損傷を受けたハードディスクやストレージデバイスなどからファイルを復旧できる“データ救出”ユーティリティ。強力な検索機能により、高い確率でデータを検出する。「Data Rescue II」は、ディスクの初期化やソフトウェアのクラッシュなどが原因で、正常に読み出せなくなったファイルを検索(スキャン)し、復旧するためのソフト。3種類(+1種類)のスキャンモードを備え、状況に応じてすばやく、確実にデータを救出できる。検出したデータの安全な場所への保存を優先するため、復旧作業時のさらなるデータ消失の危険性が少ない。SCSI/IDE、FireWire、USBなどのハードディスクのほか、メモリースティックやコンパクトフラッシュなどのメモリカードなどにも対応する。
「Data Rescue II」では、ボリューム/ドライブ(ディスク)内をブロック単位で検索し、削除・破損したファイルとその断片を探し出し、一時的なフォルダに保存する。次に、名前やサイズなどから、ユーザが必要と判断したファイル/フォルダを、別ボリュームやディスクにコピーして復旧する仕組み。スキャン結果の保存機能があり、2回目以降は、再スキャンの時間を短縮・省略することもできる。
操作モードは、
- 画面のガイダンスに従ってファイルの検索・復旧を行う「アシスタントモード」
- 必要な処理を自分で選んで操作する「エキスパートモード」
の2種類。例えばアシスタントモードでは、(1)スキャンするハードディスクのボリュームまたはドライブ(ディスク)の選択、(2)作業領域として利用するディスクボリュームの選択、(3)スキャン方法の選択、(4)スキャンの実行(検出されたファイルが一覧リストで表示される)、(5)ファイルの復旧(復旧したいファイルをリストから選択する)という流れで作業を進めてゆく。選択できるスキャン方法は、
- 誤って削除したファイルを検索する「削除ファイルスキャン」
- 破損したファイルシステム内を検索する「クィックスキャン」
- ボリューム/ドライブ内から、復旧可能なデータをすべて検索する「フルスキャン」
の3種類。さらに、保存されたスキャンファイルを利用してデータを復旧する「スキャンファイル」を選択することも可能。スキャン時間を短縮・省略できる。スキャン終了後には、名前でファイル/フォルダの検索を行える。また、実際に復旧処理を実行する前に、検出されたファイルを開いて、正常かどうかを確認することも可能。関連付けされたアプリケーションからファイルを開くことができ、簡単にデータの内容を確認できる。
復旧は、「ルート」からすべてのフォルダ構造を維持した状態で行うことが可能で、保存先のボリュームに、元のフォルダ階層が作成される。指定したファイル/フォルダのみを、Finderのウィンドウにドラッグすることで、任意のフォルダに復旧することも可能だ。
ファイルの検出方法には、
- ファイル/フォルダの位置などが記録された「カタログ」の構造を利用してファイルを探し出す「カタログスキャン」
- カタログ構造を用いず、ファイルのフォーマットを認識してデータを検出する「コンテンツスキャン」
がある。「クィックスキャン」では「カタログスキャン」が、「削除ファイルスキャン」では、空きスペースの「コンテンツスキャン」が、またフルスキャンでは「カタログスキャン」と「コンテンツスキャン」の両方が実行される。「コンテンツスキャン」で認識できるのは、アーカイブ(Backup/DMG/SIT/ZIPなど)、画像(BMP/JPEG/TIFF/GIFなど)、動画(AVI/DV/QuickTime/MPEG/iMovieなど)、音声(MP3/AAC/AIFF/WAV/iTunesなど)、メールデータ(Apple Mail/Entourage/Eudra/Outlook Expressなど)、文書データ(AppleWorks/MicrosoftOffice/PDF//PageMaker/InDesign/FileMakerなど)、テキスト(Text/RTFなど)など。計約100種類に対応する。「エキスパートモード」では、さらに「メディア分析」「クローン作成」の両機能を利用できる。「メディア分析」は、ボリューム/ドライブごとにデータの読み出しに要する時間を測定し、メディアの健康状態を判断する機能。「クローン作成」は、損傷したディスクの同一コピー(クローン)を作成し、クローンを利用してスキャン/復旧作業を実行する機能。特に、ハードウェア障害がある場合、元ディスクへのアクセスを最小限にすることで、障害の拡大を防ぐことができる。
そのほかにも、作業の履歴を保存するレポート作成機能、ディスクのブロックデータを表示し、保存する機能、「スキャンエンジン」のファイルタイプ別の詳細設定機能などを備えている。