「Radio Tracker」は、ミュージックファイルを収集するためのダウンロードソフト。あらかじめ8,000局以上のインターネットラジオ局、70種類以上の音楽ジャンルが登録済み。ユーザは好みの音楽ジャンルを選択し、「開始」ボタンをクリックするだけで、「Radio Tracker」がさまざまな局から自動で楽曲をダウンロードし、保存する（もちろん曲ごとの課金はない）。

保存されるのは、放送のうちの楽曲部分のみ。CMやジングルは、指定オプションにもとづいて自動的にカットされる。保存時には、アーティスト名/楽曲名を自動的にファイル名としてくれる上、ID3タグにもトラック名/アーティスト名を記録してくれる。あとから曲を聴いて名前を付ける手間が省け、曲名やアーティスト名がわからずに困ることもない。

条件を設定して、ダウンロードを制限することも可能。帯域幅やデータ容量、時間などを条件にできる（何も指定しないと、停止するまで延々とダウンロードし続ける）。ラジオ局ごとにデータ量、ビットレートなどを確認することも可能。特定のラジオ局をスキップすることも可能だ。ダウンロード・保存を停止する場合は、その場で作業を中止するか、現在処理中の作業を終わらせてから終了するかを選べる。

オプションは、大きく「ダウンロードに関するもの」「MP3に関するもの」に分けられる。ダウンロードに関するものには、ビットレートやストリーム数（曲を取得するラジオ局数）などの制限、ジングルなどの極端に短い曲（音）を保存しないよう、秒数を指定できるフィルタなどがある。MP3に関するものでは、各曲（トラック）の音量のばらつきをなくし、レベルを一定にする「標準化」や、フェードイン/アウトの秒数などの設定がある。

さらに、保存に関する設定では、同一曲を重複保存しないよう、最も音質の優れたものだけをエクスポートしたり、楽曲を識別するための項目を指定したりすることが可能。エクスポートされたファイルは、初期設定ではジャンルごとにサブフォルダに分類・保存されるが、ステーションごとに分けたり、すべてを同じフォルダに保存したりといったことが可能だ。

筆者の場合、仕事中にも音楽を聴いていることが多いが、FM局だと余計なおしゃべりやCMが入って興がそがれる。それに、洋楽のオールディーズのロックやソウルが好みなのだが、もともとそういうプログラムが少ないのも悩みの種だ。というわけで、海外のインターネットラジオを聞きながら、しかも自動で録音できる「Radio Tracker」は堪えられないものがある（J-POPがお好みの方には「邦楽（アジア）」というジャンルがあるのでご心配なく）。

保存された曲を聴いてみると、不自然にフェードアウトしていたりすることもあるのが不満といえば不満だが、これはおそらく放送の際にMCなどがかぶさっていたためだろう。聴いてみて気に入らなければ、曲のファイルごと削除すればいいので、むしろ余計なジングルなどをカットしてくれる点に感謝すべきだろう。曲を選んでダウンロードするわけではないし、自分で編集する必要もないので、とてもラクチンだし、自分が知らない曲が増えているのも新鮮でいい。Premium版ならフィルタ機能を使ってお気に入りのアーティストの曲だけを選び、コレクションするのもいいだろう。とにかく音楽好きなら楽しくなること請け合いだ。

それでも、敢えて“いまどきの”などと注釈をつけたくなってしまうのは、筆者がLPレコード世代で、コンセプトアルバムとかが大好きなおっさんだからであろう。再発CDはLPバージョンに比べてエンディングのフェードアウトが早いとか、そういうことにうるさい人にはあまりお勧めしない。

ところで、ソウル/R＆Bの中からサブジャンルとしてクラシックを選んだ場合、なぜか必ずポップ/ロックのクラシックと思われるラジオ局が出てくるようだ。プログラムのエラーを引き起こすような致命的問題ではないが、好みの曲が聞けないとなると気になるものである。ジャンル設定のミスなら、すぐにも修正できると思うので、できるだけ早い対応をお願いしたい。

通常のユーザは、ストリーミングテクノロジーやお気に入りの音楽を入手する場所がわかりません。 また、ラジオステーションに関する情報の入手方法もわからないでしょう。そうした方々のために、「RadioTracker」は技術的なバックグラウンドやインターネットラジオステーションに関する知識を必要としないソリューションとなります。

「RadioTracker」は77までの音楽ジャンルの8,000のインターネットラジオステーションを用意しています。通常のユーザはこれらの情報を得る機会はありません。「RadioTracker」は、ブロードバンド インターネット接続を持ったユーザに、一度に99までのラジオステーションをストリーミングする機会を提供します。

ユーザは、24時間の間に数GBにも及ぶ音楽ライブラリを構築することが可能です。将来的には、インターネットを検索する統合化されたID3タグツールや、携帯電話向けの機能を備えたバージョンの開発を計画しています。また、アーティストや曲をより正確に取得するウィッシュリスト機能も予定していますので、「RadioTracker」の今後にもご期待ください。