「CROWCHE Beginning」は、パタパタと連続してパネルをひっくり返すのが気持ちいい、“ひらめき重視”のパズルゲーム。ルールは簡単。正方形のマス目に区切られたフィールド上のパネルをクリックしてゆき、すべてのパネルをひっくり返せばステージクリア。フィールドは最小3×3からはじまり、ゲームの進展につれて大きくなってゆく。

一度の操作でひっくり返るのは、クリックされたパネルと、その上下左右の5枚。クリックされたパネルを中心にした十字型のパネルが、そのパネルが「表」の場合は「裏」に、「裏」の場合は「表」にそれぞれひっくり返る。フィールド上のパネルをすべて裏にしようとするなら、5枚のパネルが表向きで十字に組み合わさった状態を作り出せばよい（フィールドの角や端を利用して、より効率よくゲームを進めることもできる）。

用意されたゲームモードは、「STORY MODE」「TRIAL MODE」「ENDRESS MODE」「COMBO MASTER MODE」「ENDRESS MASTER MODE」の5種類。「STORY MODE」は、「CROWCHE Beginning」のメインといえるモード。少年を主人公にしたストーリーに沿ってパズルを解いてゆく。ストーリーは「古代遺跡の仕掛けを命懸けで解明する」というもので、パズルを解くのに手間取ると、時間の経過とともに主人公が水没し、最後は溺れ死んでしまう。「STORY MODE」ではステップ数の制限はなく、失敗しても制限時間内であれば、何度でもやり直せる。

「TRIAL MODE」は、指定ステップ数内でのステージクリアを目指す、詰め将棋のようなモード。時間制限はない。20ステージクリアするごとに問題がレベルアップし、ステップ数が10ずつ増える。さらに、20ステージクリアするごとに、「JUNIOR HUNTER」「YOUNG HUNTER」「SENIOR HUNTER」……と、プレイヤーのハンターランクがアップする。

「ENDRESS MODE」は、エンドレスで出題されるステージを、制限時間内に指定ステップ数内でクリアするモード。制限時間60秒の「EASY」、40秒の「NORMAL」、20秒の「HARD」の3種類の難易度を選べる。制限時間内であれば、何回失敗してもやり直すことが可能。「EASY」以外にはライフボーナスがある。ライフを入手していれば、制限時間オーバー時にライフを消費して、制限時間を満タンに回復させられる。

「COMBO MASTER MODE」は、手順を誤ることなく、どれだけ操作を続ける（コンボ）ことができるか競うモード。制限時間がなく、じっくりと考えられるが、間違ったパネルをクリックすると、その時点でゲームオーバーとなる。

「ENDRESS MASTER MODE」は、難易度「HARD」で、しかも最高難易度のステップ数50からはじまる「ENDRESS MODE」。開始時点でライフが5個与えられているが、非常に難しい。よほどの自信がない限りチャレンジするのは無謀だ。

パズルの難易度は手ごろだ。初歩のレベルだと、適当にパネルをクリックしているだけで、ある程度は解ける。解法のパターンがわかってくると、ひっくり返しはじめるパネルの位置さえわかれば、あとはスイスイと解いてゆける。ところが、レベルが上がるにつれてどんどんと難しくなり、脂汗をたらすはめになる。このあたりの難易度のバランスがよく、筆者は気持ちよくプレイすることができた。

少年を主人公としたストーリーのアイデアも楽しい。グラフィックは非常に美しく、主人公の表情やセリフ、時間とともに増える水の演出などもよくできている。ゲームモードが5種類もあり、プレイヤーの好みやレベルに合わせて、さまざまな楽しみ方ができるのはうれしい。筆者がこれまでにプレイした中でも、トップレベルの完成度を誇るパズルゲームだ。

敢えて残念な点を挙げるなら、「STORY MODE」でせっかく部屋が七つに分かれているのに、どの部屋でもまったく演出が同じ点か。部屋ごとに、部屋に入る前や部屋に入ってからの演出が変化した方が、よりおもしろいのではないだろうか。また、できればBGMを消すためのスイッチはほしかった。

「CROWCHE」は単純なパズルゲームではありますが、その分、見た目や雰囲気に力を注ぎました。スタッフの大半がデザイナーという環境を最大限に活かした作品ができたと考えています。

開発中に苦労した点
現在、サンアートにはプログラマといえる職種のスタッフが存在しません。その限られた技術の中で、可能な限り自分たちが作りたいものを実現させていこうと試行錯誤した部分が一番大変でした。

ユーザにお勧めする使い方
仕事のちょっとした空き時間や息抜き、頭の体操という感じで毎日繰り返し遊んでいただけるようなパズルゲームです。難しいステージにも必ず答えが存在しますので根気よくプレイしていただきたいです。

エンドレスモード（エンドレスマスターモード含む）とコンボマスターモードは、「CROWCHE Beginning」の公式ホームページにあるランキングページに対応しています。プレイしていただけるみなさまの実力の指針にもなるかと思いますので、ぜひ見に来てください。

今後の予定
「CROWCHE Beginning」は、ひとつのストーリーのはじまりの部分にすぎません。まさに「Beginning」なのですが、2006年の夏ごろにシリーズの第2弾を公開する予定ですので、ぜひプレイしてください。よろしくお願いいたします。