無料で使用できる高機能PDF作成・編集ソフト。少量の文書をPDF化するのに最適。「瞬簡PDF ZERO」は、電子文書の標準的な形式として広く使われているPDF形式の文書を作成・編集するためのソフト。アプリケーションで作成した文書をPDF化できるほか、文書の結合や分割、セキュリティ設定なども可能。ユーザ登録してシリアル番号を取得するだけで、有料版の「瞬簡PDF」と同等の機能を利用できる。Ver.2になって、従来に比べて変換が高速化され、編集ツールの充実も図られた。Windows Vistaにも対応した。
PDFファイルを作成するには、「クセロPDF2」というプリンタドライバを使ってアプリケーションから「印刷」する方法と、「瞬簡PDF ZERO」のウィンドウで文書ファイルを選択して実行する方法とがある。アプリケーションから「印刷」する場合は、ワープロなどで文書を作成し、印刷時にプリンタとして「クセロPDF2」を選んで出力すればよい。紙に印刷される代わりに、PDF形式の文書が出力される。
通常のプリンタドライバでの印刷設定と同様、用紙サイズやページの向きを設定できるほか、解像度や保存先フォルダ、ジョブオプション、セキュリティレベル、文書情報といったPDFならではの設定も行える。ジョブオプションは「ファイルサイズ優先」か「画質優先」かを指定するもので、画像の縮小アルゴリズムや解像度、埋め込むフォントなどを設定できる。セキュリティレベルには「高」「低」「なし」の3段階があり、文書を開く際や印刷の際にパスワードロックをかけたり、編集を制限したりできる。
プリンタドライバ形式での出力がひとつの文書のPDF化に適しているのに対し、「瞬簡PDF ZERO」本体画面では、複数の文書を対象とした一括処理や既存のPDFファイルの加工を行うことができる。画面上には「作成」「分割」「ページ抽出」「文書情報設定」「テキスト抽出」「セキュリティ設定」「セキュリティ解除」の各タブが用意され、用途に応じてタブを切り替えて利用する。
「作成」では、PDF化したいファイルをリストに登録して一括処理を行える。複数の文書を結合して、ひとつのPDFファイルにすることも可能。「分割」では、ひとつのPDFファイルを複数のファイルに分割できる。分割方法は1ページずつ、または指定したページ番号で設定でき、出力ファイル名には連番を振ることができる。
「ページ抽出」では、既存のPDFファイルから指定したページを抜き出してPDF化できる。
「文書情報設定」では、文書のタイトルや作者、キーワードなどの文書情報を設定できる。すべてのファイルに同じ文書情報を設定するか、個別に指定するかは選択できるようになっている。
「テキスト抽出」は、PDFファイル内の文字情報をテキストファイル化して保存する機能。出力時の文字コードはUnicodeまたはShift JISから選べる。
「セキュリティ設定」では、リストに登録したPDFファイルのセキュリティ設定を行える。「セキュリティ解除」では逆に、PDFファイルのセキュリティ設定を解除できる。いずれも複数のファイルを個別または一括で設定・解除することが可能だ。