暗殺を生業とする少女たちが、国に起きた重大事件の謎に迫る長編RPG。凄腕の剣士、陽気な泥棒といった個性的なキャラクタの織り成すストーリーが秀逸。「烈火の剣士」は、暗殺者集団「シャドウエッジ」に所属する少女が主人公のRPG。舞台は、神官が力を持つ東の大国「ミルス神国」。神都ミルスには「至高の光」と呼ばれる宝珠があり、宝珠から放たれる光で魔物の脅威から守られている。主人公「レミッサ」は仲間とともに、ミルスに所属する神官を暗殺する仕事を請け負い、順調に成功させる。しかし、アクシデントによって謎の傭兵団「ニーグル傭兵団」に助けられることになる。
この日からレミッサの周囲で不思議な事件が起こりはじめる。殺したはずの死体が生き返る謎の現象、自分を殺す魔物が出てくる謎の夢、怪我をした覚えがないのに首に浮き上がるアザ。そしてある日、依頼を終えて村に戻ったレミッサを待っていたのが、虐殺されたシャドウエッジのボスと、村の住民たち。レミッサと仲間の少女「シュリン」と「ゼヴァン」は、育ての親でもあるボスの敵を討つために、事件の謎を追いかけることを決意する。
事件の陰に見え隠れするミルス神国の陰謀、敵か味方かわからないニーグル傭兵団の真の意図、主人公をつけ狙う謎の存在、ボスが残した謎の単語「ドナー」など、さまざまな謎が提示され、プレイヤーをゲームの世界に引き込む。
謎の多いストーリーとともに、ゲームの魅力になっているのが個性的なキャラクタ。主人公・レミッサは、暗殺者である以外は素直でかわいらしい女の子。主人公の仲間であるシュリンは、明るくノリのよいムードメーカー。もうひとりのゼヴァンは少女ながら寡黙で、機械的に淡々と仕事をこなす頭脳派だ。
ストーリーに深く関わるニーグル傭兵団の面々も同様に個性的。自信家の隊長や色っぽく即物的なナンバー2の女性、隊に参加している理由が不明な寡黙な剣士など、さまざまな境遇の人が集まる。
これらのキャラクタが織り成すストーリー性は高い。序盤で「これでもか!」というほどの謎が提示され、プレイヤーはキャラクタを操作しながら、これらの謎を一つひとつ解決してゆくことになる。ほとんどの場合、プレイヤーはメインキャラであるレミッサやシュリン、ゼヴァンらシャドウエッジの隊員を操作することになるが、ストーリーが進むにつれ、レミッサ以外のキャラクタがパーティに参加したり、レミッサ以外のキャラクタのみで謎解きの一部を進行できたりもする。
操作できるキャラクタは、ニーグル傭兵団の一部や某所に入りびたる泥棒など多彩。入り組んだ謎を、プレイヤーがさまざまな視点から理解できるよう配慮されている。
ストーリーは難解だが、ゲームシステムはオーソドックスでわかりやすい。基本的には街などで情報収集を行い、情報をもとにダンジョンで敵と戦いながら目的を達成してゆく。戦闘は、ダンジョン内で敵と遭遇するランダムエンカウント方式を採用。ただし、敵のグラフィックとの接触で戦闘がはじまるシンボルエンカウントが併用されているダンジョンも用意されている。この場合、シンボルエンカウントする敵の方が強いので、戦闘に自信がない場合はランダムエンカウントで遭遇する敵を重点的に倒し、経験値を稼ぐとよい。
1回のターンで敵と味方がそれぞれ1回ずつ行動するターン型。敵と遭遇するとバトル画面に切り替わり、「攻撃」「特殊」「防御」「アイテム」から行動を選べる。「攻撃」は装備している武器を使った一般攻撃で、装備武器によっては敵全体を攻撃することも可能。「特殊」はその名の通り、「気」ポイントを消費しながら行う特殊な攻撃。通常攻撃よりも破壊力のある必殺技や回復魔法などの魔法を使用できる。
敵を倒すと、いくらかの経験値とお金とともに「ソウル」を手に入れられる。ソウルは、店などで換金できる特殊アイテムのこと。「烈火の剣士」ではアイテムや武器などが少々高価に設定されている。お金が足りない場合は、ソウルを売ってお金を稼ぐとよい。出現するソウルは、弱い敵の場合は「ウィークソウル」、強い敵ならば「ストロングソウル」など、敵の強さによって種類が異なる。もちろん強い敵のソウルの方が高く売れる。
武器を購入するお金がない場合は宝石を見つけるのも手だ。ゲーム内のある場所では、ルビーやサファイアといった宝石を無料で武器やアクセサリに加工してくれる。