「携帯マスター」は、携帯電話のメモリに記録されたアドレス帳、着信メロディ、ブックマーク、メール、待ち受け画像など、さまざまな情報をパソコンに取り込み、編集できるユーティリティ。新バージョン「NX2」では、Outlookのアドレス帳やスケジュールとの同期が可能になったほか、データ抹消機能やセッティングをサポートしてくれる音声付きガイド機能が追加された。

従来、携帯電話のメモリ編集ソフトで障害となっていたのが、メーカーや機種ごとに異なる「ドライバのインストール」や、携帯電話機とパソコンとを交互に操作する「手順の煩雑さ」だった。「携帯マスターNX2」では、USBドライバのインストール、携帯電話とパソコンとの接続、データの読み込み、携帯電話へのパスワード入力といった操作に対し、画面表示に合わせた音声ガイダンス機能を搭載。初心者でも扱える手軽さを実現した。

「携帯マスターNX2」で管理できるデータの種類は多彩だ。基本となる「電話帳データ」のほか、

• 電子メール
• カメラで撮影した画像
• ムービー
• （着信音などの）メロディ
• テキストメモ
• スケジュール/タスク
• ブックマーク
• 辞書情報

携帯電話の機種変更をする際に便利な「買い替え前シミュレーション」機能も備える。現在使用している電話の機種と買い替え予定機種との情報を比較し、どのデータが移行でき、どれが移行できないかを事前にシミュレーションできる。

移行データを柔軟に指定できるのも特徴。現在の電話のデータをフルバックアップした上で、移行したいデータだけを新しい機種に移すことができる。移行操作はドラッグ＆ドロップで簡単に行える。

移行元の機種に入っているメモリダイアル、メモ、ブックマークなどの情報を完全に抹消する機能もある。旧機種を廃棄する場合や他人に譲る場合でも、個人情報の流出を防止できる。

メールアドレス変更通知機能では、携帯電話キャリアを変更した場合など、メールアドレスが変わる場合に、旧アドレス帳に登録されたユーザに対して自動的にメール番号変更通知を送信することが可能だ。

昭文社の地図ソフト「Super Mapple Digital」（Ver.6/7）と連携することも可能。地図画像を切り出して、携帯電話の画面上に表示できるようにする。アドレス帳やカメラ画像に付加されたGPSデータを元に、その場所の地図を表示することも可能だ。

しかしその割に、これまでの携帯電話メモリ編集ソフトは、使いやすさの面で疑問符が付くことがあった。特に難解なのが、携帯電話とパソコンを接続するためのドライバの問題だ。携帯電話とパソコンを接続する際のドライバは、ケーブルの種類や携帯電話のメーカー、機種によって異なる。しかも複数のドライバが同時にインストールされるため、わかりづらいことこの上ない。パソコンの扱いに慣れた人でも悩むことがあるほどだ。

正直言って、これはソフトの側の問題ではない。機種ごとに別々のドライバを要求する電話メーカーの側の問題といってよいだろう。しかし、だからといって使いづらいまま放置されても困る。「携帯マスターNX2」では、こうした難しさを音声付きガイド機能で解消した。単純な機能のように思えるかもしれないが、「次に何をすればよいのか」耳で聞いてわかるだけでも大きな違いだ。誰でも使うソフトだけに、こういう使いやすさ、わかりやすさは大切だ。