【恒例】年末・年始特別企画 ベクターソフトニュース - 2006.12.26
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坂下 凡平  Sakashita Bonpei

絵箱
快適な操作性でスピーディに使える画像閲覧・変換・編集ソフト



絵箱
■サムネイルのサイズはスライドバー(左上)で変更できる

今年のMac OS X関連ソフトでは、デジカメ写真などの閲覧・整理・編集を中心とするいわゆる「画像ビューア」系のソフトがいくつか印象に残った。そのなかでも一押しソフトとして、フリーソフトの「絵箱」を紹介したい。操作のしやすさと画像表示のフレキシブル性、さらに機能性を兼ね備えたソフトだ。

これまでにいろいろな画像ビューアを使ってみた体験から、筆者の好みはわりとはっきりしている。

  • サムネイル(プレビュー)の一覧画面から、なるべく多くの操作が行える
  • 画像フォルダへのアクセスがスムーズに行える
  • Finder上のフォルダを単位として画像を管理する
これらの条件を満たすソフトは、「絵箱」を含めていくつかある(実は、いまだに決定打となるソフトは現れておらず、必要に応じて使い分けているのが現状だ)。こうしたポイントを中心に「絵箱」の魅力を検証してみよう。

「絵箱」では、Finder上のフォルダをそのまま利用して画像ファイルを管理する。起動時に開く「一覧ウィンドウ」上に、フォルダ階層と各フォルダの中身(=サムネイル画像一覧)が並列表示されるという、ウィンドウそのものがFinderのウィンドウに近い構成なので、感覚的にわかりやすい。

サムネイルの表示サイズは、24〜256ピクセルの範囲で任意に変更できる。スライダーを動かすと、ほぼ瞬時にサムネイルのサイズがリフレッシュされ、スピーディに大きさを変更できる。サムネイル表示(一覧ウィンドウ)から画像を指定することにより、以下のような操作が行える。

  • ファイル操作(名称変更、削除、フォルダ間の移動)
  • 簡易画像レタッチ
  • プレビューアイコンの作成
  • 画像形式の変更(JPEG/TIFF/PICT/PNG/BMPに対応)
  • 印刷
などを実行できる。

単独ウィンドウでプレビューを参照する「ビューア」機能を持つ。一覧ウィンドウから任意の画像をダブルクリックすると簡単に開ける。しかもタブ表示をサポートしており、複数画像のプレビューをタブで切り替えながら確認できる。ビューアウィンドウそのものも複数開くことができる。

画像フォルダへのアクセスのしやすさは抜群。フォルダの階層がメイン画面の「場所」エリア、および「移動」メニューにも表示されるため、任意のサブフォルダ内への移動が1回の操作で行える。また、ツールバーにフォルダを登録しておくことが可能なので、よく使うフォルダを一発で開くことができる。さらに、名称指定によるフォルダへの移動のとき、名称を途中まで入力すると一度開いたフォルダが候補として表示される。

Finderのウィンドウとのドラッグ&ドロップ操作をサポートしている。例えば、「デスクトップ上に置かれたフォルダを『絵箱』のウィンドウにドラッグしてすぐに開く」「『絵箱』で表示中のフォルダ内にFinderのウィンドウから直接ファイルをコピーする」といった操作が、アプリケーションとFinderを意識することなく行える。なお、Finderなどで画像の移動・変更が行われた場合に表示フォルダを自動更新するため、常に最新の内容が保たれる。

その上、市販の画像ビューアなどと比較しても見劣りしないほど、豊富な機能を備えている。拡大/縮小/切り抜き/回転のほか、モザイク/浮き彫り/ぼかし/波/シャープなど合計10種類以上の画像フィルタやプラグインを備える「画像加工」機能。BGM、背景色、切り替え時の画面エフェクト(ワイプ/マトリックス/フェードなど)を指定できる「スライドショー」。1枚の用紙に複数画像を割付することもできる「印刷」機能などが用意されている。

Finderのフォルダ単位の管理には、実は弱点もあって、複数フォルダに分かれた画像を同時に扱うことが難しい。この問題は、「ピックアップ」ウィンドウで解決できる。いくつものフォルダから画像をドロップして集めるためのウィンドウで、「ピックアップ」での画像への操作は一覧ウィンドウの場合と同様だ。

スライドショーで表示中の画像をピックアップウィンドウに送ることもできる。スライドショーで気に入った画像をあらかじめ選び出し、ファイル名変更やフォーマットの変換、画像加工といった処理をまとめて行うことができるわけだ。さらに、ウィンドウを保存しておくことも可能で、(iPhotoなどと同様の)閲覧用アルバムとして利用することもできる。

このように、個別の画像を扱う、あるいは簡単な変換や変更の場合は「なるべく少ない手順で処理」できるように工夫されている。逆に、大量の画像を扱う場合には「一括の処理」や「一連の流れによって順次処理」できるような細かい配慮が行き届いているのだ。これだけの機能と便利さを備えながらも、フリーソフトというのだから、オンラインソフトの探索はやめられない。

個人的には、ほかのソフトと比べながら使い込んでいるところだが、筆者が画像ビューアに求める理想にかなり近く、久々に常用ビューアになる可能性のあるソフトだ。特に、Finderに近い操作性をもつビューアを探している人には、一度使ってみることをぜひお勧めしたい。

絵箱 Ver.3.1.1
作  者:
Mattsun
対応OS:
Mac OS X
種 別:
フリーソフト
作者ホームページ:
http://nekobooks.com/
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フリーソフト
絵箱 4.7.4 説明無用の簡単操作&高機能の画像ビューア 画像の一覧・整理・編集までこれ一本でOK (19,106K)


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