写真の展示(または保管)手法である「マッティング(台紙装)」「フレーミング(額装)」の効果を、画面上で確認できるシミュレーションソフト。「MatArranger」は、写真を作品として展示する際に欠かせないマッティングの作業をシミュレートできるソフト。簡易フレーミングや複数窓を使う「多コマ抜き」、画像の一部を用いる「トリミング」などの機能も備えている。
マッティングの基本は、裏側に敷く台紙(バックボード)と、窓を開けた台紙(オーバーマット)で挟み込むこと。「MatArranger」では、
- ボードの色を変える
- オーバーボードの厚みを利用して展示に「奥行き」をつける
- ボードとプリントの余白の量を調整する
など、マッティングを思いのままに変更して、効果を視覚的に確認できる。実際に写真画像を画面に読み込み、台紙の上に当てはめて検討できるほか、写真なしでマッティングの状態だけをシミュレートすることもできる。操作の流れは、実物のマッティング作業に即したもの。写真画像を用いる場合は、
- 採寸:写真のサイズを測定する
- データ入力:採寸したサイズの数値を設定欄に入力する
- 画像の配置:写真をデジカメで撮影し、画像データを「MatArranger」に読み込んで、マット上に配置する
- 各種設定:数値や設定を変えて、最適なマッティングを決める
となる。プリント写真を素材とした作業のシミュレートが前提となっているが、デジカメ写真を素材を用いる場合は、ファイルのまま画面に読み込めばよい。マッティング、フレーミングの結果は、独自のファイル形式で保存できるほか、グラフィック(PICT)データとして、クリップボードや他のアプリケーションにコピーすることもできる。
画面は、各設定の結果を確認できる表示ウィンドウのほか、「マット」「フレーム」「多コマ」など、種類別にまとめられた複数の設定ウィンドウから構成される。表示ウィンドウでは、表示倍率(%)を任意に変更できる。また、各部の寸法の非表示や、(フレームやマッティングを立体的に見るための)影の表示/非表示を設定できるほか、マッターロボ(マッティング専用機)を用いる際の、マットおよび抜き寸の設定値(縦/横)も確認できる。
さらに高度な機能として、照明による展示効果をシミュレートすることも可能。照明の距離と幅(サイズ)、照明のY軸(垂直方向)の角度、シャドー値(陰影の深さ)を任意に指定できる。ガラスへの映り込み、壁面の材質と明るさ/コントラストなどの調整を行うことも可能だ。