システムを含むドライブ全体、Windowsやアプリケーションの設定、個別のファイルと、さまざまなスタイルのバックアップに対応した高機能バックアップソフト。「Acronis True Image 11 Home」は、機能の豊富さや操作性の高さ、高速な処理などで高い評価を得る“定番”バックアップソフト「Acronis True Image」シリーズの新バージョン。今回のバージョンアップでは「試用モード」「システムクリーンアップ(データの完全抹消)」、システムの安全度を示すシグナルバー、アーカイブの暗号化、イメージ内ファイルの検索などの機能が追加・強化されたほか、インタフェースが刷新され、従来バージョン以上に直感的に操作できるようになった。
メイン画面にはシグナルバーが追加され、システムの安全度が表示されるようになった。「バックアップが作成されていない」など、安全度に問題がある場合は黄色の帯が、安全性が確保されている場合は緑の帯が表示される。バックアップなどの操作は機能のカテゴリを指定することからはじまるが、ウィザード形式で設定・操作できるようになっていて、わかりやすい。
バックアップ対象にできるのは、システムを含むドライブやパーティション、Windowsやアプリケーションの設定、個別ファイル、電子メールのデータやアドレス帳など。さまざまなスタイルに対応する。アプリケーションの設定では、バックアップするアプリケーションを指定することが可能。個別ファイルでは「イメージ」「ドキュメント」「ビデオ」など、ファイルのカテゴリ別に指定することができる。
利用できるバックアップ方法は、
- 完全バックアップ:対象のすべてのデータを処理
- 増分バックアップ:前回の(完全/増分)バックアップ以降の変更分だけを処理
- 差分バックアップ:最初の完全アーカイブに対する変更分だけを処理
の3種類。ユーザが任意時点で手動実行できるのはもちろん、スケジューリングによる自動実行も可能。「日」「週」「月」単位や「1回だけの実行」、ログイン/ログオフやWindowsの起動といった「イベント発生時」、「一定時間が経過したとき」に実行させることができる。バックグラウンドで動作するため、Windowsでの作業を続けながらバックアップすることも可能。「コンピュータがアイドル状態のときに開始する」オプションもある。データの復元は、Windows環境からはもちろん、Windowsが起動しなくなってしまった場合でも、ブータブルメディアから「Acronis True Image 11 Home」を起動して行うことができる。
新たに追加された「試用モード」は、ハードディスクの一時的な複製を作成できる機能。アプリケーションのインストール、インターネットからのファイルのダウンロード、添付ファイルの開封といった危険をともなう処理をまず一時的な複製で試し、安全を確認してからシステムに適用する、といったことができるようになった。
「システムクリーンアップ」も新バージョンで追加された機能。ハードディスク全体、パーティション、個々のファイルに保存されたデータを完全に抹消できるもので、「高速」「グートマン方式」「米国国防総省準拠 DoD 5220.22-M方式」など、8種類の抹消方式を利用することが可能だ。
そのほか、イメージのベリファイやマウント、イメージ内ファイルの検索、ディスクのクローンや新しいドライブの追加などの機能も備えている。