「RedRelease」は、人と動物が混ざったような外見の「獣人」たちが住む世界を舞台にしたファンタジーRPG。この世界には「グリーンリレイス」という、春に発生する不思議な自然現象が存在し、空から緑色をした光の波動が降りてくる。光の波動には、動物や植物の「気持ち」を伝える力があるという。

主人公は、青い肌をした竜族の青年「コゥル」。竜族は獣人の中でも特に強い力を持つ種族だが、かなりの希少種。現在確認されている竜族は、コゥルとコゥルの友人「アレックス」だけだ。コゥルは、アレックスとともに水路を行く船をモンスターから守る「水上ガード」として生計を立てていた。

ある日、グリーンリレイスの研究をしている山羊族の護衛をしていたコゥルは、グリーンリレイスを目撃するとともに、意識を失った虎族の少年「ピューマ」を発見する。ピューマを連れて街に帰ったコゥルは、そこでも再びグリーンリレイスを目撃。その直後、なぜか街の住民の半数が暴れだし、街を破壊してしまう……。コゥルは、謎の少年「ピューマ」やグリーンリレイスを研究する博士「ヒーグ」らとともに、街で起こった事件に立ち向かうことを決意する。

敵とのエンカウントは、フィールドを歩いているとランダムに発生。戦闘システムは、リアルタイム要素を含むターン制となっている。敵も味方も1ターンに1回ずつ行動でき、行動指示は「すばやさ」の値が高い順に行われる。行動を決めてから若干のタイムラグが発生（ラグの時間もすばやさに依存）するため、決定後即行動とはいかない。

攻撃方法は、一般的な「攻撃」のほか、必殺技が繰り出せる「スキル」、魔力の宿ったカードを使って魔法を放つ「カード」の3種類がある。スキルは「LP」と呼ばれるポイントが必要。LPは戦闘画面の顔グラフィック下で点滅するオレンジ色のゲージのことで、キャラが行動するたびに少しずつ補充される。また、カードの利用には「MP」が必要で、強いカードほど大量のMPを消費する。MPは、宿屋に泊まったり、アイテムを使ったりすることで補充できる。

そのほか、「アイテム」「交替」「逃走」といったコマンドがある。自動的に戦闘を行ってくれる「オート戦闘」機能も用意されている。

各キャラが使用できるスキルは非常に強力だが、LPの消費量が多い上、LPは一度使うとなかなか補充されないのが難点だ。そのため、戦闘ではスキルよりも使いやすい「カード」が重要になる。カードはさまざまな場面で入手することが可能で、メニュー画面の「カードホルダー」で装備してはじめて、戦闘中に使用できる。1キャラが装備できるカードは最大で8枚まで。一部のキャラしか装備できないカードもある。

カードには「火」や「水」といった属性攻撃のものと、状態異常回復や体力回復といった補助系のものがある。さらに、通常攻撃では敵1体しか攻撃できないが、カードでは「一列の敵を攻撃」「敵全体を攻撃」といった複数攻撃が可能なものもある。ほとんどの敵は特定の属性を弱点にしているので、各キャラにバランスよくカードを配っておきたい。

キャラやシナリオのほかに、グラフィックの美しさも特筆もの。DirectXがふんだんに利用され、戦闘やイベントでは迫力のあるエフェクトを堪能できる。

そのほかにも、一度戦った種類の敵をポイントすると特徴が表示されていたり、怪しい場所に近づくと「！」マークが現れたりなど、随所に親切なシステムが用意されている点も好感が持てた。

開発中に苦労した点
インターネット上で同志を募っての制作だったためか、なかなか足並みが揃わず、連絡漏れや仕様間違い、スケジュールの大崩壊（笑）など、とにかくトラブルが多発。オンライン上でのチーム運営が最大の難関だったと思います。（Lucky）

チャットなどで片っ端から知り合いに声をかけて多くの犠牲者を生みました。「とりあえず誘われたけど、何すればいいのよ？」な状態だった人が多数。スタッフロールには載っていない多くの方々にご迷惑をおかけしました。

グラフィックはゲームグラフィック未経験者が多く、手探りでの作業でした。戦闘で使うアニメーション用のグラフィックは大変だったと思います。BGMはグラフィックができる前に「ストーリーに合わせて明るい感じ」とか「寂しい曲」などイメージがしにくい状態で作ってもらった部分が多くありました。また、制作環境がそれぞれ違っていたので、音質や音圧の調整にも苦労しました。作業としては、プログラムを一から組んだのでプログラマのLucky氏が一番苦労していたと思います。関係者の皆様お疲れ様でした。（煩竜）

ユーザにお勧めする遊び方
ストーリー分岐はありませんが、マップのところどころにいろいろ仕込んであります。戦闘は特に力の入っている部分なので楽しんでいただけたら幸いです。（煩竜）

今後のバージョンアップ予定
ゲーム進行に大きく関わる問題が起きなければ、バージョンアップ、修正などは行わない予定です。

ひと言（制作裏話）
昔からこのゲームの制作を知っている人は「やっと出たのか」と思っていることだと思います。自分の手元に残っている関係データで一番古いものが2002年10月。そして自分が書いたと思われる、このゲームの原型となったと思われるストーリー――題名「へたれ吸血鬼とやけっぱち竜（謎」――意味がわかりません。「森の熊さん」やら「キノコ狩り」やら奇妙奇天烈なストーリーが……。

どういう経緯だったか忘れましたが、多分「こんな危険なストーリーじゃ作れないよ（笑）」みたいな話になり、石塚サム氏に声をかけて、現在のストーリーになったわけです。そして、いつの間にかキャラデザインまで押しつけてしまっています。いま思えばこの段階ですでにかなり無茶苦茶。そうこうしているうちに2007年。4年半も経ってしまいました……。（煩竜）