新機能の追加で、さらに効率的な写真画像編集が可能になった“定番”フォトレタッチソフトの新バージョン。「Corel Paint Shop Pro X2」は、長い歴史を誇るフォトレタッチソフト「Paint Shop Pro」シリーズの新バージョン。複数枚の画像を効率的に編集できる「エクスプレスラボ」、同じく複数枚の画像を違和感なく合成できる「HDR写真結合」、指定画像に簡単に追加できる「透かし」などの機能が追加され、高度なレタッチ作業を簡単かつ効率的に行うことができる。インタフェースは、作業のしやすさを配慮した配色に変更された。
起動して、まず目に留まるのがグラファイト色に刷新されたインタフェース。「グラファイトワークスペース」テーマと名づけられ、表示される写真の色を邪魔しないよう配慮された配色になっている。もちろん従来のインタフェースへの変更も簡単に行える。
操作面では、旧バージョンでも好評だった操作ガイダンス「ラーニングセンター」が引き続き搭載されている。「写真を取り込む」「調整する」「レタッチ/復元する」といった、ユーザが行いたいと思われる作業が一覧表示され、選択するだけで「どのような操作をすべきか」を教えてくれる。
編集機能では、複数枚の写真を効率的にレタッチできる「エクスプレスラボ」が新たに追加された。(画面下部に一覧表示された)サムネイルで対象を選択して編集を行えるもので、いちいち写真を開くことなく作業を進められる。トリミング、傾き補正、スマート修正(明るさ、カラーバランス)、赤目補正、回転などを行えるほか、削除やレーティングといった写真選別作業を行うこともできる。編集対象はワンタッチで切り替えることができ、大量の写真も短時間で処理することが可能だ。
肌色の補正やシミの除去などといった人物写真専用の補正機能「メークオーバー」には、「スリム」「目ぐすり」の2モードが追加された。「スリム」は、被写体の人物が痩せて見えるよう調整するもの。背景への影響を抑え、人物だけをスリム化する。「目ぐすり」では、白目部分から赤みを取り去り、充血した目もすっきりと見せてくれる。
露出ブラケットで撮影された複数枚の写真を組み合わせて、ダイナミックレンジの広い画像を作れる「HDR写真結合」も「X2」で新たに追加された機能。複数枚の写真に含まれるハイライトシャドウを分析し、違和感の少ない画像を作り出せる。
画像にクレジットなどを追加できる「透かし」機能も加わった。従来バージョンでも、レイヤ機能を駆使することで不可能ではなかったが、「X2」では透かしの設定を保存することが可能になり、複数の画像に簡単に適用できるようになった。
レイヤ機能では、ダイアログボックスから多彩な効果を簡単に適用できる「レイヤースタイル」が搭載された。レイヤ画像自体に変更を加えることなく、効果を適用することが可能で、さまざまな効果を切り替えながら選択・適用できる。
色付きフィルタを使って撮影したかのような効果が得られる「フィルムとフィルタ」と、モノクロフィルムを使って撮影したかのような効果が得られる「白黒フィルム変換」も強化された。画像全体の色調や画質を変更し、オールドフィルム風の画像を作り出す「タイムマシン」なども従来バージョン同様、利用できる。
もちろん各種デジタルカメラのRawファイルの「現像」なども可能。広範囲に及ぶさまざまな写真加工を「Corel Paint Shop Pro X2」1本でカバーする。