誤操作やトラブルなどで消失したファイルを検索し、復元できるデータ復元ソフト。「Dr. Recovery Windows」は、ユーザが誤って消去したファイル/フォルダ、誤って領域開放したパーティション、クラッシュなどで一部が読み出せなくなってしまったディスクなどから、必要なデータを救い出すためのデータ復元ソフト。固定ディスクだけでなく、メモリカードやUSBフラッシュメモリなどからもデータ復元を行える。Ver.3になり、
- 画像ファイルやMicrosoft Officeをはじめとした主要形式ファイルのプレビュー
- ディスク/ドライブの「イメージ作成」
- ファイル復元の信頼性を向上させる「シグネチャ検索」
- FTPサーバへのデータ保存
などの機能が追加された。消失したデータをディスク中から探し出す検索機能は強力だ。スキャン方法には、大容量ハードディスクでも短時間でスキャンを終了する「通常スキャン」と、ファイルシステムの状態にかかわらず、ディスク中のすべてのセクタをチェックする「完全スキャン」が用意されている。誤って削除したデータを復元するなど、一般的なデータ復元用途であれば、通常スキャンでも十分だ。
完全スキャンでは、未使用として管理されているクラスタなども含めてスキャンする。代表的なファイル形式に特徴的なパターンを検索してデータを復元するため、ファイルシステムそのものが異常になった場合などでも利用できる。誤ってフォーマットしてしまった場合などには完全スキャンが有効だ。
スキャンで得られたデータは、スキャン情報ファイルとして保存しておくことが可能。完全スキャンは時間がかかるが、一度スキャンを行った情報を保存しておけば、その情報をあとから再利用することもできる。発見された削除ファイル/フォルダは、エクスプローラ風のツリービュー+フォルダビュー画面で一覧できる。復元したいファイル/フォルダにチェックして実行すれば、他のディスクなどに復元できるようになっている。
Ver.3では、ディスク/ドライブの「イメージ作成」機能が追加された。ディスク全体または一部の領域をイメージファイルとして保存できる。故障などで壊れかけたディスクからデータを復元する場合、スキャンや復元操作自体がディスクにダメージを与えることがあるが、イメージ化されたデータから操作を行うことで、ディスクに負担をかけることなく復元することが可能だ。
さらに、実際に復元作業を行う前に、データの内容を確認できるプレビュー機能も搭載された。プレビューは、テキストデータの場合はテキスト形式で、JPEGなどの画像ファイルの場合にはその画像イメージが、その他のデータの場合にはダンプリスト形式でといった具合に、ファイルの形式に合わせて自動的に最適な表示が行われる。
完全スキャンでは、ファイルシステムの構造をもとにしたデータ復元のほか、ファイルのヘッダ情報を使った「シグネチャ検索」機能も利用できるようになった。ファイルヘッダからデータ配置やファイルサイズを取得することで、ファイルシステムが致命的に破壊された状態でも、ファイル復元の信頼性を向上させることができる。
ハードディスクやメモリカード、USBメモリ以外のさまざまな記録メディアにも新たに対応した。例えば、CDFSを用いるCD-RやUDFを用いるDVD-Rなど、FATやNTFS以外でフォーマットされたメディアからもデータを復元することが可能だ。
復元されたデータは、他のハードディスクやリムーバブルディスクなどのほか、FTPサーバにアップロードして保存することもできる。データを圧縮して保存することが可能で、データ保存領域が少ない場合でも利用できる。