高い操作性と高度なエンコード機能が特徴のMPEGカット編集ソフト。レスポンスがよく、使いやすい。「TMPGEnc MPEG Editor 2.0」は、動画編集で“最もニーズの高い「カット編集」に特化した”MPEG編集ソフトの新バージョン。「2.0」では、DVD-VR出力やHDV向けMPEGファイルの出力に対応したほか、ウィザード機能などの強化が図られ、より使いやすくなった。
対応する動画形式はMPEG-1/MPEG-2。通常のTVキャプチャボードで作成されるMPEG-2プログラムストリームはもちろん、エレメンタリストリーム/トランスポートストリームといった特殊なMPEGも編集できる。さらに、MP@LL/MP@ML/MP@HL/HP@H-14/HP@HL/MP@H-14/HP@MLなど、ハイビジョンも含むプロファイルレベルに対応するほか、「2.0」では新たに、ビクターのハードディスクムービー「Everio(エブリオ)」の動画ファイル(.mod)にも対応した。従来は別売のAC-3パックが必要だったDolby Digital(AC-3)エンコード音声も、「2.0」からは標準対応になった。
編集機能は、動画の一部切り取りと結合の「カット編集」に絞り込まれ、従来バージョンと変わらない。ただし「2.0」では、新たに搭載された「マルチカット」機能により、一つの動画クリップに対して二つ以上のカットポイントを設定し、一度に複数クリップを抜き出せるようになった。TV録画のCMカットなどに便利だ。編集はもちろん、GOP単位ではなく1フレーム単位で行える。必要な部分だけに再エンコードを行う「スマートレンダリング」も利用できる。
定評のある高速スクロールは「2.0」でも健在。「編集ポイント」を選択するための操作は極めてスムーズに行える。さらに「2.0」では、ボタンなどのユーザインタフェースが、従来のシンプルなものから、アイコンを活用したわかりやすいものに変更された。基本的な操作は変わらないが、より直感的な操作が可能になった。
音声機能では、音ズレの補正や時報音の低減、音声のフェードイン/アウト、2ヵ国語音声対応といった従来からの機能に加え、ノイズ除去と音量の均一化の機能が加わった。AC-3プラグインが標準搭載となったため、Dolby Digital(AC-3)でのエンコード保存も標準で行えるようになった。
出力機能では、ソニーのハイビジョンDV(HDV)方式のMPEG出力に対応。また、DVD機能では、DVD-VR規格準拠のMPEGファイル(VRO形式)の出力にも対応した(DVD-RAMなどのVR対応メディアへの出力機能も提供が予定されている)。
エンコード機能では、「TMPGEnc」シリーズの高精度エンコーダはもちろん、新たにインターコム社のトランスコーディングエンジンにも対応。これにより、読み込み時とは異なるビットレート(圧縮率)の異なるファイルも高速に出力できるようになった。時間のかかるエンコード作業では、ハイパースレッディング/マルチプロセッサ/デュアルコアCPUにも対応する。