「ALIVE」の舞台は、魔物の姿をした未知の知性体「WOLF」が存在する世界。特殊傭兵団「F.K.W」に所属する主人公「アレス」は、WOLFを退治する日々を送っていた。ある日、黒装束の不審な男からWOLF退治を依頼されたアレスは、仕事の後輩であり、相棒でもある少女「フォーリィ」とともに、北の山脈に向かう。しかし、山脈にはWOLFは存在しなかったばかりか、フォーリィが黒装束の集団に誘拐されるという事態が発生してしまう。怒ったアレスはフォーリィを奪還するために、黒装束集団のアジトへと単身で乗り込む……。

普通の人間には装備できないはずの「聖具」と呼ばれる武器を、なぜか使いこなせるアレス。謎の事件によって滅亡した「アーリア族」唯一の生き残りであるフォーリィの誘拐事件。アレスの前にたびたび姿を現し、「神の子」を自称する謎の女性「リンディア」など、さまざまな謎をはらみながら、物語は進行していく。

特徴のひとつが、ストーリーのほとんどが敵のアジトや秘密基地などのダンジョン内で進むこと。プレイヤーは、最初はフォーリィを救い出すため、途中からは別のある目的のためにダンジョンの最奥を目指すことになる。ランダムに戦闘が発生するダンジョン内では、数多くの罠や仕掛けが待ち受ける。

ダンジョン内には、リンディアが作り出した別次元世界「次元の森」に行くためのポイントが何ヵ所か用意されている。次元の森では、テントに泊まることでHPやMPを回復できるほか、武器を売買してくれる妖精が存在し、一般的なRPGにおける街の宿屋や店のような役割を果たす。また、次元の森のテントに宿泊すると、ゲームの進行や宿泊回数などに応じて、さまざまなイベントが発生する。物語を進める上で重要なものもあるので、次元の森を見つけたら必ずチェックし、すべてのイベントを見ておきたい。

謎の多いストーリーと魅力的なキャラクタも特徴。単純で明るく“主人公らしい主人公”のアレス。一族が滅亡しながらもアレスを慕って健気に生きているフォーリィ。驚くほどの美人だが、最初のうちは無愛想で冷酷にも見えるリンディア。一見つかみどころのない科学者「信」。いずれも非常に個性的だ。おもしろいのが、ダンジョン内にある「入った人の過去の記憶を具現化する」というエリア。仲間たちの複雑な過去を追体験できるため、プレイヤーが各キャラクタに感情移入しやすい。

豊富に用意された仕掛けは、スイッチやレバーを操作するだけの単純なものから、暗号やパズルを解くことで先へ進む道が現れる頭脳派のものまで、実にさまざま。単調になりがちなダンジョン攻略型RPGにおいて、飽きにくい工夫が凝らされている。仕掛けの難易度はそれほど高くなく、敵の強さもレベルさえ適切に上げていけば、問題なくクリアできる程度になっている。

ダンジョンが広いため、最初のうちは移動が少々面倒に感じるかもしれない。しかし、そんなことを感じなくさせるほど、魅力的なキャラクタたちと、さまざまな謎が絡み合ったストーリーが秀逸だ。RPG初心者にも、ぜひプレイしてほしいゲームだ。

ALIVEのみどころについて
シナリオ面では、作品のタイトル通り“生きること”をテーマとした部分にご注目いただければと思います。それまで何気なく生きていた主人公たちが、最終的にたどり着く“自分たちが生きる、その理由”。この作品で、多くの“何気なく生きている人”に、自分の生きる意味、自分を突き動かす“生きる力”を知ってもらえたらいいな、と思っています。（制作代表：OTONO）

キャラクタ面では、微妙に変化していく彼らの表情にご注目いただければ幸いです。私はあまり多くの表情を描いたことがなかったのですが、「ALIVE」キャラたちの顔グラフィックを描くたびに、少しずつ「表情」に力を込められるようになっていきました。物語中で成長していく彼らはもちろん、微妙に変化していく彼らの表情を感じ取っていただければ幸いです。（キャラクターデザイン：珠百合）

当作品における反省点
「ALIVE」制作における反省点は、パラメータなどの数値管理と、あとはシステム管理の甘さについてでした。今後はこの点に注意し、よりよい作品をみなさんにお届けしたいです。次回作「BREAKER」では、「ALIVE」以上の完成度を目指します。

今後の作品について
当作品でみなさまからいただいたご意見・ご感想をもとに、現在当方では、新作RPG「BREAKER」を開発中です。「BREAKER」も前作同様シナリオとキャラクタに力を入れ、なおかつシステム面での向上を目指し、開発を進めております。前作を超えるスケールと完成度で、また皆さまとお会いできれば光栄です。