“定番”動画編集ソフトの新バージョン。ハイビジョン対応やサラウンド編集対応などが図られ、編集機能が大幅に強化された。「VideoStudio」は、多機能でありながら初心者でも簡単に使えることが特徴の動画編集ソフト。新バージョン「10」では、ハイビジョンDV(HDV)カメラからのキャプチャに標準対応。使いやすさで定評のあるインタフェースも一新され、特にワイドディスプレイパソコンでの使い勝手が上がった。手振れ補正機能の追加やDolby Digital 5.1chへの対応なども行われた。
ハイビジョン編集では、HDVカメラからの動画キャプチャに対応。i.Linkを経由して直接、キャプチャできる。(現在はHDVカメラからパソコンへのキャプチャのみの対応だが)将来的なアップデートで、「VideoStudio 10」で編集した動画をi.Link経由でHDVカメラに書き戻すこともできるようになる。
もちろんファイル入出力もハイビジョン解像度に対応。MPEG-2 HD/WMV-HDファイルは読み込み/エンコードともに可能。「SANYO Xacti DMX-HD1」などのMPEG-4 HDファイルを読み込むことも可能だ。
「スマートプロキシ」により、ハイビジョン画像の画質を低下させないネイティブ編集も行える。通常は解像度を落とした「代理動画ファイル」を用いて編集を行い、最終的なレンダリング時にフル解像度のデータを利用する。CPUパワーやディスク容量に制限のある環境でも、快適なハイビジョン編集を行える。
さらに、従来は1本しか追加できなかったオーバレイトラックが6本まで追加できるようになり、最大7トラックを利用できるようになった。使用するトラックは、7本の範囲内で自由にON/OFFできる。クリップのトリミングでは、前後の切り取りだけでなく、複数個所を同時に切り取る「ワンフレーム・マルチトリミング」機能が搭載された。
カメラ撮影された動画向けに、ソフトウェア手振れ補正機能も追加された。フレーム画像を解析し、手振れが検出されたらフレーム位置を変動させて“手振れ”を軽減する。
音声では、Dolby Digital 5.1chの編集に対応した。単にマルチトラックの音声を含められるだけでなく、音の低位までコントロールすることが可能。本格的なサラウンド編集を行える。
動画出力では、ハイビジョンMPEG-2/WMVファイルのほか、iPod/PSP向けのMPEG-4をはじめとした各種動画形式に対応する。
ユーリードシステムズ社のDVDオーサリングソフト「DVD MovieWriter 5」との連携機能もある。「DVD MovieWriter 5」では直接、「VideoStudio 10」の編集プロジェクトファイルを読み込むことが可能で、「VideoStudio 10」上のタイムラインで設定されたチャプターポイントなどをオーサリングに活かせる。ハイビジョン出力機能を活かし、次世代DVD「HD DVD」ディスクをオーサリングすることも可能だ。
そのほか、前バージョンから加わった「クイックDVDウィザード」を利用することで、i.Linkからキャプチャされた動画を自動スキャンして直接、DVDへ書き込むことも可能だ。