows Vistaの高速化技術をWindows XP/2000でも利用できるようにする高速化ユーティリティ。「eBoostr」は、Windows Vistaで新たに搭載されたディスク/メモリキャッシュ機能「Windows ReadyBoost」と同等の機能をWindows XP/2000でも実現可能にし、アプリケーションの実行速度を向上させるソフト。外部メモリを利用することで、搭載メモリ量の少ないパソコンでも、OSの動作を高速化させることができる。
「eBoostr」では、ディスクへのアクセスを監視し、あらかじめ確保しておいたメインメモリやUSBメモリへその内容を書き込む。次回以降は、任意のアプリケーションがファイルの読み込みアクセスした場合、ハードディスクからではなく、先ほどメモリに記憶しておいた内容を読み出す(いわゆるディスクキャッシュとしての動作を行う)。これにより、よく使うアプリケーションの起動やファイルアクセスを高速化できるようになる。
ディスクキャッシュとして使用できるのは、システムメモリ(メインメモリ)のほか、USB接続のフラッシュメモリなどの「Windowsがドライブとして認識できるメモリ」。システムメモリはアクセス速度の点で有利だが、アプリケーション実行用のメモリも圧迫されるため、あまり多くの容量は確保しない方がよい。一方、USBメモリはシステムメモリよりは低速だが、大容量を確保することが可能で、特に大きなファイルをアクセスする機会が多い場合にメリットが大きい。
「eBoostr」では、システムメモリ、USBフラッシュメモリともに利用できる最大限の容量をキャッシュ用として確保することが可能。USBメモリではFATでフォーマットされている場合はキャッシュ用に確保できる容量は4GBに制限されるが、NTFSでフォーマットされていれば全空き容量を使用できる。複数のUSBメモリをキャッシュとして同時に使用することも可能だ。
キャッシュの確保は、「eBoostr」の起動時に行えるほか、任意の時点で行うことも可能。キャッシュ容量を追加した場合でも、Windowsを再起動することなく、そのまま使用することができ、またUSBメモリを抜き去ってもシステムはそのまま使用を続けることができる。
管理を行う「eBoostr:コントロールパネル」では、キャッシュ容量の追加や削除、変更を行えるほか、通算のキャッシュヒット率、選択したキャッシュメモリのヒット率(瞬時値)、ディスクアクセスの状況がいずれもグラフでわかりやすく表示される。キャッシュメモリ内にどのようなファイルの情報が格納されているかも確認することができる。
動画ファイルなどのように、一度限りのアクセスの可能性が高く、キャッシュが有効に働かないような場合には、あえてキャッシュしないように指定することもできる。除外は、拡張子単位で設定することが可能で、よりキャッシュの使用効率を向上させることができるようになる。
キャッシュの効果は外部メモリの入出力速度に大きな影響を受ける。直接アクセスした場合と「eBoostr」を使用した場合と速度比を計測する機能もある。