Office文書やPDF文書、電子メールの内容までも検索できる、強力な文字列検索ソフト。対応DLLを用意することで、アーカイブ(書庫)ファイル内の文書も検索できる。文字コード/改行コードの違いなども判別して検索してくれる。「KWIC Finder」は、複数ファイルを対象に文字列を一括検索できるソフト。GREPツールに近いイメージだが、テキストファイルだけでなく、Microsoft Officeや一太郎、OASYS/Win、Lotus1-2-3といったビジネスソフトの文書ファイルやPDF形式のファイルも検索できる(ユーザ登録を行わない場合、試用期間が終わるとテキストファイルのみの検索が可能なフリーライセンス扱いになる)。
一般的なGREP検索が、実行するたびに文字列をチェックする(逐次検索)のに対し、「KWIC Finder」では、出現するすべての語句をインデックスに登録し、インデックスをもとにいったん検索対象を絞り込んでから、さらに逐次検索を行うといった動作が可能。大量のファイルを対象にする場合、高速で効率のよい検索を行える(インデックスファイル用のディスクスペースが必要)。インデックスファイルを共有することで、サーバ上のデータをクライアントマシンから検索することもできる。
メイン画面は、ツールバーなどのほかは、(1)フォルダツリー、(2)検索条件指定エリア、(3)ファイル一覧/検索一致ビュー、(4)テキストビューの各エリアから構成される。ファイル一覧/検索一致ビューで選択したファイルの内容をテキストビューで閲覧できるようになっており、ファイルビューアとしても利用することが可能だ。マルチメディアプレイヤーとしての機能もあり、オーディオ/ビデオなども再生できる。さらに、HTMLファイルを選択した場合は自動的にブラウザモードに切り替わり、アドレスバーにURLを入力すれば、そのままWebの閲覧もできる。
検索は、対象フォルダを選択して行う。フォルダはチェックボックスで選択することが可能で、階層構造に関係なく、複数のフォルダを検索対象として指定できる。検索条件の指定は、文字列の入力のほかにも、ファイル名(またはその一部)を指定したり、拡張子でフィルタリングしたりして行える。検索文字列にはAND/OR/NEAR/NOTの各条件を指定することが可能で、条件をカッコで括れば優先順位も指定できる。
さらに、部分一致/完全一致/前方一致/後方一致の指定、ファイルサイズや更新日の指定、アーカイブ内の検索、正規表現の使用、あいまい検索、フレーズ検索、同義語検索などを行える。Office文書に記録されているタイトルや作者などのプロパティ情報の検索も可能だ。同義語検索は、独自の辞書を使用する。ユーザが辞書を編集することもできる。
検索を実行すると、ファイル一覧ビューは、マッチした文字列と前後の文を一覧表示する検索一致ビューに切り替わる。検索一致ビューではマッチした文字列を含むファイル名、ファイル内でマッチした回数、行番号、マッチした文字の前後の文脈などを確認できる。ここで行を選択すると、テキストビューエリアに文章が表示される。
特徴のひとつが、(GREPツールと異なり)マッチした文字列をキーワードごとに表示できること。もちろんGREPツールと同様、1行単位で出力することもできる。さらに、検索結果をタブ区切り形式のデータで出力することも可能だ。
テキストビューア部は、簡易テキストエディタとしての機能も備えている。通常は閲覧モードになっているため、不用意にテキストを書き換えてしまう心配はないが、必要に応じてモードを切り替えて編集できる(対応するのはテキストのみで、ワープロ文書などの編集はできない)。
アウトライン機能も備えている。あらかじめ指定した見出し記号を文書内に記述しておくことで、見出し構造が自動的に判別され、ツリー形式で表示される。ツリー上の見出しをクリックすると、ビューア部で内容を表示してくれる。
オプションでは、インデックス検索用の検索エンジンを「KWIC Search Engine(標準エンジン)」「Namazu(フリーの全文検索エンジン)」「Microsoft Index Service」から選択できる。Namazuを利用する場合は別途、インストールが必要。Microsoft Index Serviceの場合は、Windows 2000/XPのサービスとして実行するための設定が必要となる。
そのほか、「外部アプリケーションの登録」「検索から除外する拡張子の指定」「Susie Plug-inを使った対応画像形式の追加」「あいまい検索のオプション設定」なども可能。インデックスのメンテナンスは、オプション設定画面やコマンドラインから行える。タスクスケジューラに予定を登録して、定期的にインデックスを更新することもできる。