ハードディスク内のデータを“完全抹消”するためのユーティリティ。OSを含むハードディスク全体を抹消することも、(起動ドライブを除く)選択パーティションを個別に抹消することも可能。「ターミネータ2006 データ完全抹消」は、パソコンに取り付けられたハードディスクの内容を、ただ単に削除するだけでなく、データが復元できないよう強力に抹消するソフト。抹消方法は、セキュリティレベルに応じた8段階から選択することが可能。「ターミネータ4.0 データ完全抹消」の後継にあたるソフトで、「2006」では、USBフロッピーディスクからの起動が可能になったほか、USB接続のハードディスク/キーボードにも対応した。Linux/Windows/DOSの各プラットフォームで動作するプログラムが含まれ、用途によって使い分けられる。
データを抹消できるのは、アクセス可能な状態にあるハードディスクドライブまたはハードディスク上に存在するパーティション。一般的なIDEハードディスクやSerial ATAハードディスクのほか、USB接続されたハードディスクやIEEE 1394で接続されたハードディスクなども抹消対象にできる。1ドライブで137GBを超えるBigDrive方式のIDEハードディスクにも対応する。
データ抹消時には、セキュリティレベルを選択して実行することが可能。単にすべてのセクタにゼロを埋める方式や乱数を書き込む方式、乱数の書き込み後にゼロを上書きする方式から、米国国防総省方式やNATO方式、Gutmann方式などまで、8段階から選べるようになっている。レベル8のGutmann方式では、同一セクタに対して最大36回の書き込みを行う。(通常は1回の書き込みで十分だが)複数回の重ね書きを行うことで、特殊な読み取り装置を使ったデータ復元にも対策できる。
抹消スピードは高速。(ハードディスク自体の速度にも依存するが)最高で1GBあたり約40秒ほどで抹消できる。複数台のパソコンに対して同時に抹消作業を行うことも可能だ。
作業終了後には、抹消状況レポートが表示される。抹消に要した時間、不良セクタ数やセクタの内容、ハードディスクのシリアル番号といった情報を確認できる。レポートをフロッピーディスクに保存することも可能だ。
Windowsシステムがセットアップされていないパーティション/ドライブの抹消は、Windows上から作業を行える。Windowsがインストールされているパーティション/ドライブを抹消する場合は、フロッピードライブまたはCD-ROMでパソコンを起動して作業を行うことになる。フロッピードライブ/CD-ROM起動の場合ももちろん、8段階のセキュリティレベル選択など、Windows上から利用できる機能と同等のものを利用できる。
USB接続されたフロッピードライブから起動することも可能。また、PS/2キーボードだけでなく、USBキーボードも認識されるため、より広い環境で利用できる。
そのほか、データの抹消後にディスクのフォーマットを自動起動する機能もある。ドライブの内容を確認するため、セクタを指定して、内容をダンプリストとして表示させることも可能だ。