「SteadyForm」は、対話式のWebページなどで使われる入力フォームの内容や操作を記録し、入力してくれるソフト。フォームに入力された情報を画面ごとに保存し、入力する。テキストボックスだけでなく、ラジオボタンやリストボックスの選択状態なども保存し、復元できる。

メイン画面は、中央にブラウズエリアが、左右にタブ切り替え式のフォルダツリーが配置された3ペイン構成。ブラウズエリアはMDI形式で、複数ページを子画面として表示する。左側ペインでは「お気に入り」「履歴」「ウィンドウ」を切り替えることができ、選択したページにすばやくアクセスできる。「お気に入り」にはIEの「お気に入り」が自動で読み込まれる。

大きな特徴は、フォームへの入力内容を保存・読み込みできること。Webページのフォームに入力したデータを、ワンタッチで記録・保存してくれる。ページ内に複数の入力欄がある場合は、すべての入力データが一括保存される。

保存されたデータは、再度同じWebページを開いた際に、ワンタッチで復元できる。例えば、オンラインショッピングサイトで必要な項目を入力し、「フォームの保存」を実行すると、次回以降、同じページにアクセスした際に「フォームへの反映」を選択するだけで、保存されたデータが自動入力される。

「定型入力」機能もある。住所や氏名のような定型文字列は、あらかじめ登録しておけば、簡単な操作で入力できるようになっている。

もちろん、なかにはサーバ側でユーザの情報を記憶してくれて、IDとパスワードを入力するだけで、必要な情報が自動的に入力された状態になる「親切な」サイトもある。しかし人間とは勝手なもので、そうした情報がシステム側に残っていることに、逆に不安を覚えたりもする。さまざまなサイトの個人情報漏洩が話題になるこのごろだけに、あまり多くの個人情報をサーバ側に持たれるのも嫌なものだ。

「SteadyForm」は、そうした「毎回入力する情報」を手軽に入力するのに最適なソフトだ。情報を入力するのは、最初の1回だけでよい。2回目以降はまさにワンタッチですべての情報を自動的に「再入力」してくれる。さらに自動運転機能もあるため、その気になれば、ワンタッチで情報入力からサーバへの送信まで自動で進めることも可能だ。

ただ、あまり調子に乗りすぎて、ショッピングサイトなどで「購入」の最終確認まで自動で処理するようにしてしまわないように注意。ワンタッチで自動購入まで行けるのは確かに便利だが、万が一間違いがあったときには目も当てられない。逆にそうした心配をしなければならないくらい、強力なソフトなのである。

開発中に苦労した点
開発当初は、ひとつのウィンドウ（タブ）で、各種情報を表示・編集するさまざまなパネルもなかったのですが、作業能率を上げるために1画面に複数のウィンドウや各種情報を表示するようにしたことで、フォーカスの制御や状態の同期処理が難しくなりました。

ユーザにお勧めする使い方
WebサイトやWebシステム利用時の定型的な入力作業や、開発時の繰り返しの動作確認、テストデータの入力・確認です。常用するブラウザとしてさまざまなページを閲覧するというよりも、特定のページの操作や入力が必要な際に活用していただければと思います。自動操作機能を使用して、同一サイトを別アカウントで切り替えての使用や、システムへのログイン後、特定の画面入力や特定の画面遷移を実行するなどでは、便利かと考えます。

今後のバージョンアップ予定
自動操作機能を充実して、Webシステムの自動運用や自動テストに活用できるようにしていきたいと考えています。また、もともと汎用的なブラウザを目指したものではなかったため、ブラウザの基本機能が弱い部分があり、そのあたりの拡充は必要と考えています。このソフトの開発コンセプトである「入力や操作に関する操作性の向上」は、継続的にブラッシュアップしていきます。