最初と最後の静止画2枚からモーフィング動画を作成できるソフト。ソフト側で静止画間のフレームを自動的に補間してくれる。「FrameFree Studio」は、2枚の写真画像や静止画を指定するだけで動画を作成できる動画編集ソフト。少ないデータをもとに、短時間で動きのある映像を作成できる。インタフェースは、(ビデオ編集ソフトによく見られる)タイムライン方式を採用。単なるモーフィングソフトとは一線を画す。タイムラインによる直感的な編集が可能で、エフェクトの長さや画像の順序などもドラッグ&ドロップで自由に指定できる。
動画の作成でユーザが最初に行うのは、タイムライン上で始点と終点の静止画を指定すること。例えば始点にA画像、終点にB画像を指定すると、「FrameFree Studio」がA画像とB画像の双方を解析して、両者がスムーズに接続されるような“中間画像”をフレーム数分だけ自動生成する。これにより、あたかもA画像からB画像へシームレスに変化しているような動画を作成できる。
中間画像の生成には、「マップ」と呼ばれる5種類のアルゴリズムからひとつを選択できる。
- ノーマルマップ
- バーストマップ
- オーバーラップマップ
- 固定マップ
- ヌルマップ
「ノーマルマップ」は、2枚の画像で似ている点を自動抽出し、その点が不自然にならないように移動や変形を繰り返し行うもの(いわゆる「モーフィング」と呼ばれる変形)。例えば、動物の顔を人間の顔に変化させるような場合に有効だ。画像分析の「細かさ」を指定することで、変形の精度も調整できる。ノーマルマップの作成では、「ヒントエディタ」機能により、始点と終点の画像を比較しながら、各画像における変化前/変化後の対応ポイントを手動指定することも可能。例えば、色や形が大きく異なる人物画像を変形させる場合でも、両者の「目」や「口」の位置関係だけは保つ、といったことができる。
「バーストマップ」では、画面の1点を中心として変形が広がっていくような効果を与えられる。遠くのものが近づいてきたり、逆に遠ざかっていったりするような「拡大・縮小」を作成するのに便利な効果だ。「オーバーラップ」は、2枚の画像を変化させることなく、徐々に切り替えてゆく(動画編集ソフトの「クロスフェード」効果とほぼ同様)。「固定マップ」は、始点画像をそのまま静止画として表示し続け、いきなり終点画像に切り替えるもの。「ヌルマップ」では、画像を表示せず黒い画面となる。
これらの効果をうまく組み合わせ、いくつかの画像を指定するだけで、複雑な動きをする映像を簡単に作成できるようになっている。
複数のレイヤ(トラック)を重ね合わせてひとつの動画にするマルチトラック編集も可能。レイヤのオーバーラップでは、透明色を使った背景と前景の合成などが行える(体験版で利用できる映像トラック数は二つまで)。2トラックまでの音声トラックを追加することも可能で、動画にナレーションやBGMを追加できる。
動画出力は、独自形式(FM3/FM3W)で行えるほか、AVI/WMVファイルにエクスポートすることも可能。「FrameFree Motion」に既存の動画をインポートして、再編集することもできる。