一度ダンジョンから抜けると能力値が初期化されるという、一風変わったシステムが特徴のダンジョン探索型RPG。「BRUME」は、霧に囲まれた小国の、霧に隣接した小さな村・コーゲンが舞台のダンジョン探索型RPG。この国では、多くの冒険者が霧の外の世界を見るために旅立つが、霧の外の世界を見て帰ってきた者はいないという。主人公の「クレイス」はある事情により、この村を拠点として霧の大地を冒険することになる。
プレイヤーはクレイスを操作して、村からダンジョンの探索に出かける。ダンジョンは複数のエリアに分かれ、特定エリアにたどり着くとイベントやボス敵との戦闘が行われる。また、ダンジョン内には「幻獣」と呼ばれるモンスターが多数徘徊し、幻獣と接触しても戦闘が開始される。一般的なRPGでは、敵と戦うと経験値がたまり、一定の経験値でレベルアップできるが、「BRUME」にはレベルアップの概念がない。その代わり、敵に勝利すると「TP」というポイントが手に入る。TPを割り振ることで、攻撃力や防御力、体力などのステータスを上げられるようになっている。
最初はあまり強くない敵も、ダンジョンの奥に進むとどんどん強くなる。このためTPを利用して、クレイスを強化してゆかなければならない。TPでステータス強化を行う方法は複数あり、強化方法によってプレイスタイルが変わってくる。
最も簡単で一般的な方法が「能力値設定」で「CP(Capacity Point)」を強化すること。CPは、攻撃力や防御力をはじめとした四つのステータスを統合したもので、一般的なRPGでの「レベル」のよう存在。CPをアップすると、四つのステータスが自動的にバランスよく底上げされる仕組みになっている。1CPをアップするのに必要なTPは60程度。ゲーム開始時に倒せる弱い幻獣でも、1匹倒せば200近いTPを手に入れられるので、CPによるステータスアップは手軽に行える。
ただし、「BRUME」では一度村に戻ると、CPが初期化されてしまう。つまり、いくらCPをためても、次にダンジョンに入ったときは「レベル1」からのやり直しになってしまうのだ。そこで重要になるのが「アクセサリ」と「ラズナのお店」だ。
アクセサリはその名の通り、主人公が装備できるアクセサリのこと。アクセサリを装備すると、「攻撃力を50%アップ」「回避率をアップ」などの効力が手に入る。アクセサリの大きなメリットは「何度村に戻ってもなくならない」こと。CPのように初期化されない。アクセサリは、幻獣を倒すとランダムで手に入るほか、ダンジョン内で出会う商人から、TPと引き換えに手に入れられる。
「何度村に戻ってもなくならない」力を手に入れるもうひとつの方法が、村にある「ラズナのお店」に行くことだ。ラズナのお店ではTPと引き換えに、「何度村に戻ってもなくならない」ステータスアップを施してくれる。ただし、CPの場合と異なり、防御力や攻撃力、体力、敏捷度を個別に強化する必要がある。しかも、CPは1ポイント60TPで複数のステータスを強化できるのに対し、ラズナの店では、ひとつのステータスを1ポイント上げるのに1,500TP以上が必要。敵を倒してもわずかなTPしか手に入らないゲーム序盤でラズナのお店を使うと、ダンジョン内ではTPの不足に悩まされることになる。
「BRUME」では、このほかにもさまざまな独自ルールが用意されている。まず、ダンジョン内は多くのエリアに区分けされているが、一度次のエリアに入ると、前のエリアに戻ることができない。村に戻るには、ボス敵を倒して「村に帰る」というイベントを発生させるか、敵に敗北する必要がある。通常、RPGでは主人公が敗北するとゲームオーバーだが、「BRUME」ではむしろ敵に敗北することを前提にゲームバランスが設定されている。このため、敵に敗北しても村に強制送還されるだけで、手に入れたアクセサリやTPはそのまま残る。
また、ダンジョンのエリアを越える際、ランダムに「システムポイント」が出現することがある。システムポイントでは、村でしかできないセーブを行えるほか、生きたまま「村へ戻る」ことや「現在位置の記録」が可能。現在位置の記録は、村にあるセーブポイントから、記録した場所にワープできる便利なシステムだ。