「ノートン・システムワークス 2006」は、ウイルス/スパイウェア対策、ネットワークセキュリティ、バックアップ、データ保護など、パソコンの安全を守るためのツールが集められた統合型セキュリティパッケージ。「Norton AntiVirus 2006」「Norton GoBack」「Norton Utilities」などから構成される。

アンチウイルスソフトとしては「Norton AntiVirus 2006」を搭載する。ディスク内のファイルをスキャンするほか、ディスクへの書き込みを常時監視し、ウイルスを検知すると警告するリアルタイムスキャン機能を持つ。もちろん電子メールとして送られるウイルスや、トロイの木馬、ワームなども的確に発見し、駆除または隔離する。パターンファイルを自動アップデートすることで、新種のウイルスにも対応する。

ファイアウォール機能では、ネットワークからの侵入を防御するのに加え、スパイウェアによるコンピュータからの情報送信もブロックできる。

「Norton GoBack」は、プログラムのミスやユーザの誤操作から、データの消失を保護する機能。「Norton GoBack」を有効にした状態では、パソコンのディスク書き込みが常時監視され、ファイルの削除や既存ファイルへの上書きなど、データが失われる可能性がある場合、自動的に専用領域にバックアップされる。ユーザがデータ消失に気づいた際には、画面で復元対象のファイルを選択すればよい。指定日付・時刻のファイルの内容をバックアップから自動的に復元する。例えば「一昨日、間違って削除してしまったファイル」も、バックアップが残っていれば、元に戻せる。

「Norton Utilities」は、Windows環境のパフォーマンス向上を実現するユーティリティ集。ハードディスクドライブの断片化を解消する「SpeedDisk」や、Windowsの設定上の問題点を発見し、解消する「WinDoctor」、システムに問題がないかどうかを調べる「System Doctor」、誤消去したファイルを復元する「UnErase」などが含まれる。

securityには、防衛、保安といった意味のほかに、安心、安全といった意味があることがわかる。証券といったものもまた、英語では“security”と呼ばれる。つまりsecurityとは、日本語でいう「警備保障」的な意味合いのほかに、パソコンのデータを安全に預かるという「証券会社」的な意味合いも含まれているのだ。

この考えに従うなら、単にウイルス防御やファイアウォールといった、従来のイメージによる「セキュリティソフト」だけでは、パソコンのセキュリティは万全といえない。これらのソフトは、パソコンを外部からの攻撃からは守ってくれるが、データを安全に保管するという意味合いは薄い。データの二重化やバックアップといったデータ保護の仕組みが欠けているからだ。

この点、「ノートン・システムワークス 2006」は違う。ウイルススキャン、ファイアウォールはもちろん、データ保護、データ保全的な機能も合わせて搭載しているからだ。いわば「完全な意味」でのセキュリティソフトといえるのではないだろうか。「パソコン内のデータを大切にしたい」人にお勧めのソフトだ。