魔を破壊する「魔壊屋」の姉妹が主役のコミカルなRPG。3種類の式神を切り替えて召喚する、独自の戦闘システムが特徴。「魔壊屋姉妹。」は、町に現れた魔物を退治するという設定のRPG。物語の主役は、天道家の姉妹「宴馬(えんま)」と「沙魔(しゃま)」。天道家は、人間と対立する魔物を退治する「魔壊」を生業としていた。ある日、姉妹が住む六道町に大量の魔物が出現する。魔壊屋を束ねる「魔壊屋協会」が即座に乗り出し、魔物を退治しようとする。ところが、あまりの敵の多さに人手が足りず、協会に所属していないフリーランスの天道姉妹にも依頼が舞い込んでくる。
「魔壊屋姉妹。」は三つのパートからなる。街や公園などのフィールドを移動する「MAPパート」、姉妹たちのコミカルなやり取りを楽しめる「ADVパート」、敵と戦う「戦闘パート」だ。シナリオは章立てで区切られており、ひとつの章につきフィールドがひとつ用意されている。
MAPパートの操作はシンプルだ。迷路状の地図が表示され、迷路内の道を自由に移動できる。迷路移動中はランダムで敵との戦闘に突入することもある。黄色で示されているイベントポイントに到達すると「ADVパート」「戦闘パート」が挿入される。フィールドのどこかにいるBOSSを倒すと次章に進む。
「ADVパート」では、姉妹の軽快でコミカルなやりとりを楽しめる。妹の沙魔は、札を使ってさまざまな攻撃を繰り出す符術士の見習い、姉の宴馬は魔物を配下にして戦う式神使い。どちらも魔壊屋ながら、性格は正反対。とにかく飽きっぽく、生活能力がゼロの姉と、それをフォローするために一日中働きづめで苦労が絶えない妹。敵や式神の性格もバラエティに富んでいる。
ダイナミックな演出は必見。イベントの会話にあわせて、主人公たちの身振りや表情、立ち位置がクルクルと変化する。登場人物が多いと、それだけで画面内が賑やかな雰囲気に包まれる。
戦闘は、半リアルタイムのアクティブタイムバトル形式。「タイムゲージ」が満タンになったキャラから順に行動できる。「タイムゲージ」は各キャラごとに用意され、「すばやさ」のステータスでたまる速度が変わる。すばやいキャラほどゲージが速くたまる仕組みになっている。戦闘行動の選択中は、ゲージの動きがストップする。
実行可能な攻撃は、姉妹で異なる。沙魔は攻防のバランスがよく、さまざまな種類の行動を取ることができる。MPを使わずに敵を剣で切りつける「不動剣」、「符」を装備して全体攻撃する「火炎の爆符」、味方全員のHPを上昇する「獣王結界」などが利用できる。
宴馬の行動は「直接系攻撃」と「召喚」に大別される。「直接系攻撃」では、続けて同じ攻撃ができない。例えば、「ぶん殴る(敵1体を攻撃)」を選択すると、次の行動では「ぶん殴る」というコマンドがなくなり、「でこピン(敵へのダメージが1)」に替わる。さらに「でこピン」を選択すると、次ターンでは「旋風脚(敵全体を攻撃)」に切り替わる。
「召喚」では、宴馬が所持する「鎌鼬(かまいたち)」「野襖(のぶすま)」「朧武者(おぼろむしゃ)」の各式神を召喚できる。式神にはそれぞれ得意とする戦略がある。鎌鼬は攻撃・回復両方に優れているもののHPが少ない、朧武者は攻撃力が高く、防御力はいまいち……、といった具合だ。
一度に召喚できる式神は1体だけ。召喚できる順番も「鎌鼬」→「野襖」→「朧武者」→「鎌鼬」……、と決まっている。野襖が召喚されている状態で鎌鼬を呼び出すには、まず朧武者を呼び出し、次に鎌鼬を呼び出すという手順が必要になる。どのタイミングで式神を呼び出すかによって戦い方が大きく変わる。
式神はHPが0になると自動的に撤退する。ただし、再召喚するとHPやSPは完全に回復している。行動不能になる前にどんどん式神を召喚することが、効率のよい戦いにつながる。
沙魔は「不動剣」を、宴馬は「召喚」以外の技を使うためにSPが必要。ただし、いずれもSP値が低めに設定されているため、SPを使う技を頻繁に出すことができない。このため、戦闘では宴馬の「式神」をどんどん召喚し、式神のサポートを最大限に利用するのがオーソドックスな戦い方となる。
SPを回復したい場合は「野襖」を召喚するとよい。「野襖」は唯一、「戦闘中にSPを全回復する」技を持っている。ただし、SP回復技を発動するためにも野襖自身のSPが必要になるので、式神たちを召喚するタイミングには常に注意したい。