豊富なブラシツールをはじめ、非常に多くの機能を搭載した高機能グラフィックエディタ。ハイレベルなアートワークもこなせる。「full color graphic editor Hyper-Paint」は、ピクセル単位の編集が可能なフルカラーのビットマップ系グラフィックエディタ。白紙状態からのペイントはもちろん、スキャナから画像を取り込んだり、下絵を読み込んでトレースしたりと、さまざまな方法で描画できる。トーンカーブ補正やフィルタ処理などの機能もあり、フォトレタッチソフトとしても十分な機能を備えている。
メイン画面は、タイトルバーと描画エリア(キャンバス)だけのシンプルな構成(「Hyper-Paint標準の外観」の場合)。メニューと一体化したツールバーやパレットなどはすべてフローティング形式のウィンドウで、デスクトップ上に自由に配置できる(メイン画面の外に出すことも可能)。また、カラー選択用パレットや一部の設定ウィンドウでは、作業の邪魔にならないよう、マウスポインタを重ねると本来のサイズで表示され、ポインタが外れると自動的に(元の)小さな表示に戻るようになっている。
描画エリアは12枚の「キャンバスページ」で構成され、さらに4枚のレイヤと組み合わせて作業できる。描画ツールは、筆(通常のブラシ)のほか、クレヨンや油彩、水彩などの画材のタッチを表現するもの、こする/ぼかす/シャープなどの効果を出すもの、パターンを描くもの、スプレー/エアブラシ、明るさやコントラスト/彩度などを調整できるフィルタブラシなど、20種類以上が用意されている。さらに、描画方法には「通常筆」「演算筆」の二つがある。通常筆はストロークが重なったところを上書きするのに対し、演算筆では重なった部分の色を演算で合成して作り出す。
描画ツールは、フリーハンド描画や直線、矩形などの描画モードと組み合わせることで、例えば「木炭のタッチで正確な円を描く」といった使い方ができる。ポリゴンの描画や領域の塗りつぶし、色の置き換え、文字の入力なども可能だ。描画エリアには「用紙」を適用することで、キャンバスの素材の風合いも表現できる。
高度な編集に欠かせないマスク機能では、ブラシなどでマスク領域を描き、そこに重なる部分を保護できる。マスクは12枚のページ(マスクプレーン)を使い分けることが可能。複数のプレーンを組み合わせて使用することも可能だ。
フィルタ機能では、エンボスやポスタリゼーション、輪郭抽出などのエフェクトのほか、色相/明るさ、彩度、シャープ/ぼかし、トーンカーブ補正といったレタッチ的な処理が可能。なかにはブラシのストロークを記録・再生できるフィルタなどもある。そのほかにも、絵画風や水彩風への変換、額縁やプリクラ風フレームを付けるといった特殊フィルタや変形用フィルタなど、約70種類ものフィルタが用意されている。
対応する画像形式は、読み込みがBMP/GIF/JPEG/PNG/TIFFなど9種類。保存はBMP/GIF/JPEG/TIFF/PNG/RGB/Q0の7種類。マスクデータも保存できる。保存時にはJPEGの圧縮率、BMP/GIFの色数などを指定できる。
機能が豊富なため、利用するインタフェースにも配慮されている。「Hyper-Paint標準の外観」か「一般のペイントソフトの外観」かを選択できるのに加え、「最低限の機能から使いはじめるか否か」も選択できる。