「携帯にメモめーる！」は、パソコンで得られた情報を携帯電話へ送ることに特化した送信専用のメールユーティリティ。情報をテキストとして送るだけでなく、デスクトップ上の任意の範囲を添付画像として携帯電話に送信することが可能。Outlook/Outlook ExpressやWindowsメールのアドレス帳、メールボックスを共有する。

使い方は簡単。一般的なメールソフトの「メール作成画面」を想像すればわかりやすい。メールを送りたい宛先（携帯電話のメールアドレス）を指定し、件名（タイトル）と本文、さらに必要であれば添付画像を指定して「送信」ボタンをクリックするだけでよい。これで指定した宛先にメールが送信される。

宛先にはメインとなるメールアドレスのほか、CC/BCCを指定することも可能。メールの送信エンジンにはWindows標準のメールAPI（MAPI）が使用され、Outlook/Outlook ExpressやWindowsメールといったWindows標準メーラのアドレス帳をそのまま使うことができる。送信先には携帯電話のメールアドレスだけでなく、一般の（パソコン用）メールアドレスを指定することも、もちろん可能だ。

メール本文の編集画面では、全角での横文字数を指定することが可能。受信側と同じイメージの画面で本文を作成できる（設定した横文字数は直近8件分のアドレスまで保存される）。また、携帯メールは文字数が制限されていることも多いが、編集中の文字数は常時表示され、すぐに確認できるようになっている。さらに、必要に応じてOutlook/Outlook ExpressなどのWindows標準のメールソフトを起動したり、あらかじめ登録しておいた外部ツールを起動したりすることも可能だ。

画像の添付は、対象のファイルがすでにパソコン内に保存されている場合は、「携帯にメモめーる！」画面へのアイコンのドラッグ＆ドロップで指定できる。現在、デスクトップ上に表示されている内容を送信したい場合は、マウスで範囲指定をすればよい。JPEGファイルとしてメールに添付される。テレビ表示などのオーバーレイが使用されている部分を除けば、画面に見えているそのままの状態で画像ファイル化することが可能だ。指定された添付画像は「携帯にメモめーる！」画面内に表示され、確認でききる。

添付される画像ファイルは、あらかじめ指定したサイズに縮小されて送信される。添付画像のサイズ制限がある携帯電話向けでも問題が発生しないよう配慮されている。

こうなってくると「必要な情報はみな携帯電話に蓄積して、そちらで見てみたい」と思うようになるのも道理だろう。しかし、いざそれをやろうと思うと、残念ながらまだ不十分な点もある。たしかに動画や音楽、静止画などは、メモリカードやUSB経由で転送することができる。ところが、このようにして転送されたデータは、携帯電話の「データボックス」などのツールを使わないと見ることができない。たしかに「見ることができない」わけではないが、ちょっと面倒というのが正直なところだ。

では、携帯電話で最も「参照しやすい情報」は何か。筆者が考えるに、電子メールのデータではないだろうか。メールの参照は、どの携帯電話でもワンキーで呼び出せるようになっているし、基本的にはサーバから送られてくる「プッシュ型」のデータであるため、わざわざ自分からサーバを見に行く必要もない。画像が添付されていてもワンタッチですぐに表示できる。つまり「メールとして」情報を蓄積しておくのが、最も参照が楽なのだ。

「携帯にメモめーる！」は、まさにそうした「携帯電話のメリット」を活かすことのできるソフトだ。もちろん携帯へのメールは、普通のメールソフトでも送信できるが、携帯で見やすい本文や画像を作成できるという点では、パソコン向けのメールソフトよりも遥かに優れている。毎日持ち歩く携帯電話をより便利にする、シンプルではあるが、効果の高いソフトだ。