「INTERNET POWER DOWNLOAD」は、Webサイトの一括ダウンロードやストリーミング動画のダウンロードに対応したダウンロードソフト。OSのパラメータを変更することで、ダウンロード速度を向上させる機能も搭載する。

ダウンロード時のファイル指定方法は、（1）単独のファイルを一つひとつURLで指定してゆく方法と、（2）URLを一つ指定し、そこからリンクされたURLすべてを自動的にたぐって指定する方法の二通り。ブラウザで表示されているページのURLを自動取得して、指定することも可能だ。

特徴のひとつが、ページ内の画像やFlash、ストリーミングファイルなどを、選択するだけでダウンロードできる「ブラウザSPY」機能。ブラウザのコンテキスト（右クリック）メニューからファイル保存を実行できない場合でも、「ブラウザSPY」を使えば、必要なファイルをダウンロードできる。さらに、URLごとにアカウント名/パスワードを指定することが可能で、認証が必要なページでもファイルをダウンロードできる。

一括ダウンロード時には、指定URLからたどる階層数を指定できるほか、ダウンロードするファイルを種類（拡張子）でフィルタリングすることが可能。画像アルバムページでの001.jpg/002.jpg/……といった連番URLリストを自動的に作成する機能、クッキーによる認証を使用しているページで、自動的にブラウザのクッキーを取り込む機能などもある。

Real/ASFなどのストリーミングファイルをダウンロードできる点も特徴のひとつ。ストリーミング再生で使われるプロトコルであるRTSP/MMSに対応し、通常はブラウザでダウンロードできない動画/音声ストリームをファイル化し、ダウンロードできるようになっている。

ストリーム指定がSMIL/RAM/RPM/ASXなど、データの“実体”ではなく、内部で実データのURLを指し示すようなメタファイルの場合も、ファイルを自動的に解析してデータ本体の場所を調査し、ダウンロードを実行できる。ダウンロードは、その場ですぐに開始できるのはもちろん、スケジュール機能により指定時刻に開始させることも可能。ダウンロード終了後、自動的に電源をOFFにする機能もある。

ダウンロードしたファイルは、一覧表示でURLを確認できる。画像や動画などの場合は、一覧リスト上にサムネイルが表示され、ひと目でファイルの内容を確認できるようになっている。

ただ、ネットワークというのはいまだ微妙なバランスの上に成り立っている存在だ。自分一人だけが高速で、他の人が低速なネットワークを使っているというならともかく、みなが高速な接続を手に入れられるようになると、こんどは「サーバ負荷」が問題になってくる。高画質高品質な動画を多くの人が同時に観るようになると、いくらネットワークが高速になっても結局、アクセス集中によるひっかかりなどが発生してしまうのだ。

この問題を解消するための現実的な対策は、サーバからの直接ストリーミング配信ではなく、いったん「ファイルとしてダウンロード」する方法だ。これなら、ネットワークの混雑具合に左右されることなく、安定した動画再生ができる。ところがうまくいかないもので、ストリーミング配信の場合、こうした使い方を許さない場合も多い。ブラウザで「ファイルに保存」をしても、動画の実体ファイルが手に入れられないの。動画のストリーミング再生では、ブラウザが使うHTTPやFTPなどのプロトコルではなく、RTSPやMMSといった、専用のプロトコルを使うことが多い。ストリーミングデータを受信するためにはこうしたプロトコルを装備していなければ駄目なのだ。

「INTERNET POWER DOWNLOAD」では、このストリーミングプロトコルをネイティブでサポートする。本来であればダウンロードできないはずの動画ファイルをダウンロードできるのは、この機能があってこそだ。どんなデータでも必ずダウンロードできるというわけではないが、特にネットワークが混雑する時間帯に使うことが多い人にとっては魅力的なソフトだろう。