謎の島にある牢獄の中で目覚めた青年が、牢獄から脱出するために行動するアドベンチャーゲーム。「Erinyes」は、現代の日本に似た国「倭国」が舞台のアドベンチャーゲーム。平凡な高校生「隼人」はある日、友だちと夜釣りを楽しんでいた。ところが翌日、なぜか孤島の地下監獄で目を覚まし、自分が捕らわれたことを知る。しかも、財布や武器になりそうなベルトさえも敵に奪われ、所持品はゼロ。隼人は、監獄の中を調べて脱出の方法を探ることにするのだが……。
操作方法は、メイン画面の気になる場所をクリックして調べるだけのシンプルなもの。画面内で調べられるエリアは決められており、調査可能なエリアは、カーソルの形が指型で表示される。その状態でクリックすると、カーソルのある部分を調べたり、アイテムや脱出への突破口を見つけ出したりすることができる。
アイテムを装備したいときは、画面右下の「Equipment」をクリックし、該当アイテムを選択すればよい。装備しているアイテムによって行動が変わる場合もある。例えば、該当する「鍵」を装備した状態で鍵のかかったドアを調べると、扉を開くことができる。
シナリオの途中で仲間が登場し、一緒に行動する場合もある。仲間になるのは、主人公と同じように監禁されていた女記者「南」や、拉致被害者の救出を目的に謎の島に上陸した「ブラッド」など。いずれも個性豊かなキャラばかりだ。
仲間がいる場合はパーティを組める。パーティメンバーは自由に組み合わせられるが、メンバーを合流させる場合は該当キャラ全員が近くにいる必要がある。
二人以上で行動している場合は、先頭に立ってさまざまなエリアを調べる役割の「リーダー」の入れ替えが可能なほか、仲間を複数のグループに分散させることもできる。また、リーダー以外のメンバーから意見を聞くということも可能だ。
パーティが複数ある場合は、各パーティのリーダー同士で視点を自由に切り替えられる。タイミングを合わせて行動すれば、複数パーティが同時にアクションを起こすことも可能。例えば、南が騒ぎを起こして敵を引きつける間に、隼人が別の行動を起こすこともできる。
シナリオ進行の基本は島の中を「調べる」こと。「調べる」には、状況によってさまざまなプレイモードが用意されている。例えば、迷路のような市街地を、敵を避けながら進むというスリル満点のイベント。近くに敵がいるか「探索」しながら、「体力」を維持して特定の場所まで進んでゆく。移動することで体力が減った場合はその場に留まり、「休憩」を取らなければならない。また「探索」は、誰をリーダーに選ぶかで精度も変わってくる。例えば、探索精度が一番高いブラッドは足も速く、ブラッドをリーダーにして移動を続けると、体力の少ない南が急激に疲れてしまう。
中盤以降では、特定のミッションを決まった手数以内で解決しなければならない場面も出てくる。アドベンチャーゲーム特有の「いろいろ試しながらじっくり打開策を見つける」ことができないため、緊張感を持ってプレイできる。
主人公たちの最初の目的は「拉致されている場所から逃げ出す」こと。しかし物語が進むにつれて、島の謎や敵の正体が次々と解明され、目的も変わっていく。エンディングは、ゲーム内で取った行動や言動などにより変わるマルチエンディング形式。主要なエンディングだけで20種類ある。さらに、主要エンディングに少しだけ変化が起きる派生エンディングも多数用意されている。
最初はベストエンディングに到達しなくても、複数のエンディングを見ていけば、別行動時の仲間の動きをある程度把握でき、プレイヤーの取るべき行動が見えてくる場合もある。多数のエンディングを見ることで、島の謎や敵の本当の正体など、拉致事件の真相をいろいろな方面から理解することが可能だ。