「Windowsを操作しながら、システムを含むバックアップを取れる」ことが特徴のバックアップソフト。スケジューリング機能を使うことで、「バックアップを実行している」ことを意識せずに、ドライブ全体のバックアップを取れる。「Acronis True Image」は、Windowsの稼働中であっても、システムを瞬間的にロックし、ドライブのスナップショットを取ることで、システム領域を含めたバックアップを可能にするソフト。システムを含めたドライブ全体のバックアップをとる場合でも、Acronis Drive Snapshot機能により、DOSモードにする必要がなく、Windowsを操作しながらバックグラウンドで実行できる。
新バージョン「8.0」で強化されたのは、
- スピードアップ&ディスク容量の削減
- 復元後のファイルシステムチェック
- 優先度設定
の三つ。バックアップ時にページング/ハイバネーションファイルを含まずにイメージを作成することで、所要時間とイメージサイズを大幅に減少させることが可能。復元前のイメージファイルチェックに加え、復元後にもシステムファイルをチェックすることで、安全性を高めている。「優先度設定」は、バックグラウンドでのイメージ作成処理の優先度を決められるもの。低く設定すれば、動作中アプリケーションでの作業効率を落とさずにイメージを作成できる。別のアプリケーションを動作させる必要のない場合は、優先度を高くすることで、イメージ作成処理を高速に行える。
前バージョン「7.0」に搭載されていた豊富な機能はそのまま継承されており、
- イメージの作成や復元をウィザードで簡単に行える
- イメージを仮想ドライブとして扱い、イメージ内ファイルを閲覧したり、ファイルを個別に復元したりできる
- 前回のバックアップ時との変更部分だけを増分バックアップできる(Ver.7.0まで「差分バックアップ」と呼ばれていたが、「8.0」では「増分バックアップ」となった)
といった機能は変わらない。「指定日時」「日/週/月単位」「コンピュータの起動/シャットダウン時」「ログオン/ログオフ時」に、あらかじめ設定したタスク(イメージ作成処理)を実行できる強力な「スケジューリング」機能、作成したイメージにエラーがないかを調べる「イメージチェック」機能、イメージ作成の「ログ表示」機能なども「8.0」で引き続き利用できる。ディスクの破損などでWindowsが起動しなくなった場合の対処として、「Acronis True Image」を単独起動してシステムを復旧させる「Acronisセキュアゾーン」「Acronisリカバリマネージャ」が用意されている点も「7.0」同様。CD-R/FDで起動用メディアを作成しておけば、これらのメディアから「Acronis True Image」を起動できる。「Windowsが起動しない」という万が一のケースが起きても、慌てる必要はない。
システムを含めたディスク全体のクローンを新しいディスクに作る「ディスクのクローン作成」や「新しいディスクを追加する」機能も搭載。ディスクの増設も簡単に行えるようになっている。