わずかな操作ミスがたちまち墜落につながってしまうラジコン模型飛行機操作のシミュレータ。14種目の演技を通じてラジコン飛行機の奥深さを体験できる。「ラジコン模型飛行機III」は、ラジコン模型飛行機の操縦を忠実に再現した操縦訓練シミュレータ。利用できるのは5機種。超軽量仕上げで低速飛行可能の練習機も用意されている(Vectorからダウンロードできるのは、滑走路の幅とリボンの間隔や長さを延長し、画面全体の視野を広くして“ゆったり感”を増した、比較的難易度の低いバージョン)。
操作は基本的にキーボードで行う(一部の操作はマウスにも対応)。【←】/【→】で左右エルロン(旋回)、【↓】でエレベータアップ(機首上げ)、【↑】でエレベータダウン(機首下げ)、【A】キーでスロットル開(エンジン出力増加)、【Z】キーでスロットル閉(エンジン出力減少)となっている。スケール機限定で、【X】キーによる車輪の格納と取り出しもできる。そのほか、【←】/【→】キーの同時押下による現在エルロン角の維持など、スティックタイプのプロポによるエルロン機の操作感覚を再現する工夫もなされている。
シミュレーションの内容は、ラジコン飛行機を滑走路から離陸させ、与えられた課題をクリアして、再び滑走路に着陸させるまで。用意された課題は「リボンくぐり」「背面リボンくぐり」「リボンカット」「エレベータロール」「エルロンロール」「追尾」など、全部で14種目。もちろん、後ろの課題になるほど難易度がアップする。各課題では、くぐるリボンの高さを「高」「低」の2種類から選択できる(低い方が難しい)。さらに、「旋回」や「ロール」が含まれる課題では、リボンが2ヵ所に張りわたされるが、その配置を「縦」または「横」から選べる。機体を横から見ながら操縦するか、正面から見ながら操縦するかを選択できることで、距離感の把握などの操縦感覚が大幅に変化する。
各課題は離陸を失敗したり、墜落したりした時点で即アウト。しかし、それ以外には時間制限もなく、失敗によるペナルティもない。だから、墜落するまで何度でも安心してやり直すことができる。「追尾」以外の課題では、飛行コースも自由だ。着陸する滑走路は課題によって定められており、幅が広くて着陸しやすい第一滑走路と、幅の狭い第二滑走路、円形の円内着地点の3種類が指定される。
必要に応じて、演技中の画面にリボンや滑走路の上空からのレーダー表示、送信機のスティック位置の簡易表示を表示させることもできる。(低難易度バージョンでは視野が広くなっているとはいうものの)視界はかなり限定されている。滑走路やリボンの位置関係を把握するためにも、最初のうちはレーダー表示をした方がよい。
画面右側には、赤と緑でゾーンが色分けされたスロットルの開閉状態を示すインジケータが表示される。機体の速度調節はもちろん、着陸時の重要な目安となる。また、画面には機影も表示され、これも地面や地上の物体との距離感を把握するための大切な目安となる。
演技の終了後は、「直前の演技鑑賞」でリプレイを見ることができる。作者自らがプレイした「模範演技」もそれぞれの課題について用意されており、飛行プランの参考とすることができる。
演技に使用できる機体は全部で5機種。内訳は、練習機3機とスケール機2機となっている。当然、練習機の方が安定性がよく、速度も遅くて扱いやすい。特に初心者は、09クラスの超軽量練習機を使用することが推奨されている。