簡単・安全にハードディスクの交換を行えるマイグレート(移行)ソフト。高速なコピー処理が特徴。「Acronis Migrate Easy」は、ハードディスクのクローン作成や追加をすばやく簡単に行えるソフト。インタフェースは、「Acronis」シリーズに共通したわかりやすいもので、はじめてでも直感的に操作できる。ハードディスクはATA/IDE、SCSIのほか、シリアルATAにも対応。USB/IEEE 1394ドライブも扱える。対応するファイルシステムはFAT16/32、NTFS、Linux Ext2/3、ReiserFS、Linux SWAPで、パソコンベースのすべてのOSをコピーできる。ブータブルCD/DVDを作成することもでき、作成したメディアから起動させることも可能。「Acronis Migrate Easy 7.0」は2005年に発売されたものだが、今回新たにWindows Vistaに対応した。
中心となる機能は「ディスクのクローン作成」「新しいディスクの追加」の二つ。
- ディスクのクローン作成:2台のハードディスク間で、パーティション構成やブートセクタまで含めた「完全なコピー」を作成
- 新しいディスクの追加:新規追加したハードディスクに、パーティション分けやパーティションのフォーマットなどを行う
いずれも、初心者でもわかりやすいウィザードが用意され、戸惑うことなく作業を進められる。「ディスクのクローン作成」を行うには、パソコンに最低でも2台のハードディスクが取り付けられている必要がある。「オリジナルハードディスク(コピー元)」と「ターゲットハードディスク(コピー先)」を指定すると、コピー元として指定されたディスクの内容が、パーティションも含めてコピー先に複製される仕組み。コピー元とコピー先は、必ずしも同じ容量でなくてもかまわない。データを複製する段階で、パーティションサイズの拡大・縮小を行うことができる。パソコンの起動に必要なブートセクタなども複製されるため、より大容量のディスクに複製し、新しいディスクからパソコンを起動することも可能だ。
クローンの作成では、ユーザが細かな指示をしなくても、現在のハードディスクの内容すべてを自動的に複製する「自動モード」と、コピーするパーティションやパーティションごとの容量などを細かく指定できる「手動モード」の2種類のモードを利用できる。コピー先にすでにパーティションが存在する場合でも、十分な容量が残っていれば、コピー先のパーティション/ファイルを残したままで、追加コピーすることも可能だ。
手動モードでのパーティションサイズの指定は、グラフィカルに表示された「パーティションレイアウト」をマウスでドラッグするだけで行える。使用済みの容量も表示され、必要とされる容量とパーティションの容量の関係がひと目でわかる。
「新しいディスクの追加」では、新たに取り付けたハードディスクのパーティション分けやフォーマットを行うことが可能。ディスクの追加でも、パーティションサイズの指定をグラフィカルに行える。Ext2/3やReiserFSなどのファイルシステムにも対応し、Windows上から他のOSのパーティションも作成できる。
「Acronis Migrate Easy」自身を含むブータブルCD/DVDを作成する機能もある。作成したメディアから起動すれば、Windowsが起動できなくなった場合でも、パーティション操作を行える。Windowsのインストール前にパーティション構成をしておきたい場合にも便利だ。